クアンティック・ドリームのミステリーアドベンチャーゲーム
いまから13年前の2010年(平成22年)2月18日は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(当時)からプレイステーション3用ソフトの『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』が発売された日。
開発はフランスのゲーム制作会社“Quantic Dream(クアンティック・ドリーム)”で、2018年に発売されて話題作となった、あの『デトロイト ビカム ヒューマン』を作ったデイヴィッド・ケイジの作品です。
内容は、3年にわたって発生している連続誘拐殺人事件の犯人“折り紙殺人鬼”を4人の主人公の視点で追うというもので、ひとり目の主人公は“折り紙殺人鬼”に子どもを拉致された建築家のイーサン、ふたり目は元警察官の私立探偵スコット、3人目は不眠症に悩まされる新聞記者のマディソン、そして4人目はFBIから派遣された捜査官ノーマン。
本作にはゲームオーバーがなく、プレイヤーの選択で主人公が死んでしまっても、そのままストーリーの最後まで進んでいきます。そのためマルチエンディングになっていて、すべてが解決するものから完全犯罪が成立するものまでさまざま。
展開によって犯人が変わることはないので、犯人を推理しながらプレイするのがオススメ。また、犯人がわかったあとに2周目をプレイすると「このときの行動はこういうことだったのか」という仕掛けがわかって楽しいです。
本作はアドベンチャーゲームですが、ビジュアルノベルではなくアクションゲームのように自分でキャラクターを動かしていきます。そのアクション要素が一風変わっていて、たとえばイーサンがシャワーを終えた際には、頭を乾かしたりヒゲを剃る、といった感じ。「そんな細かいところまで操作するの?」と驚かされますが、細かい部分まで操作するからこそ、自分が本当にその人物になっているかのような没入感が生まれます。
とくに僕がそれを感じたのは、イーサンが“折り紙殺人鬼”から与えられる過酷な課題に果敢にも挑む場面。その内容が次第にエスカレートして、ついには……。没入感がすごいぶん、プレイヤー自身にも激しい葛藤が生まれます。ふつうのゲームなら躊躇なく選択できるようなことも本作ではめちゃくちゃに心をえぐられるんです。
個人的に操作して楽しかったのはジェイデン。彼は最新捜査ツール“ARI”を使って事件を捜査していきますが、バーチャル映像を駆使した捜査が近未来的で新鮮でした。ただ、もっとも近くで事件を追っている関係上、危険に遭いやすいです。
本作は、現在はリマスター版がプレイステーション4やPCでプレイできます。『デトロイト ビカム ヒューマン』にハマったけど本作はまだプレイしていない人や海外のミステリードラマが好きな人などはハマると思うので、ぜひ!
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