Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、PC(Steam)用ソフト『ONI - 空と風の哀歌』が、クラウディッドレパードエンタテインメントより2023年3月9日に発売された。
本作は、昔話の『桃太郎』をベースにした3Dアクションゲーム。かつての鬼たちの魂が彷徨う“鬼世島(きせじま)”を舞台に、桃太郎に敗北した小鬼の戦士・空太が、桃太郎への復讐を果たすべく、相棒の風丸とともに過酷な修行に励む。
鬼の空太と相棒の風丸。小さな彼らが小さな島を舞台に挑む、空と風の物語。新進気鋭のクリエイターKENEI DESIGNが描く、スモールワールド・エンタテインメントここに登場! 本記事では、ゲームの魅力や特徴などを紹介。葉山賢英ディレクターのインタビューもお見逃しなく!
※本記事はクラウディッドレパードエンタテインメントの提供でお届けしています。
キャラクター紹介
空太(くうた)
無口で多くを語らない鬼王軍の小鬼の戦士。鬼ヶ島での桃太郎との戦いで、ひとり生き残った。
風丸(かぜまる)
鬼世島にいる、一見オバケのようにも見える不思議な精霊。空太の修行のパートナー。
叶渚(かんな)
鬼世島にいる謎の少女。儚げでどこかか弱そうな印象だが、芯は強く、意外と頑固な一面も。豆腐が大好き。
銭助(ぜにすけ)
空太とは昔からの腐れ縁でつながっている商人。試練を受けるために修行にきた空太を追いかけて、鬼世島に渡ってきた。
うり坊(うりぼう)
鬼世島に暮らすイノシシの子ども。猪突猛進が信条で、空太に呼ばれるとすぐに駆けつけてくれる。
桃太郎(ももたろう)
人間界の英雄。鬼たちを卓越した剣技で懲らしめてきた。鬼世島の秘密を知っているらしいが……。
鬼世島での冒険の流れと多彩な試練
空太の修行の舞台となる鬼世島には、特色の異なる3つのエリアが存在。エリア1は空太が最初にたどり着く場所で、エリア2はカラフルな草原や岩石地帯、エリア3は湖や森林地帯が広がる。
各エリアには“12の試練”が待ち受けており、島内を徘徊する鬼の魂“幻影”に話しかけると、試練にチャレンジできる。試練は、敵の陣形を崩して戦うものや仲間を護衛しながら戦うものなど、バリエーション豊富。12の試練の最後に登場する“伝説の小鬼”を倒すと、つぎのエリアが解放され、新たなエリアで新たな試練に挑むことになる。
空太と風丸のバディアクション
空太は、こん棒を使った豪快なアクションがくり出せる。連続でボタンを押すと最大4連撃までの連続攻撃になるほか、ボタンを長押しすると周囲の敵にダメージを与える回転斬りを放つ。空太の攻撃の4撃目は、装備した武器によって変化するのもポイント。たとえば、“骨砕棒”はブーメランのように投擲でき、“鉄球棒”は回転斬りで敵を吹き飛ばせる。
敵は、“肉体”と“心(心玉)”を持っており、倒すには“心玉”を破壊する必要がある。空太のアクションは、肉体にダメージを与える攻撃と、“心玉”を破壊する攻撃のふたつの系統が存在。これらのアクションを使い分けて、敵を撃破しよう。
また、空太と行動をともにする風丸は、敵から“心玉”を吸い出す力を持っている。風丸の力を使えば、敵と距離を取りながら、より安全でスピーディーに“心玉”を吸引できる。
敵は吸い出した“心玉”を破壊すると倒せるので、空太と風丸のバディアクションが攻略のカギになる。戦闘では、左右のスティックで空太と風丸を同時に操作でき、特定のボタンを押すと瞬時に“風丸モード”に切り換えて“心玉”を吸い出せる。
ボスなどの特殊な敵は、風丸で“心玉”をすぐに吸引できないこともある。そんなときは空太の出番。肉体にダメージを与えると弱点があらわになって吸引が可能に。
さらに、“心玉”が複数出現しているときは、ひとつ目の“心玉”を破壊した後、頭上にアイコンが表示されているときにタイミングよくボタンを押すと、自動的にいちばん近くにある“心玉”を壊してくれる。これを連続で行うことで、爽快感ある連続攻撃“心通連撃”が可能になる。
伝説の小鬼を倒して必殺技を習得せよ
各エリアに出現する“伝説の小鬼”を倒すと、彼らが習得している必殺技を空太が会得できる。たとえば、エリア1の伝説の小鬼“分多(ぶんた)”からは、“分身の術”が覚えられるのだ。
必殺技は画面左上のゲージが溜まると発動可能。必殺技を使えば発動時の衝撃波で敵を弾き飛ばし、心通連撃で一掃するといった爽快感ある戦いも楽しめる!
