Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)用ソフト『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(『ポケモン S・V』)にて、2月1日よりランクバトルのシーズン3が開幕した。
シーズン3では、シーズン1および2とは異なるレギュレーションが適用され、使用できるポケモンの種類が増加。今回新たに使用できるようになったのは、図鑑分類が“パラドックスポケモン”となっている全14種のポケモンたちだ。
本作を象徴するような特徴をもつポケモンたちなので、ランクバトルで使いたかったという人も多いはず。ということでさっそく、パラドックスポケモンたちを活躍させるバトルチームを筆者が用意してきたので、本記事ではその内容や使いかたを紹介する。
今回用意したのはシングルバトル向けのバトルチーム。とくにポケモンバトル初心者の方が扱いやすいように意識して作ってみた。
ゲーム内のレンタルチーム機能によって、筆者の用意した構築をそのまますぐに使えるので、ぜひレンタルして対戦を楽しんでみてほしい。
“バトンタッチ”を使ったコンボが扱いやすくておすすめ!
今回は、『ポケモン スカーレット』で出会えるトドロクツキと、『ポケモン バイオレット』で出会えるテツノブジンをそれぞれエースにしたバトルチームを考えてみた。それが、以下の構築だ。
チームID:HCTM9V
筆者は普段からシングルバトル入門にはバトンタッチを用いたコンボをおすすめすることが多いのだが、その大きな理由が以下の3点。
- どのポケモンをどの順番で出せばいいか、分かりやすい
- 対戦中にポケモンを交代する必要がほとんどない
- エース役のポケモンで相手のポケモンを全員倒すのが楽しい
プレイヤーのあいだで“スタンダード”と呼ばれる、シンプルに強いポケモンたち6匹で固めたバトルチームは意外と扱いが難しい。
とくに、どのポケモンを選ぶべきなのか、最初に出すべきポケモンはどれなのか、分からなくなってしまったという経験がある人は多いはず。バトンタッチを主軸にしたバトルチームでは、ある程度プレイの手順が決まっているので迷いが少ないと思う。
今回用意したバトルチームでいえば、必ず最初にクレッフィを出して、その後にポットデス(ウェーニバル)、そして最後にエース役のポケモンといった感じでバトルに出すポケモンはパターン化されている。
バトル直前のポケモンを選ぶ画面で考えることは、ほとんどの場合「どのポケモンをエースにするか」だけでいい。
ちなみに、筆者が自分で使ってみたところ、ビギナー級から初めてマスターボール級まで23戦19勝4敗とかなりの好成績で到達できた。スタンダードな構築と比べて汎用性は劣るので、どんな相手にも勝てるわけではないが、入門用のバトルチームとしてはかなり満足のいくものができたと思う。
バトルの流れを4つの手順で紹介
1.クレッフィで“リフレクター”&“ひかりのかべ”を使う
1匹目は必ずクレッフィをくり出そう。ポットデスがからをやぶる&バトンタッチを安全に決められるように、相手からのダメージを半減できるリフレクター&ひかりのかべを使っておく。
リフレクターとひかりのかべを使ったら、“てっていこうせん”で攻撃だ。相手にダメージを与えるというより、反動ダメージで倒れることが目的の大半を占めている。リフレクターとひかりのかべの持続ターン数を、なるべく多く残すためだ。
ちなみに、もうひとつ覚えている技“ミストフィールド”は、相手が“あくび”や“でんじは”など、こちらのポケモンを状態異常にする技を使ってきたときのための対策。使う機会はそこまで多くない。
2.ポットデスでからをやぶる&バトンタッチを決める!
2匹目に出すのはポットデスだ。ウェーニバルの役割は後述するので、いったんここでは割愛する。
ポットデスが覚えているからをやぶるは、自分の防御と特防を1段階下げるかわりに、攻撃、特攻、素早さを2段階ずつ上げる効果がある超強力な変化技。持ち物のしろいハーブによって下がった防御と特防はリセットされるので、純粋にステータスが強化される。
このステータス上昇をバトンタッチで味方に引き継げるかどうかが、バトルの勝敗を分ける大きなポイントだ。
ポットデスは特防がかなり高いポケモンなので、特殊技主体のポケモンに対しては弱点を突かれても余裕を持って耐えられるが、逆に防御はあまり高くないので物理攻撃で弱点を突かれると、リフレクターがあっても倒されてしまう可能性がある。
そんなときは、テラスタルでタイプを変えてあげよう。このポットデスはノーマルテラスタイプなので、もともと弱点であるゴーストタイプの攻撃を無効化できる。
無事にからをやぶるが成功したら、あとはバトンタッチするだけ。なのだが、ここで注意点がひとつ。素早さが上がって相手より早く行動できるので、バトンタッチが先に使える。それ自体はいいのだが、バトンを受けたエース役のポケモンが攻撃を受けてしまうことは意識しておきたい。
たとえば、トドロクツキはフェアリータイプが4倍弱点なので、いくらリフレクターやひかりのかべがあっても、場合によっては倒されてしまう。フェアリータイプの攻撃が来そうな相手なら、ポットデスで倒しておきたい。
3.エース役のポケモンで相手を圧倒!
