2023年7月27日にフリューから発売が予定されているNintendo Switch/PS5/PS4向けの完全新作アクションRPG『クライマキナ/CRYMACHINA』(以下、『クライマキナ』)。本物の人間になるために戦う機械少女たちの生き抜く物語が描かれる本作。企画、プロデュース、シナリオをフリューの林風肖氏が務め、『Kanon』のシナリオを手掛けたことで知られる久弥直樹氏や、イラストレーターのろるあ氏など、豪華クリエイター陣によって最上の泣けるプレイ体験が送られる。

今回は、そんな本作の核とも言える林氏と、開発を担当するアクリアの平八重諭氏にインタビューを実施。作品の誕生経緯やこだわり抜かれたゲームシステム、そしてかつて林氏が過去に手掛けた『CRYSTAR -クライスタ-』(以下、『クライスタ』)との関係性などをうかがった。
林風肖氏(はやしふゆき)
フリューのゲームクリエイター。『クライスタ』や『モナーク/Monark』(以下、『モナーク』)ではプロデュース、ディレクション、シナリオなどを担当。『クライマキナ』でもプロデュース、ディレクション、シナリオなどを担当する。文中では林。
平八重諭氏(ひらやえさとる)
アクリアの取締役。クリエイターとして『Caligula -カリギュラ-』(以下、『カリギュラ』)や『ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス』などの開発に携わる。『クライマキナ』では、開発ディレクターを担当。文中では平八重。
深いテーマの根底にあるのは“人間というレッテル”の否定
――『クライマキナ』のコンセプトを教えてください。
林コンセプトは“生き抜くこと”と“カタルシス”です。僕は何かが必死に生きようとする際に放つ魂の輝きが大好きなので、それを本作のコンセプトにしようと決めました。
――テーマも教えてください。
林テーマは“機械と人間”、“殺生と愛”です。
――それぞれ対照的なものが本作のテーマになっているのですね。
林このテーマはレッテル差別を否定したいという思いから生まれたものです。僕は“人間だから尊い”という言葉を聞くと何だかモヤっとします。人間だから尊いのではなく、“その人間だから尊い”、“尊い心を持つからこそ人間は尊い”と思うのです。本作の物語において、人間というレッテルがノイズになるのが嫌でした。心の機微を描こうとしたときに、主人公たちが機械、我々が持つ“人間だから尊い”とは異なるレッテルからスタートさせたいと考え、テーマに機械を盛り込みました。
――登場人物が全員女性なのも理由があったり?
林こちらもノイズを減らすためというのが大きな理由です。愛というテーマは好きなのですが、愛の理由が男女だからというのは違うと思っていて……。先ほどと似た話になりますが、相手の魂だけを見て愛情を抱くのが美しい在りかただと思っています。それをわかりやすく表現するために、今回はこういう形で描いています。

――なるほど。“殺生と愛”にはどういった意味が込められているのでしょうか?
林僕が好きなゲーム作品の中に 「やさしさで守れるあしたなんかどこにもない」という言葉があります。この言葉の通り、生きることは過酷で、綺麗ごとだけでは生きていけないと思うのです。そのため、今回生き抜くカタルシスを描くには、殺生も必要であると考えました。そして、殺生してでも向き合い続ける人生のご褒美としてあるものが愛だと思うので、“殺生と愛”を本作のテーマにしました。
――本作のパッケージイラストはキャラクターデザインを担当したろるあさんが描いています。キャラクターのかわいらしさではなく、ダークさが存分に描かれていて驚きました。
林このパッケージイラストには、ろるあさんの美学が詰まっていて、彼自身の言葉を借りて言うならば“清濁併せ持つ”です。この世界は綺麗なものだけではないというコンセプトのもと描かれています。僕からはそこまで細かいオーダーは出していなかったのですが、この絵に込められている“綺麗だけど綺麗なだけではない。怖いけど怖いだけではない”という要素は、まさしく僕が本作で表現したかった“殺生と愛”、生きるうえでの命の哀れみを表現しているなと思い、このイラストをパッケージイラストに採用しました。