“ONIごっこ”で空太の体力がアップ
鬼世島には、死した鬼たちの“魂”が散在している。この魂を地蔵に納めると、納めた魂の数に応じて空太の体力がアップする。空太の体力増強に欠かせない魂集めだが、魂を持っていると怪物“くろん”に襲われることも。くろんは絶対に倒せない敵なので、逃げるしかない。緊張感のある“ONIごっこ”を楽しみながら、空太を強化しよう。
くろんに食べられるとあの世行きになってしまうが、要石の付近ではくろんが空太を発見できなくなる。また、アイテムの“身代わり人形”もくろんの対抗策に。このアイテムを持っていると、くろんの攻撃をかわすことができる。
ミッションを達成して御朱印を集めよう
空太の持ち物である御朱印帳には、“黒小鬼を50体倒せ”といったミッションがまとめられている。これらのミッションを達成すると、御朱印が押されて、難度に応じて空太の基本能力がアップする。空太を強化しながら、御朱印帳のコンプリートを目指す楽しみも。
銭助のショップでアイテムと交換
商人の銭助が営むショップでは、キノコをお金代わりに、空太の攻撃をパワーアップできるこん棒や、戦闘中に体力を回復できるおにぎり、きび団子などのアイテムと交換してくれる。ふだんは岩場のそばでお店を開いている銭助だが、行商のためか、ときどき鬼世島をウロウロすることも。銭助は敵に襲われるので、彼を守ることも必要だ。
うり坊に乗って鬼世島を探索しよう
島内には宝箱が点在しており、キノコやアイテムを入手できる。島の探索にはうり坊が大活躍。空太が歩くよりも速く移動できるうえ、リングを通過するミニゲームにも挑める。
また、謎の種族“キノコ族”と交流したり、島に散在する海から流れ着いた手紙や、鬼世島で過去にあった出来事などが書かれた文書“見聞の覚書”を探したりするときも、移動速度の速いうり坊が頼りになる。
葉山賢英ディレクターにインタビュー
『ONI - 空と風の哀歌』のディレクターを務めた葉山賢英氏へメールインタビューを実施。開発秘話や本作に込めた思いなどをうかがった。
葉山賢英(はやまけんえい)
KENEI DESIGNの代表。ソニー・インタラクティブエンタテインメント主催のクリエイターオーディション“PlayStation C.A.M.P!”に合格し、UI デザイナーとして活躍。その後、ゲーム開発会社ミストウォーカーのデザイナーとして、『TERRA BATTLE』や『FANTASIAN』のアートを手掛けたのち、個人として独立。『ONI - 空と風の哀歌』ではディレクターを務める。(文中は葉山)
――『ONI - 空と風の哀歌』がいよいよ発売を迎えましたが、いまのお気持ちを教えてください。
葉山約2年間開発に没頭してきましたが、やっとリリースできたことをうれしく思います。
――どのような思いから『ONI - 空と風の哀歌』を作ろうと思われたのでしょうか。また、鬼が桃太郎へ復讐するというアイデアが生まれた経緯についても教えてください。
葉山もともとは『桃太郎』を題材にしたゲームを作ろうと思っていたのですが、桃太郎誕生から鬼ヶ島の決戦までを考えるとどんどんと構想が膨れ上がってしまい、小規模な体制で作るのは難しいぞ……となってしまいました。