ここまで来れば、もう勝利は目前。相手に有効なタイプの攻撃を選んでいれば、ほとんどの相手を一撃で倒してくれるはずだ。
この段階でもっとも警戒すべきことは、相手のテラスタルだ。タイプを変えてダメージを半減されてしまうと、倒しきれずに反撃を受けてしまうこともある。こちらはエース役のポケモンが倒されると負けに直結してしまうので、はやる気持ちを抑えて慎重に攻めなくてはいけない。
ここで役に立つのが、“みがわり”だ。エース役のポケモンたちには、全員みがわりを覚えさせている。相手がテラスタルを使ってきそうだと思ったら、とりあえずみがわりで様子見してみる。
そのターンにテラスタルを使ってきたなら、つぎからは安心して攻撃ができる。また、リフレクターやひかりのかべが残っている場合は、みがわりが相手の攻撃を耐えてくれるチャンスもある。
上記さえ気を付けていれば、エース役のポケモンがやられてしまうことは少ないはず。新たに使用できるようになったパラドックスポケモンたちが活躍する様子を、存分に楽しんでほしい。
ポケモンたちの個別解説
ここからは、各ポケモンの採用理由や育成のしかたについて紹介していく。細かい話になるので、とりあえず早くバトルしてみたい人は読み飛ばしてもらっても大丈夫。実際にバトルしてみて、もっとポケモンたちのことを知りたいと思ったら戻ってきて読んでもらえるとうれしい。
クレッフィ
- 性格:ずぶとい
- 特性:いたずらごころ
- テラスタイプ:あく
- 持ち物:ひかりのねんど
- 技:リフレクター、ひかりのかべ、てっていこうせん、ミストフィールド
- きそポイント:HP252、防御68、特防188
必ず1番目に出して、場を作る役目。いたずらごころの効果でリフレクターとひかりのかべを先制で使えるので、弱点を突かれてもだいたい1発は耐える。てっていこうせんで攻撃しながら倒れられるのが偉い。
テラスタイプをあくにしているのは、相手の特性いたずらごころのポケモンが“ちょうはつ”や“アンコール”を使ってくることが予想される場合に無効化できるため(いたずらごころのポケモンが使う変化技はあくタイプのポケモンに無効化される)。だが、筆者は結局1度も使わなかったのであまり気にしなくていいかも。
ポットデス
- 性格:おくびょう
- 特性:のろわれボディ
- テラスタイプ:ノーマル
- 持ち物:しろいハーブ
- 技:シャドーボール、ふいうち、からをやぶる、バトンタッチ
- きそポイント:HP116、防御36、特攻100、特防4、素早さ252
クレッフィが場を整えてくれた後に出て、からをやぶる&バトンタッチを決める。エース役のポケモンたちが軒並みフェアリータイプに弱いので、フェアリータイプのポケモンはバトンタッチをする前にポットデスで倒しておきたい。
そのためきそポイントを少し特攻に振って、HPにきそポイントを252振ったニンフィアを特攻2段階上昇後のシャドーボール2発で確実に倒せるように調整した。
ハバタクカミはきあいのタスキを持っていることが多く、反撃を受けやすい。また特性のこだいかっせいで素早さが上がったり、こだわりスカーフを持っていたりすると素早さ2段階上昇後でも先に行動できないため、テラスタルを使って相手のシャドーボールを無効化したい。
ふいうちの採用理由は、きあいのタスキを持ったポケモンにこちらのエースがやられてしまった場合などに、倒しきれる可能性があるため。
ウェーニバル
- 性格:ようき
- 特性:じしんかじょう
- テラスタイプ:はがね
- 持ち物:たべのこし
- 技:アクアステップ、つるぎのまい、バトンタッチ、ちょうはつ
- きそポイント:HP244、特防12、素早さ252
ウェーニバルは、ポットデスがからをやぶる&バトンタッチを決められそうにないときに出すバトンタッチ役。具体的には、カバルドンを想定してチームに入れた。
“ほえる”や“ふきとばし”で強制的に交代させられると、せっかくのステータス上昇がリセットされるため、バトンタッチ構築にとっては天敵と言える。
ちょうはつでそれらを封じつつ、つるぎのまいで攻撃を上昇。アクアステップで素早さを上げながら相手を倒し、特性のじしんかじょうでさらに攻撃を上昇させ、バトンタッチでそれを引き継ぐ想定だった。