――イラストからも林さんの思いがビシビシと伝わってきます。本作の企画が生まれた経緯を教えてください。
林本作は、『モナーク』の開発ピーク時に並行して立案した企画です。当時は多忙だったこともあり、企画を考えるのにすごく悩んでいました。そんなときに金髪の女の子が僕に赤い薬を渡してくるという夢を立て続けに見たのです。さらに、春先の渋谷を歩いていた際、夢の中に出てきた女の子とソックリな子を見かけることがあって……。「何だか怖いな。あれは何だったのかな」と考えているうちに、夢が企画の一部となり、本作が生まれました。
――それは怖すぎます! 夢からインスピレーションを得ることも多々あるのでしょうか?
林今回が初めてです(笑)。高尚な理由でこの企画を作ったというよりも、怖い心霊現象によって生まれてきた何かだったりします。僕が書いた企画ではあるのですが、不思議と何かに書かされていたような気さえしますね。
――それは運命を感じざるをえません(汗)。本作の開発をアクリアさんにお願いした経緯も教えてください。
林弊社のタイトルの『カリギュラ』でアクリアさんのお世話になった際、平八重さんの資料を拝見させていただき、スタンスやクリエイティビティーに感銘を受けました。『カリギュラ』の魅力である“因果系譜”やバトルなどのシステムはほぼすべて平八重さんが企画されていて、そのセンスは圧巻でしたね。じつは、『クライスタ』の“死者回想録”や『モナーク』の生徒の挙動などは、平八重さんにインスパイアを受けた部分が多いです。今回憧れの業界の先輩といっしょに仕事をしたいという強い想いから、アクリアさんにお願いしました。
平八重本作の打ち合わせの際にその話をうかがってすごくうれしかったのを覚えています(笑)。
――林さんから本作の企画書を見せられたときは、どのような心境でしたか?
平八重アクリアはファンタジー系のRPG を作ることが多いのですが、今回新しいトライをさせていただけるということで心が沸きました。いただいた企画書は非常に美麗で、イメージがしっかりと伝わってきたので、ぜひ再現したいと思いました。ビジュアルのカッコよさと、それを形作るアクションでよい手触り感を演出できたらおもしろいだろうなとワクワクしていました。
――まさに意気投合といった感じでしょうか?
平八重そうですね! 私も以前『クライスタ』の企画書を拝見する機会があったのですが、尖った世界観、ビジュアル、物語など、個人的に刺さるものが多く、美しさに魅了されていました。そんな中、林さんから開発を依頼されたので、林さんが描く新しいアクションの在りかたや遊びかたを後押ししたいと強く感じました。
――もともと、お互いの仕事に強いリスペクトがあったのですね。『クライマキナ』というタイトルにはどういった意味や思いが込められているのでしょう?
林僕が命名したタイトル名で、この名前は企画当初から一切変わっていません。『クライスタ』のときも同じ理由だったのですが、人が泣いたり、叫んだりする姿を見ると「その人の本当の感情が出ているな……」と思うことがあって……。そこに“マキナ”というラテン語で機械を意味する言葉を付け加え、“本物の魂があると訴えかけてくる機械たち”というニュアンスをプレイヤーに感じてもらえたらと思い、『クライマキナ』というタイトルにしました。
――ずっと気になっていたのですが、『クライスタ』とは関係があるのでしょうか?
林完全な続編ではありません。もしかすると世界観につながりがあるかもしれませんが……。しかし、理不尽な世界で女性が活躍する物語という点で、本作は『クライスタ』の精神的系譜作に当たると思います。


