タイトーから2023年3月9日にNintendo Switch/PS4にて発売予定の『レイズ アーケード クロノロジー』。シューティングゲーム界の歴史に残る3部作(HDリマスターも含めると計5バージョン)が現行ハードで楽しめるということで、ひと足早く触った感触をお届けする。
収録作品一覧
- レイフォース
- レイストーム
- レイストーム NEO-HD
- レイクライシス
- レイクライシスHD
ちなみに筆者は1990年代当時、『レイフォース』は稼ぎなしで1コインクリアー、『レイストーム』はR-GRAY2で2700万点台まで稼ぎプレイ、『レイクライシス』は少しだけ触った経験あり。プレイしたのは四半世紀も前でパターンはほぼ忘れているため、今回は完全新作に臨む気持ちでプレイすることに。「じゃあなんで当時の経歴を書いたんだ」とツッコミが入りそうだが気にしない。
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ゲームをプレイする前に、まずは機能まわりをチェック。スタートメニューからは3タイトルのほか“アチーブメント”、“言語設定”、“クレジット”が選択できる。
アチーブメント
アチーブメントでは、3タイトルそれぞれの実績が表示される。HD作品は攻略に関してはオリジナル版とまったく同じプレイが通用するため分けられていないようだ。解除した実績のところはアイコンが表示されるが、未解除の実績もカーソルを合わせることで条件を確認可能。なお、アチーブメントは各タイトルのポーズメニューからでも閲覧できる。
言語設定
言語設定は以下が選択可能。日本語と英語以外に中国語(繁体字、簡体字)および韓国語も用意されている。
設定可能な言語
- 日本語
- 英語
- 繁体字
- 簡体字
- 韓国語
クレジット
『レイズ アーケード クロノロジー』の制作陣が流れる。スタッフロールの中には“M2 Shot Triggers”のロゴも。『究極タイガーヘリ』や『飛翔鮫!鮫!鮫! -TOAPLAN ARCADE GARAGE-』などを手掛けたエムツーによる移植なので、この時点でこだわりへの期待度が高まる。
オプション
各タイトルのオプション画面では、以下を設定できる。
オプションメニュー
- ゲームの設定
- コントローラーの設定
- 各種画面の設定
- ガジェットの表示設定
- サウンドの設定
- その他の設定
ゲームの設定
難易度や残機設定といったゲーム内容に関する設定のほか、デモ中のアドバタイズ音やコンティニュー設定など細かい調整をカスタマイズできる。『レイストーム』と『レイクライシス』では“SPアタック同時押し無効化”という機能もあり、SPアタックが暴発を心配せずプレイしたりも可能。もちろん基板と同じ環境で楽しみたければOFFに設定すればいい。
コントローラーの設定
自分の好みに合わせてボタンを割り当てられる。連射機能ももちろん搭載されており、秒間5~30連射を細かく設定できる。特筆すべきは3種類の設定を保存できること。携帯モードで遊ぶ場合と、アケコンでプレイする場合では当然ベストな配置が変わってくるため、環境が変わる都度に設定を変更しなくて済む。また、1P側と2P側で別々のボタン配置にできる。
各種画面の設定
スクリーンタイプを“ファイン”、“フィット”、“フル”(『レイフォース』のみ“ドットバイドット”)の3段階で切り換えられる。当時は4:3比率(※)のブラウン管モニターだったため、基本となるファインでは上下左右に隙間が発生する。できるだけ大きい画面でプレイしたい人はフィット(上下または左右いずれかを最大幅まで引き延ばす)でプレイするといいだろう。フル(上下左右とも画面を引き延ばす)は横長に潰れて見えるため筆者的にはおすすめしない。
※『レイフォース』は縦画面のため3:4比率だった。
また、ドット絵どうしの境界線を補間し、なめらかに表示するスムージング設定や走査線エフェクトを再現するスキャンライン設定もある(※)。1990年代当時のブラウン管での雰囲気を味わいたいならONにするといい。
※『レイストーム NEO-HD』と『レイクライシスHD』は非対応。
ほかには壁紙設定やゲーム画面の境目エフェクトなども設定できるので、ベストな環境を模索してほしい。
ガジェットの表示設定
エムツーの十八番と言えば、プレイしながらさまざまな情報をチェックできる“ガジェット”の数々。『レイ』シリーズは3作とも、スコア稼ぎのシステムや世界設定、サウンドなどいろいろな要素が凝りに凝っているのでぜひともONにしてプレイしてほしい。もちろん「アーケード版ではそんな機能はなかった。ワシには不要!」というお方はOFFでいいかと。なお筆者はONとOFFいろいろいじりながら遊ぶ派。
ガジェットの詳細はいちいち説明すると長くなるのでこちらを参照。あとは以下のプレイリポートで触れていく。
『レイ』シリーズは“覚える”のがおもしろい。弾幕が苦手な人でも大丈夫
