サイゲームスより配信中のゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』（以下、『ウマ娘』）。明日、2023年2月24日（金）からは新たな育成シナリオ“グランドマスターズ -継ぐ者たちへ-”（以下、“グランドマスターズ編”）が登場！
“三女神”の名を冠するサポートAIとともにトレーニングをしていくという、これまでとは異なる切り口の育成シナリオに。今回はメディア向けに開催された先行体験会より、同シナリオの先行レビューをお届けします。
サトノグループが開発した夢のソフトが嵐を呼ぶ！
シナリオが始まって、まず登場するのはサトノダイヤモンドとサトノクラウン。彼女たちを輩出したサトノグループと言えば、ウマ娘たちのレース文化に深い愛情をもって運営協力、慈善事業を行ってきた大企業。
そんなサトノグループのソフト開発部門が手掛けたというのがトレーニングサポートAIシステム“メガドリームサポーター”。これまでイベントでも登場した“VRウマレーター”の機能を踏襲しており、ジムやプール、トレーニングコースなども兼ね備えているとのこと。VR空間の中でトレーニングを行なうと、フィードバック機能によって現実の肉体にも負荷がかかるので、実際のトレーニングと遜色のない濃厚な経験ができるという夢のようなシステムでもあります。あまりの超絶テクノロジーっぷりに、サトノのソフトは世界イチぃ～！と叫びたくもなるというもの……。
“メガドリームサポーター”の中には古今東西のウマ娘のデータが詰まっており、このデータを処理する3体のAIにデータ解釈のための思考（つまりは性格）を持たせてラーニングを重ねたところ、なんとそれぞれに人格が生まれたのだとか。しかも各AIはウマ娘たちの祖である三女神の名前を名乗り始めたというではありませんか。
“勇敢”の思考性を持ったAIが名乗ったのは“ダーレーアラビアン”（声：進藤尚美）、“愛情”の思考性を持ったAIが名乗ったのは“ゴドルフィンバルブ”（声：佐藤聡美）、そして“規律”の思考性を持ったAIが名乗ったのは“バイアリ―ターク”（声：斎賀みつき）。そうそうたる顔ぶれですね……。
三女神は特別なレースの開催を提案。ジュニア級の“グロウアップレース”、クラシック級の“WBC”、シニア級の“SWBC”と1年に1度、三女神たちが素質を認めたウマ娘のみが参加できるレースで、さらにここで結果を発揮できたウマ娘だけが参加できる“グランドマスターズ”も開催されるとのこと。この“グランドマスターズ”では三女神が直接相手になるということで、ウマ娘たちやトレーナーたちも奮い立ちます。
2022年8月に実装され、ウマ娘たちがライブをする意味に一石を投じたシナリオ“つなげ、照らせ、ひかれ。私たちのグランドライブ”の印象が強く焼きついているトレーナーも多いかと思いますが、それに比べると今回の“グランドマスターズ編”はよりトレーニングやレースに特化したシナリオに。ある意味では原点回帰とも言えそうです。
シナリオには桐生院葵トレーナーとハッピーミーク、樫本理子トレーナーとビターグラッセ＆リトルココンといったおなじみのコンビも登場。ライバルとなる陣営が三女神から指導を受けながら成長したり、葛藤したりする様子が描かれているのも今回のシナリオの魅力です。筆者個人的には、ハッピーミークのほわほわ～としながらもがんばり屋な一面が覗けてほっこりしました。
三女神に関しては、人工知能ということもあって大きな感情の揺れを見せるようなシーンは見られませんでしたが、それぞれの個性が際立っているのでやりとりを見ていて飽きません。今後のさらなる掘り下げに期待したくなりました。
“知識の欠片”を8つ集めて“女神の叡智”を習得しよう
“グランドマスターズ編”の育成の流れについても見ていきましょう。
まず“グランドマスターズ編”のストーリーはトゥインクル・シリーズと並行して進むので、各ウマ娘の育成イベントもしっかり発生します（筆者は“グランドライブ編”の紹介記事を書かせてもらったときに引き続き、推しのウマ娘であるナリタタイシンを育成させてもらいましたが、菊花賞直前のあのエピソードも健在でした……）。
“グランドマスターズ編”での育成のカギとなっているのが“知識の欠片”。要点をまとめると以下のようになります。
- “知識の欠片”はトレーニングやレースなどのコマンドを選択することで1～2個ゲットできる。
- “知識の欠片”を得るごとに、トレーニング時の基礎能力やスキルPtの獲得量がアップする（自動で効果が発動）。
- 獲得した“知識の欠片”は“知識表”に最大8つまで埋まっていく。
- “知識の欠片”は赤色、青色、黄色の3種類があり、どの色の“知識の欠片”を集めるかで後述する“女神の叡智”に影響する。
文章にすると複雑ですが、各コマンドを行うごとに副産物として“知識の欠片”が獲得できるのが“グランドマスターズ編”の特徴というぐらいザックリに捉えて問題ないかと思います。集めれば集めるほど、その後の育成が有利に。トレーニングやレースだけでなくお休みやお出かけでも獲得できるので、まずは自然に集まっていくもの……というぐらいの認識でいいと思います。