爽快感ややり込み要素を重視したこだわりのゲームシステム
――本作の舞台となるエデンについて教えてください。
林本作の舞台はおもにふたつ。ひとつは戦闘や探索を行う現実世界の“エデン”、もうひとつは安らぎの仮想世界“箱庭”です。本作は、箱庭のインターネット上からエデンの座標(ステージ)を指定し、そこへ転移して探索やバトルをくり広げていきます。非常に高度に発達した世界であるエデンでは、つねに新しいエリアが創造され、一部エリアが破棄されています。物語で探索する部分は広大なエデンの一部でしかありません。
平八重物語で訪れる場所以外にもさまざまな座標が用意されており、エデンの広さや深さを感じてもらえる場所になっています。

――座標=ステージということは、オープンワールドではないのですね。
平八重はい。ステージ形式です。プレイヤーが物語を進めたり、探索を行ったりすることで、ほかのステージがつぎつぎと追加される仕組みになっています。
――創造や破棄された場所をプレイヤーが新たに発見し、そこを探索していくと。
林そうです。ちなみにエデンのステージを作っていただく際、平八重さんたちに『BLAME!』というマンガを読んでいただきました。無限に増殖する巨大な階層都市を舞台にしたマンガで、エデンの雰囲気や設定は『BLAME!』を参考にしています。
――個人的にもすごく気になる設定です。本作では新たなステージが追加されていくとのことですが、『カリギュラ』に通ずるものを感じました。
平八重じつは、本作のステージ拡張要素は、『カリギュラ』にあった“ワールドリワード”を参考にしています。これは、世界に散らばったパスワードの断片をひとつずつ集め、それらを組み合わせて隠されたステージを開放していくというクリアー後のやり込みコンテンツです。
――『カリギュラ』はステージ数もかなり多かった気がします。
平八重全部で26ステージありました。パスワードの量が多く、集めるのがかなりたいへんなうえに、中には敵を 1万体倒したら1個手に入るパスワードもあり、いま考えると正気の沙汰ではない内容でした。ひとりですべて集めるのは難しいため、SNSなどでほかのプレイヤーとパスワードの情報を交換しながら遊ぶことを推奨していました。
――やり込み要素としてかなりのボリュームですね。ただパスワードを集めるだけではダメなのですよね?
平八重はい。パスワードの並び順を考える遊びもありました。当初は「そういった仕様に抵抗を感じる人が多いのでは?」という不安もあったのですが、プレイヤーの皆さんには意外と好評で驚きました。そういった経験から本作にもワールドリワードに少し似た要素を入れています。
――『カリギュラ』ファンとしてはたまりません!
平八重本作には隠されたステージが数多く存在しており、ゲームをプレイしていく中である程度は開放できるようになっています。しかし、中には推測しないと開放できない隠しステージもあり、そこでしか入手できない貴重なアイテムもあるため、やり込み要素も含めるとかなりのボリュームです。ちなみに見つけた隠しステージをほかのプレイヤーと共有する機能もあるため、ほかの人が見つけた隠しステージに行き、レアアイテムをゲットすることも可能です。
――ガッツリとやり込みたい人、手軽に遊びたい人、双方が楽しめるシステムになっているのが伝わってきました。各ステージの流れを教えてください。
平八重ステージに配置されたさまざまな敵を倒しつつ、先へと進み、そのステージのボスを倒せばクリアーとなります。道中には敵だけでなく、レーザーブレードや砲台による攻撃をかわすアクション性の強いアスレチック要素があるのもポイントです。また、脇道には本来のレベルでは倒せない強敵が潜んでいることもあります。

