『UNDERTALE』と『DELTARUNE Chapter 2』のアニバーサリーを記念してスタートした、作者トビー・フォックスさんの連載コラム“Toby Foxの秘密基地”。
月一回のペースで、トビーさん書き下ろしのコラムをハチノヨンさんの公式翻訳でお届けする週刊ファミ通とファミ通.com合同連載コーナー。
第3回となる今回は、新企画“Tobyが訊く”Vol.01をお届けします。
前回のコラム(日本では未発売の『聖剣伝説2』の海外版についての内容)と連動して、トビーさんから「読者のみなさんに“日本未発売ソフトにやきもきした思い出”について訊いてみたい」とのことで、ファミ通.comで質問への回答を募集。たくさんの応募をいただいた中から厳選した回答に、トビーさんからコメントです!
※前回のコラムはこちら
(ちなみに読者の回答の多くは『UNDERTALE』と『DELTARUNE』についてでした。トビーさん曰く「あちゃー!」とのこと!)
※“Toby Foxの秘密基地”バックナンバーはこちら
UNDERTALE - Switch (【永久封入特典】ストーリーブックレット 同梱)第3回 “Tobyが訊く” Vol.1 「日本未発売ソフトにやきもきした思い出を教えて!」
『UNDERTALE』にやきもき
めからさん、ほか多数
Tobyさんより:僕も、日本のRPGの英語版をさんざん待たされてきたので、日本のプレイヤーさんたちに同じ気持ちを味わってもらうことができて、とってもいい気分です。
ついに仕返しできました! あー、『DELTARUNE』の日本語版を英語版と同時にリリースするの、もうやめよっかなー。そしたら、みんなにえんえん待っててもらえるしー! (!なーんて。ウソです)
『メタルコンバット』にやきもき
スコップさん
私はSFC(SNES)のスーパースコープ専用ゲーム『メタルコンバット』が、日本になくて悔しい思いをしました。前作の『スペースバズーカ(バトルクラッシュ)』を小さいときに遊び、とくに音楽が聴きたくて何度も遊んでおりました。
もちろんゲームそのものもおもしろく、一見重々しい世界観でもキャラクターはコミカルでよくしゃべるので、子どもだった私も自然と引き込まれました。何より現実世界でスーパースコープを構え、攻撃を担当する“私”に対し、相棒のマイケルは操縦(移動)担当。その構図に“私”がいないとこの世界は成立しないと感じ、のめり込んだものでした。
そんな記憶がわりと鮮明なまま大人になり、続編の存在と、それが日本にないことを知って二重にショック。もう何世代も前のハードで、しかもスーパースコープで遊ぶ環境を整える難しさはわかっていたので、「ああ、あの世界には行けないんだな。」とガックリでした。
インテリジェントシステムズの公式サイトに紹介だけはあったので、説明文と画像だけで世界観を想像して楽しんでいましたが、いまは動画で、なんとか動いたモノを見られたのはよかったです。それでも少し寂しいですけどね。
Tobyさんより:わぁ~、いいなぁ……僕もマイケルと遊びたい……今度、仲間に入れてくれますか?
でも、まじめな話、このゲームに登場する巨大ロボのボスキャラたち、メチャクチャかっこいいですよね。スーパースコープでプレイするゲームでは、いちばんの名作じゃないですか!?
作った日本の開発者さんたちは、こんな傑作ができたのに自分の国では発売できなくて、どんな気持ちだっただろうなあ……。Michael, let's play!!!
『Scott Pilgrim vs. The World: The Game』にやきもき
えのしまさん
僕のいますぐにでも日本語版で発売してほしいゲームは、『Scott Pilgrim vs. The world: TheGame』というゲームです!
音楽がきっかけで好きになったのですが、日本語版が発売するか自分が英語に対応するかのレースになっているくらい、何年も日本語に対応してくれないゲームです……。
Tobyさんより:このゲーム、音楽が最高なんですよね!! 担当してるのはAnamanaguchiっていうバンドなんですけど、チップチューンとロックを融合させた独自のスタイルを持った人たちです。
じつは、『UNDERTALE』の『夢と希望』という曲は、Anamanaguchiの影響を受けてるんですよ(そして最近、Anamanaguchiが『夢と希望』をカバーしてくれて……なんだか…… すべてがつながってる感じ!)。
ちなみに、このゲームの原作はマンガですけど、原作も、レトロゲームネタが満載の名作です。僕のコラムを楽しんでくれている人は、きっとハマるんじゃないかな!