集まった“知識の欠片”は“知識表”と呼ばれる血統表のような系図に格納されていきます。“知識の欠片”がふたつ集まると“知識の結晶”が生成され、そのまま“知識の欠片”を8つ集めきって“知識表”の最上部までたどり着くといよいよ“女神の叡智”を習得できるようになります。
“女神の叡智”は三女神に対応する3種類の効果が用意されていて、先行プレイの段階では以下のような内容に。
【ダーレーアラビアン】
習得時に体力とやる気が回復。さらに習得したターンのトレーニングやレースで得られるボーナスがアップ。
【ゴドルフィンバルブ】
習得したターンのヒントの発生率がアップ。さらに発生するイベントで得られる恩恵が大きくなる。
【バイアリ―ターク】
習得したターンに、サポートに設定しているウマ娘と行うトレーニングが友情トレーニングの効果に。
いずれも習得したターンにピンポイントで効果を発揮します。習得したあとにトレーニングに失敗したりすると十分な効果が発揮されませんが、うまくいったときの恩恵は絶大です。
3種類の“女神の叡智”の中でもっとも扱いやすい印象だったのが“ダーレーアラビアン”。習得したタイミングで体力が回復するという利点を生かしてトレーニングやレースに励み、知識表が埋まったところで“ダーレーアラビアン”でリカバリーするという育成がシンプルに効率的でした。運がよければ回復までをワンセットとして流れを組めるかもしれません。
“バイアリーターク”はとてつもない爆発力が持ち味。とくに夏合宿などで特定のトレーニングにサポートのウマ娘たちが固まっているときに使うと、トレーニング効果が目を疑ってしまうような数字になります。筆者も一度成功して、そのときの気持ちよさが忘れられそうにありません。また、トレーニングの種類に関係なく友情トレーニングが発生することも長所で、伸ばしづらい基礎能力を育成するのに役立ってくれそうです。
扱いが少し難しいのが“ゴドルフィンバルブ”。トレーニング時にヒントを習得できる印のエクスクラメーションマークがズラリと並ぶのは愉快なのですが、強みを発揮させるためには編成の段階から工夫が必要になりそう。習得したいスキルを明確に用意しておいたり、友人タイプのサポートカードと組み合わせて効果量アップを狙ったり、研究を重ねることで真価が見えてくるのかも。
“女神の叡智”は任意のタイミングで習得できるので、習得するにはタイミングが悪いと感じたらベストなタイミングをジッと待つのもひとつの手。ただし、この状態では新たに“知識の欠片”を入手することができません。
“女神の叡智”は習得するごとに知識Lvが上がり、最大でLv5まで上昇。レベルが上がるとトレーニング効果がアップするだけでなく、“ダーレーアラビアン”だったらトレーニングの体力消費ダウン、“ゴドルフィンバルブ”だったらヒントイベント発生率のアップ……といった具合に副次的な恩恵が受けられるので、機を待たずにガンガン使っていくというのもひとつの手でしょう。はたして、どう運用すべきか。この辺りは各トレーナーによって判断が分かれそうです。
“知識表”を特定の色で染めるのはしっかり計画しないと難しい!?
狙った種類の“女神の叡智”を使うためには、対応する色のコマンドを実行して“知識表”を特定の色に染め上げていく必要があります。
ここでポイントになるのが、ふたつの“知識の欠片”から“知識の結晶”が生成される過程で、別々の色が揃ってしまったとき。獲得する“知識の結晶”がどちらかの色になるのは間違いありませんが、これによって筆者の意図しない方向に知識表が染まっていったこともありました。実例を挙げると、ひとつの“知識表”を完成させる過程で赤色の“知識の欠片”を5個集めたにも関わらず、2個しか集めなかった黄色の“知識の欠片”が“知識の結晶”になり、そのまま最終的に取得可能になったのも“バイアリーターク”の“女神の叡智”といったことがありました……。“ダーレーアラビアン”による回復をアテにしていた筆者のプランが豪快に崩れ去った瞬間でもあります。
異なる色の“知識の欠片”が揃ったときに、受け継がれるのがどちらの色かという点についていろいろと法則があるみたい（もしかすると“知識の欠片”の図柄も重要になってくるのかも？）ですが、先行プレイの段階では筆者は予想を裏切られまくって試行錯誤していました。
そして、これを踏まえた上でポイントになるのが“知識の欠片”はお休みやおでかけ、さらには目標レースへの出走でも自動的に獲得できてしまうということ。意図しない状況で入手した“知識の欠片”が“知識表”に組み込まれて意図しない色に染め上げる可能性を常に考慮しておく必要があるわけです。これはたいへんだ……。
あらゆるコマンドを実行することで手に入る“知識の欠片”ですが、じつはひとつ例外が……それは“保健室”です。