――敵との戦闘は非シンボルエンカウント式なのでしょうか?
平八重そうです。敵に攻撃することで戦闘が始まりますが、戦闘はシンボルエンカウント式ではなく、一般的なアクションゲームにあるシームレスなものとなっており、テンポよく戦闘をこなせます。また林さんから「爽快感のあるバトルにしてほしい」というオーダーがあり、シームレスな戦闘と合わせてかなり気持ちよく戦えるバトルシステムにしています。
――バトルシステムについても詳しく教えてください!
平八重近距離攻撃と遠距離攻撃によるコンボや、ジャスト回避、カウンターといった多彩なアクションに加え、高威力の必殺技“フィニッシュアサルト”というものもあります。フィニッシュアサルトは、ダウン状態の敵に追撃を入れるとカットインが発生し、女の子の表情とともに迫力満点の攻撃演出を見られるのが大きな魅力です。
林アクリアさんが手掛けるゲームは、シミュレーション的な数値の調整だったり、スキルを組み合わせたりといった遊びが魅力のひとつです。本作では、アクションの手触りのよさだけではなく、装備の能力値や発動スキルといった要素もあり、それを活用して独自のコンボや敵に合わせた多彩な戦術を楽しめます。

――アクションの爽快感と、アクリアが得意とするシミュレーションゲーム的な魅力が重なっているのですね。
平八重はい。操作感はアクションライクに作っていますが、ゲームの中身は意外とシミュレーション要素が強いです。パラメーターによってスキルの効果が変わったり、敵に対してのダメージ比率が変わったりと、さまざまな変化が発生する仕組みになっています。すごくザックリ言うと、装備を集めるハックアンドスラッシュ性の強いゲームです。キャラクターの強化や攻撃のバリエーションが増えていくといった一般的なアクションゲームの要素に、装備品を集めてさらにキャラクターを強化するスルメゲーの側面を与えました。
林育成や装備でキャラクターを強化するゲームなので、プレイヤースキルが必須というわけではありません。
――アクションが苦手でも遊べそうで安心しました。
平八重ジャスト回避やカウンターといったテクニカルなアクションを使わないと勝てないという作りではないです。もし使えれば戦いが楽になってお得だよくらいのイメージですね。それらのアクションが必ず要求されるのは、メインストーリークリアー後に登場する高レベルの敵ぐらいだと思います。

――本作には“眷属機”という要素もありますよね?
平八重眷属機はステージ上で入手できる兵装で、キャラクターの左右の肩に装着することができます。肩に装着した眷属機はそれぞれ特殊な攻撃を自動的にくり出し、プレイヤーの戦闘をサポートします。
林武器というよりもNPCがいっしょに戦ってくれるような感覚です。じゃんけんのように特定の敵に対して有利な眷属機もあるため、それを考慮しながら攻略するというのが大きなゲーム性になっています。
――自動で攻撃してくれる眷属機の存在も、アクションを必ずしも極める必要はないという部分につながってくると。
平八重はい。眷属機には、遠距離攻撃、空中への追撃、カウンター、キャラクターへの攻撃を防御など、さまざまなタイプがあります。そのため、アクションの得意不得意やプレイスタイルに応じて眷属機を選ぶという遊びが楽しめます。また、ステージにいる強敵が倒せない場合、キャラクターのレベルを上げたり、装備品を追加で集めたりしなくても、眷属機を切り換えることで楽に倒せることがあります。
――眷属機が攻略のカギになるのですね。空中への追撃などもやってくれるのは驚きです。
平八重空中コンボの攻撃を付与した眷属機は、敵が浮いたら「待ってました!」とばかりに追撃をくり出します。それに合わせてプレイヤーも空中の敵に攻撃してダメージをさらに稼ぐのもいいですし、浮いている敵を眷属機に任せて自分はほかの敵を攻撃するといった戦いかたも可能です。

