『Vampire Survivors』和風DLC“Legacy of the Moonspell”が配信開始。鬼や妖怪にクセの強い新キャラ＆新武器で立ち向かえ！

　山のように押し寄せるクリーチャーを圧倒的な集中砲火でなぎ倒していく人気アクションゲーム『Vampire Survivors』のDLC（ダウンロードコンテンツ）、“Legacy of the Moonspell”がPC（Steam）とXboxプラットフォーム向けに配信開始された。

　本誌ではひと足先にPC用のレビュー版をプレイする機会を得たので、その内容をご紹介しよう。

タヌキや河童も出る和風ファンタジーでヴァンサバれ

　さて今回のDLC、発表時点でお伝えした通り、テーマは和風ファンタジー。鬼や妖怪の襲撃によって窮地に陥ったムーンスペル一族の残党が反撃に出ることになる。

　しかし公表されていた新キャラ名が“ミアン・ムーンスペル”なんてどう見ても日本名ではないものなのを見て「ごちゃ混ぜオリエンタルアジアンテイストかな？」と思ってたら、蓋を開けてみてこれがまぁびっくりするぐらいの日本テイスト。

　出てくるクリーチャーは、天狗、カマイタチ、一つ目小僧に、化け物タヌキや河童、そしてツチノコやヤマンバといった存在まで純和風で統一。そして新マップ“ムーンスペル山”も、鳥居があったり桜が植えられていたりして“かなり日本してる”し、BGMも和風ロックっぽくてメチャクチャかっこいい。

1マップのみだが価格分は確実に楽しめる

　ではコンテンツのボリュームはどうなのかと言うと、 199円（Steam）という完全にワンコインのDLCなので、それほどバリエーションがあるわけではない。特に新マップは“ムーンスペル山”一個のみだ。

　ムーンスペル山は雪の積もった山間部のマップで、やることと言えばいつもと同じ。30分生き残ること。「シークレット探しはDLC所有者のみに限定したくない」という理由により、現状ではマップ固有のシークレットは用意されていない（ただし反響次第で追加する可能性もあるらしい）。

　そのかわり、公式いわく“他マップの25倍”という過去最大のマップになっていて、北は山、南には村エリアが広がる構成。しかも単にだだっ広いだけなわけではなく、登山ルートが入り組んでいたり、洞窟や一部建物内などに入れたり、かなり力を入れて作られている。

　攻略的にも特定のエリアにしか出ない敵がいたり、「山の中の洞窟は硬い鬼が出まくる」といった特徴があちらこちらに用意されているので、序盤の展開をうまく乗りきれるようになったらいろいろ探索してみるといいだろう。

新キャラも新武器もクセがあって面白い！

　もちろん新マップだけではなく、本DLCでは8人の新キャラと13の新武器が追加される。これらはゲーム本編のマップでも使える上に性能的にも面白いものになっているので、ヴァンサバプレイヤーはココだけで元が取れるかもしれない。

　ここで特徴的なキャラ“メイヤ・ムーンスペル”を紹介させて欲しい。空飛ぶ絨毯のようなものに乗ったメイヤの持ち武器は、プレイヤーを中心にした横長の長方形のエリアの四隅で爆発を起こす“春夏秋冬”。“ほうれん草”と“ロウソク”をゲットすれば中央での爆発も追加する“五行乱舞”へと進化させられるようになる。

　勘のいい人は「四隅で爆発？」と気付いたかもしれない。そう、進化させないと中心に当たり判定がないので、敵がラッシュを仕掛けてきている時でもなければ使いにくいのだ。

　ちなみに当初は“攻撃判定が完全に画面の四隅のみ”でほかの攻撃手段に乏しい最序盤が本当にやりづらかったのだが、さすがに直前のパッチで“最初はプレイヤーの少し近くから始まり、レベルが上がるごとに間隔が広がっていく”という仕様に変更された模様。

　なのにこのキャラ、専用アンロックとして「メイヤの1回のプレイで10万体の敵を倒す」というとんでもないものが設定されている（変種キャラの“メガロ メイヤ”のアンロック条件）。ダメージが安定しなさそうなのにどうやって？

　実はメイヤ、キャラ専用の能力として“一度に多くの敵を倒すとしばらく無敵モードで爆走できる”というものが用意されており、発動するとものすごい勢いで敵を倒すことが可能。さらにうまく行くと無敵モードをあまり間を開けずに連発できるので、そこで飛躍的に撃破数を伸ばせるというワケ。

　メイヤが一番極端だが、今回登場する新キャラと新武器は大体そんな感じにピーキーな性能を持っていることが多い。主要な新キャラとそれぞれの持ち武器を簡単に紹介すると以下。いずれも慣れてきて活用できるとめちゃくちゃ楽しいし、既存マップでの生存能力もかなり高くていい感じ。

• ミアン・ムーンスペル
  • 武器: 銀の風　楕円状に自分の周囲を漂う弾を放つ。敵を倒すと回復することがある
    • 進化: お祝いの風　敵の防御力を低下させる効果がつく
  • 固有能力: 回復がすべての回復能力に作用し、さらに全快状態からの回復が最大HPをわずかに上昇させる
• メイヤ・ムーンスペル
  • 武器: 春夏秋冬　周囲の4箇所で爆発を起こす。
    • 進化: 五行乱舞　中央でも爆発が起きるようになる
  • 固有能力: 大量に敵を倒すと、一定時間強化され、さらに無敵になる
• シュウト・ムーンスペル
  • 武器: 夜の召喚　キャラクターの上に櫛状のダメージゾーンを発生させる
    • 進化: 山彦の夜　キャラクターの下にもダメージゾーンが出るようになる
  • 固有能力: 隠された“夜の剣”を持ってスタートする。ベース武器が進化するとより強力なバージョンへ変化する
• バビ・オーナ
  • 武器: 幻惑の着物　残像を発生させる。敵が触れると動きを止めるほか、一定確率で爆発する
    • 進化: ジョドーレ　残像が移動するようになる
  • 固有能力: 武器のクールダウンが無効になり、移動中、一定の間隔で攻撃する
• 真鬼（タヌキ）
  • 武器: 百八つの数珠　定期的に周囲に広がって近くの敵にダメージを与える
  • 固有能力: 攻撃範囲が一定間隔で拡大する
• ガブエト・オニ（河童）
  • 武器: 藍の泡　ステージに滞留して爆発する弾を放つ
    • 進化: 無尽の泡　泡が同じ敵に複数回ヒットするようになる
  • 固有能力: レベル20ごとに弾数が増える（最大4）

　というわけで本DLC、何か画期的なものや大ボリュームのコンテンツが追加されるわけではないのだが、本編へのプラスαとしては値段分は間違いなく楽しめるものとなっている。ヴァンサバにハマっている（いた）人はぜひ導入を検討するといいだろう。