そんなとき、ふと見たザコキャラクターのデザインと目が合って。それが、主人公の小鬼“空太”でした。この子にスポットを当てて、スピンオフ的なカジュアルなゲームを作ったらおもしろいのではないか、鬼を主人公にするということは、やはり最後の敵は桃太郎だろう……と考えが進んでいき、桃太郎に負けた小鬼が復讐するというアイデアに結び付いたんです。
――本作のコンセプトでもある“スモールワールド・エンタテインメント”について教えてください。
葉山オープンワールドの対義として、コンパクトで小さい世界を舞台にしたかった、というのが原点です。オープンワールドは、技術的な進化と相まって、とんでもない広さとクオリティーを担保したジャンルとなっています。それはもちろん素晴らしいことだと思うのですが、逆に広大すぎて探索し切れなかったり、結果的にファストトラベルが必要になってしまったりと、どこかゲームとしての違和感も持っていたんです。
小規模なチームでも現実的に作り切れるという前提の中で、自分自身のセンスを細部まで込められるゲームを作りたい。そんな思いが募って、掌サイズのゲーム、自分なりのスモールワールドを生み出せないかと考えました。細かなところまでこだわって作った世界なので、ぜひ隅々まで遊んでもらいたいと思っています。
――『ONI - 空と風の哀歌』はグラフィックやサウンド、演出などが特徴的ですが、ビジュアル面でこだわられたところ、注目ポイントを教えてください。
葉山私が得意とするのはシンプルでモダンなデザインなのですが、『ONI - 空と風の哀歌』に関しても自分のデザイン性を生かしきったグラフィックでまとめ込めたと自負しています。
画面の色合いに関しては、彩度が高い色合いはあまり好みではないので抑えた色彩にしたり、画面にブルームや被写体深度、ビネット効果なども入れたりして、映像的な世界観と雰囲気にこだわりました。
アクションゲームでは、レベルデザインを前提としたマップ構築を考えて設計することが多いと思うのですが、『ONI - 空と風の哀歌』はまず自分の作りたい世界を作って、その中に試練や、ランドマークの配置などを行うという順番で作っていきました。振り返れば、自分のいちばんの強みを出せる作りかただったのではないかと思っています。
――空太と風丸の2体を同時に操作するバディアクションも特徴的ですよね。
葉山インディーゲームなので、壮大な物語やキャラクターの物量で勝負できないのは自覚していました。なので、何か特徴的なゲームメカニクスがコア要素として必須だと考えたときに、空太と風丸、2体のキャラクターをひとつのコントローラで同時に動かしてみたらどうだろう……と思いついたんです。
空太だけでも敵を倒すことはできますが、風丸を使うことでより簡単に、効率よく倒せるようなアクションができたらおもしろいんじゃないか。たとえば、空太が逃げているときでも風丸を使って敵を倒せたり、風丸を使って敵の弱点をついてスキを作ったり、“幽体離脱”という技で瞬間移動をして遠くの敵の背後に回り込んだり、といったようなユニークさです。
このあたりのアイデアは、ゲームデザインとして参加していただいた方が、かつて『サルゲッチュ』のゲームデザインもやられていた方だったこともあり、うまくまとまったと思っています。最初は操作に戸惑うかもしれませんが、一度慣れてしまえば爽快感ある一心同体アクションを楽しんでいただけると思います。
――ビジュアル面、アクション面のほかにこだわられたところはありますか?