ところが1度もカバルドンと出会わなかったので、ウェーニバルの出番はなかった。シングルバトルと言えばカバルドンのイメージを持っていたのだが……。環境が進むにつれてカバルドンの使用率も上がるかもしれないので、一応バトルチームには残しておくこととした。
オノノクス
- 性格:ようき
- 特性:かたやぶり
- テラスタイプ:ほのお
- 持ち物:たつじんのおび
- 技:ドラゴンクロー、じしん、みがわり、テラバースト
- きそポイント:HP60、攻撃252、防御4、特防4、素早さ188
先ほどのほえるやふきとばしのように、バトンタッチ構築にはいくつか弱点がある。オノノクスもその対策用のポケモンで、具体的には相手のステータス変化を無視する特性“てんねん”やミミッキュの特性“ばけのかわ”を、特性“かたやぶり”によって無視して攻撃できる。
本作でよく使われる特性てんねんのポケモンは、ヘイラッシャ、ドオー、ラウドボーンの3匹。このうちヘイラッシャとドオーには後述するテツノブジンが思いのほか強かったので、おもにラウドボーンの相手を担当していた。
かたやぶりの効果で特性“ふゆう”も無視してじしんを当てられるので、ロトムやサザンドラと対面したときは覚えておくと役に立つ。
なお、素早さは2段階上昇時に、1段階上昇したテツノツツミより必ず先に動けるよう調整してある。だいたいどんなポケモンよりも素早いと思って大丈夫だが、こだわりスカーフ持ちのドラパルトよりは遅い。
トドロクツキ
- 性格:いじっぱり
- 特性:こだいかっせい
- テラスタイプ:どく
- 持ち物:ブーストエナジー
- 技:じごくづき、アクロバット、みがわり、テラバースト
- きそポイント:HP44、攻撃252、防御84、特防4、素早さ124
本構築の主役その1。もともとのステータスが非常に高いうえ、からをやぶるで攻撃2段階上昇、さらに持たせたブーストエナジーで特性こだいかっせいが発動し、攻撃が上がる。弱点を突かなくてもたいていのポケモンは一撃で倒せるし、何なら半減されても倒せるくらいにパワーがある。
攻撃技はタイプ一致技のじごくづき、あくタイプに強いかくとうタイプの弱点を突くアクロバット、フェアリータイプの弱点を突くテラバースト(どく)。ブーストエナジーは発動時に消費されるので、アクロバットの条件を満たしてダメージが2倍になるので相性がいい。
本来弱点であるフェアリータイプ、むしタイプ、かくとうタイプを半減できるどくテラスタイプに変化することで、みがわりを残すチャンスを作りやすい。
なお、素早さはオノノクス同様、2段階上昇時に1段階上昇したテツノツツミより先に動くための調整。
テツノブジン
- 性格:ひかえめ
- 特性:クォークチャージ
- テラスタイプ:はがね
- 持ち物:オボンのみ
- 技:ムーンフォース、インファイト、みがわり、アシストパワー
- きそポイント:HP28、防御156、特攻176、素早さ148
本構築の主役その2。攻撃と特攻のステータスがどちらもかなり高いテツノブジンは、からをやぶるとの相性が非常にいい。エースをどのポケモンにするか迷ったら、とりあえずテツノブジンにしておくのがおすすめ。
攻撃にはきそポイントを振っておらず、性格もひかえめで下がっているものの、インファイトは威力が高いので、かくとうタイプが弱点のポケモンや防御があまり高くないポケモンは十分倒しきれる。
ドラゴンタイプのポケモンにはムーンフォースで攻撃したくなるが、だいたいテラスタルではがねタイプに変わるので、一応みがわりで様子を見てからインファイトで攻撃することが多い。
テツノブジン自身もはがねテラスタイプと相性がよく、もともとの弱点であるはがね、どく、ひこう、フェアリー、エスパータイプのすべてを半減できる。テツノブジンは特防があまり高くないのが玉に瑕だが、防御は高いので物理攻撃主体の相手を狙ってみがわりを使うのがおすすめ。
きそポイントは相変わらず、素早さを2段階上昇時に1段階上昇のテツノツツミより先に動くための調整。また、HPと防御に厚くすることで、攻撃に振らないヘイラッシャの“ウェーブタックル”をみがわりが確定で耐えるようになっている(リフレクター込み)。
ドオーのようなどくタイプには、アシストパワーで弱点を突けるのが偉いところ。アシストパワーの威力上昇はてんねんでも無視されないので、大きなダメージを与えられる。
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