――“攻撃を付与”という言葉が出ましたが、どういう意味でしょう?
平八重眷属機にはスロットがいくつかあり、そこに攻撃チップを装着することで、先ほど説明した遠距離攻撃や空中への追撃などを行うようになります。攻撃チップを複数装着すれば、それだけ攻撃のパターンも増えます。たとえば、通常時は遠距離攻撃による自動追撃を行い、敵が打ち上がった場合は空中への追撃をくり出すといった感じです。このように細かい動きを自分で簡単にセットできるので、それを駆使してコンボパターンや戦術の幅を広げられます。
――自動攻撃するうえに、行動パターンを自分好みにカスタマイズできるとは! 眷属機の種類は豊富なのでしょうか?
林斧、槍、盾など、眷属機にはベースが8種類あります。形状や色にも差分があり、計70種類以上の眷属機が存在します。眷属機はステージ上の敵を倒すと手に入り、パラメーターやスロットの数はランダムです。
平八重眷属機とは別に強化チップと呼ばれる要素もあり、そちらはRPGで言うところの剣や盾、防具といった装備品に該当します。
キャラクターどうしの会話が尊い“箱庭”の魅力とは?
――仮想空間である箱庭について教えてください。
林ひと言でいうと“かわいい女の子たちがガールズトークをくり広げる尊い空間”でしょうか。語弊があったらすいません(汗)。
平八重まさにそのとおりです(笑)。ひらすら女の子をかわいく見せるにはどうすればいいのかという価値観で作ったエリアなので、かなり特殊な存在ですよね。
林そうですね。キャラクターが綺麗に見えるカメラアングルが正義、という理念のもと作っていただきました。
――カメラアングルが固定されているということでしょうか?
平八重はい。当初は箱庭内を走り回れるように作っていたのですが、「走り回れるよりもかわいく見せる方向にエネルギーを注いだほうがいいのでは?」となり、いまの形に落ち着きました。

――早く素敵なアングルでキャラクターどうしの会話を見たいです! 箱庭ではキャラクターの強化もできますよね?
平八重できます。エデンでは敵を倒した際に人間性“E×P”と呼ばれる経験値を獲得できます。箱庭でその経験値を体力や攻撃力などの各パラメーターに振り分け、キャラクターを強化します。
林作中の定義としてE×Pを獲得すればするほど人間性が上がっていくという考えかたがあるため、そういった表記にしています。
――強くなればなるほど人間に近づいていくのですね。ステータス画面にある“可能性”や“エゴ”というのは何でしょうか?
平八重可能性は特定のチップや眷属機を装備するのに必要なパラメーターです。先ほど説明した通り本作には隠しステージがあり、それを他プレイヤーと共有できます。レベル差がある隠しステージでも、戦いかたを工夫すればクリアーすることが可能です。しかし、レベルが低い状態で高レベルのアイテムや眷属機が手に入ってしまうと、バランスブレイカーとなり得えます。それを避けるために“可能性”という装備条件のようなパラメーターを導入しています。
林エゴはサブパラメーターを強化するためのポイントです。サブパラメーターでは、“リジェネート”(HPの自動回復量)やステップの無敵時間といった、チートのような特別能力を強化できます。

――なるほど。ほかにも強化要素がありましたら教えてください。
平八重本作の戦闘では、ナビゲーターであるエノアがキャラクターの体力回復や遠隔攻撃などのサポートを担当するのですが、そのエノアのサポート能力を強化できます。
――サポート能力はコンボ中などの状況下でも手軽に発動できるのでしょうか?
平八重サポート能力を選択する動作は必要ですが、ボタンひとつで発動できるので攻撃の合間に挟んでいただくことも可能です。

――箱庭の醍醐味のひとつである“人格データ”の解析についても教えてください。
林本作の機械には、人間的な存在に対して攻撃を躊躇うといったロボット三原則のような設定があります。そのため、機械の中には人間の精神をデータ化した人格データを所持し、人間っぽく振る舞うことで強くなろうとするものもいるのです。そういったキャラクターを倒した際に得られるのが人格データです。箱庭で手に入れた人格データを解析すると、さまざまなエピソードが開放されます。これは『クライスタ』にあった死者回想録に近い要素で、エピソードを開放すると眷属機や強化アイテムがもらえて戦闘への実利にもつながっていきます。
平八重エピソードで得られるものは人格データに付随したものになっていて、イメージとしては人格データの力を借りて強くなっていくという感じです。
林エピソードを開放するメリットはほかにもあって、人格データを紐解いていくと、人類滅亡寸前の世界の様子や滅亡に起因した人物を知ることができます。メインストーリーでは語られないサブエピソードが点と点でつながっていくのが、人格データのもうひとつの魅力です。

