カリプソメディアジャパンから発売中の海戦シミュレーションRPG『トルトゥーガ パイレーツ テイル』。同作は、海洋交易シミュレーション『ポート ロイヤル4』の派生作品で、17世紀のカリブ海を舞台に、海賊船団のリーダーとなって略奪の航海へ旅立ち、カリブ海最強の海賊を目指すことになる。2023年1月20日にはXbox Series X|S、Xbox One、PC版が、2月23日にはプレイステーション5版とプレイステーション4版が発売されている。
同作の発売を記念して、2月上旬にカリプソメディアジャパン主催による発売記念イベントが東京・Red Bull Gaming Sphere Tokyoで行われた。このイベントは、ストラテジーやシミュレーションゲームの実況で人気を集めるゲーム実況者・ハヤトの野望さんによる『トルトゥーガ パイレーツ テイル』の公開収録にファンの方を招いて、ハヤトの野望さんとの交流や『トルトゥーガ パイレーツ テイル』の試遊を楽しんでもらおうという主旨で実施されたもの。当日は、公開収録に合わせてプレイステーション5版とPC版の『トルトゥーガ パイレーツ テイル』が試遊可能で、さらにはダウンロードコードがもらえる抽選会やハヤトさんとの記念撮影など、盛りだくさんの内容となった。
ハヤトの野望さんの実況動画と、カリプソメディアジャパンによる公開収録の模様を紹介した“Vlog”はすでに公開されているので、詳細はそちらをチェックしていただきつつ、ここでは公開録音の裏話を交えながら、イベントの模様をリポートしよう。
40名のファンとともにいざ出航! 目指すは富と名声、そして撮れ高だ!
会場の準備が整うと、参加者の拍手とともにチャンネルアイコンと同じコスチュームを着たハヤトさんが登場。会場にいるファンに対して「冴えない顔してるなー」と開口一番に愛情たっぷり(?)の挨拶をして、公開収録上の注意へ。
収録では『トルトゥーガ パイレーツ テイル』を通しでプレイすることになっているのだが、本作は敵船との戦闘で負けるとアイテムを大量に失い、最初からゼロに近い状態での再開になってしまう。そのため、「負けたらロードをしてプレイし直しますので、そのときは初見のようなリアクションをしてほしいです」とリクエストし、参加者を笑わせた。
そして、「ハヤトの野望チャンネルへようこそ!」の声とともに公開収録がスタートした。
プレイが始まると、いきなり敵船との戦闘に。NPCが一生懸命戦いかたやルールを説明してくれていたが、ハヤトさんは「ちょっと黙っていてくれ」と言いながらボイスを切ってしまった。彼の声はこの先ずっと聞けなくなってしまったが、笑いは起きたからほんの少しだけ報われただろう。多分……。
大砲を駆使して無難に勝利したハヤトさんは、奪った物資を街で売りながら新たな船長を仲間にして海に出る。自由に旅ができるようになり、さっそく近くにいた弱めの船を襲うことに。今回は敵船を奪うために船に乗り込んで略奪する戦法を選択。相手の船に乗るには成功率16%の低確率を引くしかないが、ここは公開収録パワーで成功! そのまま敵船を制圧して船と物資を手に入れた。しかし、ここでハヤトさんはあることに気付く。奪った船には50人ほど乗っていたのにパン4つと果物8つしかないのだ。これには思わず「餓死寸前じゃねーか!」とツッコミ。
その後、敵船に乗り込める確率を上げるスキルを習得し、自分より戦力の低い敵を狙って船の略奪をくり返していった。だがここで巡洋艦に喧嘩を売ってしまい、すべてを失うことに……。海賊稼業もラクではないようだ。
順調にプレイを進めたハヤトさんは、3人目の船長を仲間に入れることに成功すると、戦闘用ガレオン船の略奪に挑んだ。初手に大砲を受けてしまったが1度で勝利することができた。勝ったことに本人がいちばん驚いていたようだが、すっかりプレイを満喫している模様。
強い船を3隻揃え、ついに街の襲撃で一攫千金を狙う。街を守る艦隊との戦いでは、様子を見ながら少しずつ距離を詰めるという海賊らしからぬ戦法で勝利を収めた。街から大量の物資を奪うと、先ほど襲撃したばかりの街で物資を売って公開収録は終了した。
公開収録を終えたハヤトさんは、「ファンの方々の前での収録は初めてだったので緊張すると思ったけど、ふだん通りできてよかった」と、公開収録を終えてほっとした様子。
