25周年を迎えたリアル系レースゲームの代名詞的シリーズ

 1997年(平成9年)12月23日は、プレイステーション用ソフト『グランツーリスモ』が発売された日。本日で発売から25年となります。今年(2022年)3月にはシリーズ最新作『グランツーリスモ7』も発売された、人気シリーズの第1作目です。

 SCE(当時)から発売された初代『グランツーリスモ』は、レースゲームにリアル指向という新たな潮流を生み出しました。最大の特徴はなんといっても、パッケージに描かれたトヨタ“スープラ”や日産“スカイラインGT-R”を始め、実在する憧れのクルマ・おなじみのクルマが、実名かつそれとわかる姿で、しかもたくさん収録されていたこと。いまでは当たり前のこのスタイルを確立したのが、初代『グランツーリスモ』なんです。

 また、実際に運転する感覚とそこまでかけ離れていない体験を提供してくれる、シミュレーター寄りの動きや操作も新鮮でした。クルマのボディに風景が映り込む美しいビジュアルも、リアル感を高めていましたね。かつてないレースゲームとして世界中で評判となり、売上1000万本を超える大ヒット作となりました。

初代『グランツーリスモ』発売から25年。アメリカでは“25年ルール”解禁で当時の日本車がいま、大人気!【今日は何の日?】

 さて、25年つながり……で、アメリカにおける通称“25年ルール”のお話をしちゃいます。アメリカでは、自国の保安基準に適合しないクルマは基本的に輸入できません。代表例は右ハンドル車。そう、日本でふつうに販売されているクルマは、アメリカでは乗れないんですね。アメリカで走っている日本車は、北米仕様として製造されたクルマなのです。もちろん、すべての車種に北米仕様が用意されているワケではなく、たとえば“スカイラインGT-R”がアメリカへ正規輸出されることはありませんでした。

 ただし、製造から25年が経過したクルマは、この規制の対象外となります。で、2014年に“スカイラインGT-R”(※)が製造から25年を迎えると、国内の中古車が一気にアメリカへ輸出され、市場価格が高騰しました。これを皮切りに、25年規制から外れる国産スポーツカーの中古車価格は軒並み(北米仕様が存在する車種までも)上昇し、現在でもその傾向が継続しています。

※3代目のBNR32。ちなみに、パッケージに描かれているのは4代目のBCNR33。いずれも初代収録車種

 以上、ひと昔前の国産スポーツカーがアメリカで大人気、という話なのですが、その一因として、初代『グランツーリスモ』とそのシリーズの世界的ヒットの影響も考えられます。初代『グランツーリスモ』の収録車種は、パッケージの2台を筆頭にホンダ“NSX”、マツダ“RX-7”、三菱“GTO”、スバル“インプレッサ”などなど国産のスポーツカーがほとんどを占め、海外版でもラインアップの変更はほぼありませんでした。アメリカで初代『グランツーリスモ』に夢中になった世代が、25年を経て、ゲームで乗り回したクルマを実際に手にしているのかもしれません。

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