――世界の謎を解く楽しみもあるなんてワクワクします。お茶会ではどのようなエピソードが展開されるのでしょうか?
林お茶会ではガールズトークが展開されます。メインストーリー中に発生するものと、自由に見られるものの2種類があり、自由に見られるものはとくにキャッキャウフフが詰まったガールズトークが多めです。
――本作のメインキャラクターであるエノア、レーベン、ミコト、アミの4人の日常が垣間見えるのですね。
林そうですね。キャラクター性が見えたり、イチャイチャしている様子を楽しめたりします。






――そういえば、本作のキャラクター名は誕生花をモチーフにしていますよね?
林『クライスタ』では石がモチーフでした。でも今作の機械と石を組み合わせると無機質どうしでおもしろみがないため、花をモチーフにしています。僕は設定厨の人間なので、花言葉を強く意識しつつキャラクター名を考えました。
――そういった理由があったのですね。キャラクターの衣装がふたつある理由も教えてください。
林プレイアブルキャラクターたちは滅亡前である21世紀の現代世界で生きていたころの記憶を持っており、箱庭の服装はそのときの記憶をもとに作られています。エデンで戦うときは戦いに特化した戦闘用の服装に切り換わります。
少女たちの魂の叫びや輝きを感じられる、究極の崇拝ゲーに乞うご期待!
――本作にはさまざまな魅力があると思いますが、おふたりが思う本作のいちばんの魅力を教えてください。
林楽曲、イラスト、デザイン、ゲーム性、すべてが素敵なのでいちばんは選べませんが、機械の少女たちの訴えかけてくるような魂の叫びと輝きを感じられる瞬間には注目していただきたいです。物語やアクション、エノアが楽曲を歌っているシーンなど、ところどころで感じていただけるかと思います。
平八重この作品はかわいらしくもあり、美しくもある女性キャラクターたちが活躍するゲームです。僕の勝手なイメージですが、本作は彼女たちを崇拝するゲームだと思っています。プレイヤーがかわいい、美しい、カッコいい彼女たちの活躍を推す、まさに推し活ですね(笑)。本作はパラメーターを強化したり、探索するよろこびを感じたり、強敵を華麗に倒して爽快感に酔いしれたりと、ふつうのアクションゲームではできないやり込み体験が詰まっているのも魅力です!
――最後に発売を楽しみにされている方々にメッセージをお願いいたします!
林作品のテーマは重めなのですが、意外と明るくて楽しい、そして少女たちがキラキラした瞬間もある、闇薄めの愛多めの内容です。「闇薄めだよ!」と言っても、僕の過去作品を知っている知人は誰も信じてくれませんでしたが、本当です! 信じてください! あと、過去作品の『クライスタ』や『モナーク』と異なり、本作は周回前提のシナリオではありませんので、気軽に遊んでいただけますと幸いです。
平八重かわいさ、美しさ、カッコよさを併せ持ったキャラクターたちが戦うビジュアルの意外性はかなり新鮮に感じてもえると思います。ぜひそれを楽しんでいただけたらうれしいです。

スタッフインタビューも公開中
本作のメインキャラクターデザインを担当したろるあ氏、エネミーデザインを担当したYoshi.氏、主題歌・挿入歌・BGM のコンポーザーを担当した削除氏、シナリオ監修を務めた久弥直樹氏への一問一答形式のメールインタビューも公開。各スタッフの作品への想いやこだわりをうかがっているので、こちらもお見逃しなく!