その後、質問コーナーへ突入。最初の「本日収録した動画はどのくらい編集に時間がかかりそうですか?」という質問には、ハヤトさん曰く、「カットで6時間ほど、そのほかテロップや演出、BGMの作業などをおこなうと、合計約30時間くらいはかかる」とのこと。日ごろ気軽に見ている動画だが、編集にはけっこうな時間がかかっているようだ。
続いて、「カリプソメディアのゲームでいちばん印象に残っている作品は?」との問いには、『トロピコ』シリーズとのこと。「シミュレーションゲームは10年前に出たものでも変わらずに楽しめるジャンルだから、とても遊びやすいし、全部持っておきたい」と、シミュレーションゲームに対する思いを口にした。その後も、どのくらいの確率でロードをせずに終えられると思っていたのか(返事は5割くらい)など、ファンが気になる質問に対して、ハヤトさんはひとつひとつ丁寧に答えていった。
質問コーナーが終わって『トルトゥーガ パイレーツ テイル』のダウンロードコードが当たる抽選会が行われた後は、ハヤトさんとのツーショット撮影会に。なかには、海賊帽子やハヤトさんのTシャツ・グッズを身に付けて写真を撮っている人もちらほら。大好きなハヤトさんと写真を撮るということで、皆さんは笑顔が絶えず、とても楽しそう。
ハヤトの野望チャンネルでは初の公開収録となった今回のイベント。危ない場面では「あー!」と声を上げたり、笑い声に会場が包まれるなど、活気溢れる収録に。ファンの方もハヤトさんに直接応援の言葉を伝えることもできて、ハヤトさんとファンの方々にとって幸せに満ち溢れた最高の1日になったようだ。
【インタビュー】「ゲームの中くらい暴れてやるぜ!」みたいな感じで、自由気ままにやっている
公開収録を終えた、ハヤトさんに、『トルトゥーガ パイレーツ テイル』をプレイしての感想やシミュレーションゲームの魅力、さらには配信をするうえで心がけている点などを聞いてみた。
――公開収録お疲れさまでした。まずは、本イベントを振り返っての感想を聞かせてください。
ハヤト公開収録は今回が初めてだったので、緊張したり、うまくいかないかもと思っていたのですが、ファンの皆さんが温かく出迎えてくださったので、とても楽しくできました。大成功だったと思います。
――とても温かい空気でしたね。ファンの方たちにお会いする機会は多いのでしょうか?
ハヤトいえ、昨年に初めてのオフラインイベントとして開催した握手会以来なので、今回が2度目になります。YouTubeでの活動をしていると、実際にこの距離感で会うことがあまりないので、とても新鮮な1日になりました。
――今回『トルトゥーガ パイレーツ テイル』をプレイしてみていかがでしたか?
ハヤト本作は『ポート ロイヤル4』というゲームの海賊要素を抜き出した作品なのですが、海戦で敵の船を奪ったりして自分の資産を増やしていくのがとても楽しいゲームですね。
――ハヤトさんはシミュレーションゲームをメインにゲーム実況を配信していますね。
ハヤトそうですね。子どものころはアクションゲームをプレイすることのほうが多かったのですが、10代後半ぐらいからだんだんとコーエーテクモゲームスさんのシミュレーションゲームなどをプレイする割合が増えていって、いまでは動画もシミュレーションゲームが中心になっています。
――戦略などを考えるのがお好きなのですか?
ハヤト自分でひとつひとつ操作するより、指示を出したら自動的にキャラクターが動いて攻略してくれるほうが好きですね。自分の思い通りにいったときは、本当に快感です。
――ハヤトさんはシミュレーションゲームのどういった部分がお好きなのですか?
ハヤトやはりプレイの幅が広いところですね。10人いれば10通りの違った遊びかたが出てくるので、プレイして楽しいのはもちろん、ほかの人がプレイするのを見ているだけでもおもしろいところも魅力だと思います。
――今日の収録にあたってのこだわりを教えてください。
ハヤト来ていただいたファンの皆さんががっかりした気持ちで帰らなくて済むように、盛り上がっていただけることを何よりも考えていました。そして時間に限りがある中で撮り切らなければとも考えていました。
――実際に収録を終えた後では、あまり緊張しなかったとおっしゃっていたのですが、やはりライブ配信をやっているのが大きいのでしょうか?