ようやく本題に入るが、その前に『レイ』シリーズの魅力について語りたい。1990年代はいわゆる“弾幕”タイプのタイトルが数多くリリースされたが、『レイ』シリーズは基本的に弾幕シューとは真逆。スコアを重視するにしろ、単にエンディングを目指すにしろ、パターンをじっくり覚える過程がとても楽しい作品だ。
具体的には、通常ショットのほかに用意された“ロックオンレーザー”で敵をどうやって倒すかを考えるのが何よりも魅力。敵の出現位置にランダム性は(一部を除いて)なく、くり返しプレイしてパターンを覚えていくと確実に上達を実感できて、それが心地いいのだ。
また、ロックオンレーザーで多くの敵をまとめて倒すとスコアに倍率がかかるのだが、撃墜後にスコアが画面に表示されるのがまたいい。適当にアドリブでプレイしていても“25600”といったスコアを見るだけでうまくなったと思える。
覚えるゲームといっても、決して難しいゲームではない。序盤の2~3ステージあたりまではアドリブで十分楽しめるし、なんならコンティニューしながらダラダラプレイしても楽しいし、2P同時プレイでおしゃべりしつつ遊ぶのも一興。もちろん1クレジットで全ステージクリアーを目指すというのならそれなりにくり返しプレイして上達する必要があるが、そんなのは当たり前。雰囲気だけで“玄人向け”や“高難度”といった先入観は持たないほうが幸せだ。
楽しさの理由はロックオンレーザーだけではない。SFみを感じるグラフィックやTAMAYO氏の手掛けるサウンドとともに世界観を楽しんでもいい。
筆者の考える『レイ』シリーズの魅力
- プレイするたびに実感する腕前の上達
- ロックオンレーザーの爽快感。倍率の乗ったスコアを見るのが気持ちいい
- 四半世紀前の作品とは思えない、緻密に描かれたグラフィック
- 世界設定にマッチしたZUNTATA(TAMAYO)サウンド
最新のガジェットでロックオンシステムがよりわかりやすく
『レイズ アーケード クロノロジー』で注目すべきはガジェットの数々。各タイトルをプレイしつつガジェットの利便性を確かめてみた。筆者の拙いプレイではあるが、まずは以下の動画をご覧いただきたい。
【レイズ アーケード クロノロジー】『レイフォース』ステージ1をプレイ
いちばん注目なのは大きな“ロックオン”のガジェット。ロックできる数だけなら画面内にも表示されているが、視線を画面下部に動かさなくても目に入るので非常にプレイしやすい。さらに時間切れでロックが外れるまでの残り時間がメーターの長さで表示されるため、パターンを研究したいときに役立つガジェットと言える。
なお、このロックオンのガジェットは『レイフォース』に限らず、すべてのタイトルに用意されている。
そのほかに注目すべきガジェットは“ゲームランク”。『レイ』シリーズに限らず多くのシューティングゲームがそうなのだが、長くプレイしていくとランクが上昇していき、敵の攻撃が激しくなる。逆にミスをするとランクがガクッと落ちて敵の攻撃が緩やかになる。
このランクは本来見えないものだが、難所を乗り越えるために『レイストーム』のスペシャルアタック(※)や『レイクライシス』のラウンドディバイター(※)を使うかどうかの判断基準として役立つだろう。
※どちらもいわゆる“ボム”のようなもの。使うと広範囲を攻撃できる。
また、『レイクライシス』には“侵食率”というシステムがあり、敵を倒さずに逃すと侵食率が上がっていく。侵食率が100%になるとペナルティーが発生するものの、ある程度侵食率を上げるとランクが下がる。これを利用して難度を調整し、全ステージクリアーを目指すのもアリだ。
反復練習が楽しくなる! クイックセーブ機能の使いやすさに脱帽
くり返しになるが『レイ』シリーズはハイスコアにこだわる場合はもちろん、クリアーだけを目指すにしてもパターン作りを楽しむゲームだ。くり返しプレイしてパターンを覚えたいときに「このボスだけ練習したい」と思うのは必然と言える。
そこで本作に搭載されている“クイックセーブ/ロード”機能の出番。ポーズメニューからどこでもセーブができ、ロードするときも待ち時間の長さをほぼ感じることなく再開できる。しかも12ヵ所もセーブができるので、反復練習をしたい場所が複数あっても困ることはない。なお、当然ながらクイックロードを使用したデータではオンラインランキングには登録できない。
どのくらいリトライがサクサクできるのかは、以下の動画を観てほしい。ちなみに今回の撮影時は、2P側に設定したコントローラーを使うことで青い2Pカラーで開始した。また、コントローラーがひとつしかなくても、ポーズメニューからコントローラ設定を開いてPLAYER SIDE設定を変えれば2P側の機体でスタート可能。
【レイズ アーケード クロノロジー】『レイストーム』クイックロードで素早くリトライ
「せっかくパターンを覚えかけていたのにロックの手順を間違えた」という場合も、これだけ素早くやり直せるなら上達が早いのではないだろうか。さらにリプレイデータも自動で保存されるという充実ぶりだ。当時プレイしていた方はもちろん、本作で初めて『レイ』シリーズに触れる方も、ぜひ各タイトルをやり込んでほしい。
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