今回筆者が育てていたのはナリタタイシン。彼女はきびしい状態でクラシック級の菊花賞を迎え、その過程でついた“練習ベタ”を翌年シニア級の日経賞までの間に克服することで一歩高みに到達することができます。確実に“練習ベタ”を治すためには保健室に行くのがいちばんなのですが……そう、保健室では“知識の欠片”が入手できません。仮に治療に失敗しようものなら、そのツケはどんどん溜まっていくことにもなります。“グランドマスターズ編”での最大の敵は、保健室に行かなければならないようなイレギュラーなバッドステータスかもしれません。
ちなみに“グランドマスターズ編”では1年のラストに三女神が主催する特別なレースが開催されます。
調子の下がったナリタタイシンが菊花賞だけでなく、強敵が揃うクラシック級年末の特別レース“WBC”にそのまま挑戦しなければならないという展開もたいへんでした（というか、保健室での治療にも失敗して悶絶していました）。
しかしナリタタイシンというウマ娘はコンプレックスを抱えながらも鋭い反骨心を抱えたウマ娘。湿度が高い部分はあるものの、芯が強くてマジメな子なので、トレーナーである我々が彼女のがんばりに応えないわけにはいきません。……いきませんよね？
筆者は1回目の育成終了後に、すぐに対策を講じて2回目の育成を始めました。クラシック級を進めながら“知識表”をうまく調整して、菊花賞を前に調子が下がったタイミングで“ダーレーアラビアン”の“女神の叡智”を発動させてやる気を回復。あとは体力が減ったら強引な保健室でリカバリーするというパワープレイでクラシック級年末の山場に向かいました。やることはやったので、もはや彼女ががんばりを見守るだけ。
その甲斐もあってか、タイシンは“WBC”を勝ち抜き、日経賞のあとに眩しい笑顔を向けてくれました。そのときの表情がこれまでにないぐらい晴れやかだったのは気のせいではないと思います。ああ、よかったよ、タイシン……。
こんな感じで育成の過程でバッドステータスを獲得するウマ娘（タイシンのほかにもスーパークリークなど）は“グランドマスターズ編”においては逆風な部分もあります。とはいえ、しっかりとケアできる範囲ではあると思うので、工夫しながら育成してみるのも楽しそうです。
年末に開催される特別なレース。三女神の実力やいかに
先ほどチラリと名前も出しましたが、“グランドマスターズ編”ではジュニア級の“グロウアップレース”を皮切りに毎年12月後半に特別なレースが開催されます。クラシック級で開催される“WBC”、シニア級で開催される“SWBC”、そしてそれらのレースで結果を残せたウマ娘が挑戦できる“グランドマスターズ”は、いずれも特別なレース。じつはこちらは全国のゲームセンターで稼働中のアーケード競馬メダルゲーム『StarHorse4』とのコラボレースでもあります。
“グロウアップレース”も含めた4レースには、『StarHorse4』で実況を担当するレジェンドアナウンサー・杉本清氏が実況として登場。威厳のある解説もあって、いい意味でピリッとした空気感のレースを楽しむことができました。
またレースのタイトルロゴや、ゲートなどにも特徴的な意匠が施されているのでこちらもぜひチェックしてみてください。
“グランドマスターズ”は、シナリオ上では“新設！URAファイナルズ編”でいう“URAファイナルズ”に近い最終目標のレースといった位置づけで、最大の特徴は一発勝負（※コンティニューは可能）ということ。レースが行われるのは一回限りで、その分勝利したときに得られるボーナスも少なめですが、代わりにトレーニングなどのコマンドを実行できるエクストラな育成期間が他のシナリオよりも長めに設けられているのも特徴です。
そんな“グランドマスターズ”の晴れ舞台では、ハッピーミークやビターグラッセ、リトルココンといったおなじみのライバルたちに加えて、シナリオ冒頭でも予告されたとおり、三女神と直接対決することに……。“ダーレーアラビアン”は差し、“ゴドルフィンバルブ”は先行、“バイアリーターク”は追込という脚質を持ち、いずれも高い能力と充実したスキルを備えた猛者ばかり。
詳しい能力については伏せますが、今回のメディア向け体験会ではその強さにあちこちの席からどよめきが起こっていたことも印象に残っています。育成の段階でしっかりスキルを習得していなければ、彼女たちを打ち破るのは難しいかもしれません。
乗り越えるべき巨大な壁があるからこそ、育成も捗りそうな“グランドマスターズ編”。個人差はあるかもしれませんが、筆者の場合はじっくりシナリオを読みながらプレイして1時間、サクサク進めれば30分ほどでシナリオを回ることができました。テンポよく育成できるのも大きな魅力だと思います。
“グランドマスターズ編”で大きく育成環境が変化した部分もあるはずですし、特定の条件を満たして育成を完了することで性質を変化させる“進化スキル”も登場するとのこと。三女神のいる世界で、皆さんもお気に入りのウマ娘のさらなる可能性を探ってみてはいかがでしょうか？