ハヤトそうですね。ライブ配信でふだん話しているように会話をすれば、そんなに緊張しないのかなというのはありました。顔を合わせてしゃべっていたときは若干緊張したのですが、ゲームを始めたら公開収録をやっているのを忘れるくらい夢中になってしまって、終わったときに「あ、公開だった!」となりました(笑)。
――(笑)。『トルトゥーガ パイレーツ テイル』に夢中になったというのもあるのかしら。質問コーナーの中で、今回収録した動画の編集は30時間ほどかかるとおっしゃっていましたが、けっこう時間をかけているのですね。
ハヤトそうですね。ハヤトの野望チャンネルでアップしている動画は、完成までに20~30時間かかっています。シミュレーションゲームって、ふつうに動画にするだけだと地味になったりするので、BGMを豊富に使いながら作ったりだとか、演出の部分に時間を費やします。
――YouTubeチャンネルの登録者数がそろそろ100万人ということで(2月24日現在で87.8万人)、とても高い人気を獲得していますが、その秘訣はどこにあると自己分析していますか?
ハヤトただプレイするだけではなくて、なにか疑問に思ったことを実際に遊んでみたりするところでしょうか。たとえば、アイテムを買うときに「100個集めたらなにか変わったりするのかな?」みたいなことを考えて、けっこう試してみたりしています。という意味では、少し毛色の違ったプレイをする点なのかな……と考えています。
――ああ、なるほど。そういうことに気付くには複眼的な視点を持っていないといけないかと思いますが、日々の積み重ねが大切な感じがしますね。
ハヤト割とそういうことをするのが好きなんです。仕事として「一生懸命探そう」ではなくて、「ゲームの中くらい暴れてやるぜ!」みたいな感じで自由気ままにやっています。
――YouTube活動をしている中では、けっこう苦労も多かったりするのですか?
ハヤトそうですね。プレイしている自分と見る人両方がおもしろいと思える動画を作るのには工夫が必要なのですが、撮影のときに身構えてしまってそれがうまくできなくなってしまった時期があって、そのときは苦労しました。
――おもしろく見せたいけど、方法がわからなくなってしまったりとかですか?
ハヤト作っているうちに、「前回よりもおもしろくしたい」という気持ちが大きくなりすぎてしまって、「これだとふつうにプレイしただけで、人にはあまり伝わっていない」と感じてしまったのだと思います。
――演出や編集でも解決できないような?
ハヤトそうですね。撮った素材がおもしろくないと、やはりどうやってもおもしろくならないと思っているので。もちろん編集で足すことはできますが、悪い素材をおもしろくするのはかなり難しいと思っています。
――となると、ある程度ゲームのおもしろさに左右されるときもありそうですね。
ハヤトゲーム選びはとても大切ですね。すごくやりたいゲームがあって、僕の頭の中ではおもしろさがわかっているけど、視聴者が見てもちんぷんかんぷんかもなあというときがあります。そういうゲームはすごく工夫をして動画にするか、いいやりかたを思いついてから動画にするようにしています。動画にしたいと思ってから、1年後に撮影したゲームもありますね。
――あら。動画をこなしていくうちに、それまで手に負えなかったものが、できるようになるみたいな感じでしょうか?
ハヤトあまり自分は成長していないと思いますが、昔の自分の動画を見て「こいつ、つまんねーな」と、自分でも思うときがあるんですよ(笑)。ですので、少しだけテクニックが増えた部分があるかもしれないですね。
――ゲームを分析して、どうプレイすればおもしろさを引き出せるかというのを、ご自身の中で咀嚼してから撮影するということですか?
ハヤトそうですね。ガッツリロケハンするわけではないですが、少しだけ触ってみて適宜判断しています。プレイヤーの頭の中にだけあればいい情報と、視聴者に伝えるべき情報とは別なので、伝えなくていい部分は飛ばすか、編集で落としてしまうというやりかたは、シミュレーションゲームを撮影するときはけっこうやりますね。
――チャンネル登録者100万人も近いですが、これからどんな活動をしていこうと考えていますか?
ハヤトたくさんの方に応援していただいて非常にうれしいのですが、正直なところ、自分の思うおもしろい動画というのをまだ作れていないと感じているんです。もっといろいろな遊びかたやおもしろさを追求していきたいです。シミュレーションゲームにはそれができると思うので。
――最後に読者へ向けてメッセージをお願いします。
ハヤトシミュレーションゲームは、一見難しそうに感じてしまい、自分でするよりも人がプレイするプレイしないで動画を見ることのほうが多いという方もいらっしゃるかと思います。実際はそんなことはなくて、誰でも遊べる懐の深いジャンルだと僕は思うので、ぜひ皆さんにもシミュレーションゲームを好きになってほしいです!