『VA-11 Hall-A』にやきもき
あるるのさん
私は『VA-11 Hall-A』の日本語版を待ち続けた思い出があります。『UNDERTALE』をきっかけにインディーゲームにどっぷり浸かってしまい、言語を問わずに小規模開発のゲームを遊ぶようになりました。
このゲームもトビーさんが作るゲームと系統は違えど、日本のゲームから影響を受けたビジュアルノベルということで、随所に入っているネット文化の小ネタやストーリーの素晴らしさも含めて待った甲斐のあった作品でした。
日本語化のクオリティーもすばらしくて感動したのを覚えています。
Tobyさんより:それだけじゃないですよ……サングラスをかけた、しゃべるイヌも出てくるでしょ!! ……って、それはさておき……作り手の、古きよき日本製ゲームへの愛情がひしひしと伝わってくる作品ですよね。
僕はとくに、小島秀夫さんの『スナッチャー』とか、PC-98ゲームの影響を感じました。
(ヘンクツじいさん風の声で)キミら若造どもは、梅本竜氏の音楽を聴いたことがあるかね!?
『OMORI』にやきもき
なかげんさん
8年前のトレーラー映像から2021年の12月まで日本語版が出なかった。実際にやってみると伏線がすごい量のある感動的なゲームで初めてゲームで泣きました。
BGMもTobyさんが1曲提供しているとのことで、最初は『noise mastersong』(?)のようなタイトルだったはず……のBGMも良い曲でしたが、『陽気なCD』も『OMORI』の世界観に合っていていい曲でした!
TobyさんとOMOCATさんも仲がいいそうで、『UNDERTALE』ではウォッシュアのキャラクターデザインを担当していましたよね。Tobyさんの『OMORI』の話やOMOCATさんとの仲のいい話を聞いてみたいので、ぜひ教えてください!
Tobyさんより:OMOCATさんは一度うちに遊びにきてくれて、僕のVHSコレクションを見せてあげました。それからいっしょにカラオケに行って、『残酷な天使のテーゼ』を歌いました!
最近では、糸奇はなさんと僕が共作した『Skies Forever Blue』という曲のミュージックビデオを作ってくれました。このMVはかなり急いで作ることになっちゃったんですけど、僕とOMOCATさんが合体したらどんなものができるか、ちょっとだけわかる仕上がりになっていると思います。
YouTubeにあるので、ぜひ見てみてください! 食らえ、イヌネコ合体パワー!!!
(* トビーは超高速でニャーニャー鳴きながら、自分のシッポをグルグル追いかけた)
『Skies Forever Blue』MV
『モータルコンバット』にやきもき
sleeping fishさん
思い出というより現在進行形なのですが、『モータルコンバット』です。まさに闇の『ストV』といった感じで、めちゃくちゃやりたいのですが、未だに日本語版どころか海外版ですら正規では買えません(とくにPC版)。
あんなに海外で大人気なゲームなのに、日本でできないのはなんでなのでしょうか! グロ過ぎるから? それなら日本だって『さよならを教えて』とか『リンダキューブ』とか、それこそ『バイオハザード』とかあるのに!
かれこれ10年くらい、『モーコン』やりたいなあと思っております。
Tobyさんより:えっ!? 最近の『モータルコンバット』シリーズって、日本では出てないんですか!? このシリーズ、アメリカでは大ヒットして、しかも、いろいろ騒ぎにもなりました。子を持つ親御さんの中には、「販売停止にしろ!」って言う人も多かったんですよ……(笑)。
トドメの必殺技が、超~~~グロいんですよね! よい子の皆さんが読んでるかもしれないので、くわしくは書きませんけど!
その昔、なぜかスーパーファミコン版がリリースされたんですが、任天堂さんの方針でトドメの技はトーンダウンされて、さらにキャラクターの血は……汗に変更されてました(笑)。日本では、ゲームでの残虐表現は御法度なんでしょうね……。
でもガッカリしないで!! 日本もちゃんと、“いろいろギリギリなゲーム選手権”で優勝できますから!(* トビーは、“エロゲー王!!!”と書かれた王冠を差しだした)
“Tobyが訊く” Vol.1 おしまい
たくさんのご応募、ありがとうございました! 掲載できなかった方、ゴメンなさい!(担当) コメント企画は“Tobyが訊く”Vol.2以降も予定していますので、次回もよろしくお願いします!
※コラムは1回休載をいただきます。次回は、2023年2月ごろに掲載予定です。
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