葉山『ONI - 空と風の哀歌』ではビジュアル以外に音楽にもとてもこだわっていて、私が好きな音楽性をいたるところに散りばめています。iTunesなどでいろいろなアーティスト、クリエイターの楽曲を聴いて、直接コンタクトをとって「使わせてください!」とお願いしました。その意味では、ひとりの方の楽曲の方向性に絞っていないので、逆にそれがゲーム全体の個性にもつながったと思います。フィールド上でもつねに英詞のボーカルが入った音楽が流れていて、ゲームの雰囲気をさらに盛り上げています。
――本作に登場するメインキャラクターの中で、お気に入りのキャラクターを教えてください。
葉山空太の相棒でもある風丸がとくにお気に入りです。風丸は、物語とは別の意味で、ゲームプレイに役立つ情報を教えてくれる役割も担っています。フィールドや試練のいたるところでつねにおしゃべりをしてくれて、プレイヤーを導いてくれるとても愛らしいキャラクターです。私自身も、そんな風丸を見ていると癒されますね(苦しい開発中も癒されました……)。
――本作の開発で苦労されたところを教えてください。
葉山少人数での開発のため、自分がやる作業が多岐に渡るところは本当に苦労しました。アートに関する要素はすべて自分でディレクションしていますし、アクション性や触り心地、先ほどお話したサウンドやSEなど、プログラム以外のところはほぼやっていて。あとは関わってくださった方々へのお金の支払いやパブリッシャーとのやりとりなどなど、たまに自分が何者かわからなくなって混乱することも多々ありましたね(笑)。
――反対に開発していて楽しかったところ(またはスムーズに進んだところ)を教えてください。
葉山なんといっても、自分が表現したい世界観を好きなように作っていられる時間はとても楽しい日々でした。会社に所属して作っていたときとは違ってもちろん自分の責任は大きくなりますが、自分で決めたことが100%そのまま反映できるのは、じつはメジャーゲームを作っているクリエイターでも味わえない快感なのかもしれません。その意味では、クリエイティブに関する決定はつねにスムーズに進んでいったと思います。
――本作は5人で開発されたとのことですが、少数精鋭ならではの制作手法や体制についてもお聞きしたいです。
葉山厳密には、短い期間にテンポラリースタッフとしてご参加いただいた方もいらっしゃるので5人というわけではありませんが、最初から最後まで一貫して関わっていたメンバーとしては、私とプログラマー、モーションデザイナー、ゲームデザイナーの4名で、あとはプロデュサーが1名という体制でした。それでもこのレベルのコンテンツを作れた事実は、今後の自信にもなっています。
作業は基本リモートで行っていて、メンバーとはほぼ会うことなく制作を進めていたのですが、たまに細かいところでの仕様確認などで難しさはあったりしました。同じ場所で面と向かって話すのとチャットなどの文字だけで伝えるのでは、伝わりかたが違ったりもしますので……。
ただ今回の『ONI - 空と風の哀歌』はメンバーに本当に恵まれていて、皆さんスキルも高く仕事も早いので、スムーズに作業を進めることができましたね。
――最後に読者へメッセージをお願いします。
葉山『ONI - 空と風の哀歌』は、私が独立してインディークリエイターとして制作した初めての作品になります。とにかく自分がやりたいことをすべてこの作品に詰め込んでいて妥協することなく思う存分作り続けてきました。
いままでにないようなビジュアル、音楽、ゲーム性の作品になっていますので、ぜひ本作を体験していただければと思います!
『ONI - 空と風の哀歌』製品情報
- 商品名:ONI - 空と風の哀歌
- 対応機種:Nintendo Switch/プレイステーション5/プレイステーション4/PC(Steam)
※PC(Steam)版はダウンロード専売。
- 発売日:2023年3月9日
- 価格:
- パッケージ版:各4840円[税込]
- ダウンロード版:各3850円[税込]
- ジャンル : 3Dアクション
- プレイ人数:1人
- 発売:クラウディッドレパードエンタテインメント
- 開発:KENEI DESIGN
- 制作協力:集英社ゲームズ
- CERO表記:A区分(全年齢対象)
- 収録言語(字幕):日本語/英語/繁体字中国語/簡体字中国語/ハングル/フランス語/イタリア語/ドイツ語/スペイン語(※)
※「フランス語/イタリア語/ドイツ語/スペイン語」はアップデートパッチでの追加を予定
パッケージ版限定初回購入特典
- お守り風ステッカー“開運!厄除け!ONI - 護符ステッカー”
パッケージ版限定特典
- DLC“空太の旅道具・迷彩の紋”
- DLC“カンナの着物・しゃれこうべ”
初回購入特典/早期購入特典
- DLC“空太の旅道具・雲の紋”
- DLC“カンナの着物・藍芭蕉”