Blizzard EntertainmentのアクションRPGシリーズ最新作、『ディアブロ IV』。本作の序盤を遊べる試遊イベントに参加してきたので、その内容をご紹介しよう。
本作の対応プラットフォームは、プレイステーション5/Xbox Series X|S/PCおよびプレイステーション4/Xbox One。発売予定は2023年となっている。なお今回の試遊はPC英語版で行われた。
オープンフィールド化されたディアブロ世界を探索するのがおもしれぇ!
今回のデモでは、Fractured Peak(破砕山脈)を舞台にしたAct I部分をバーバリアン・ローグ・ソーサレスの3職でプレイできました。
その最大の特徴は、Fractured Peakがひと繋がりのオープンフィールドで構成されていることでしょう。プレイヤーは自由にこのマップを行き来して各所でクエストをこなしたり、探索で発見したダンジョンに潜って攻略していきます。
敵のレベルはプレイヤーレベルに合わせてスケーリング
ちなみに、登場する敵のレベルは基本的にプレイヤーのレベルに合わせて上昇するという形です。なので最序盤のエリアを後で訪れても簡単すぎることにはならず、程よい手応えで楽しめます。
これは協力プレイをやる際も同様で、低レベルプレイヤーと高レベルプレイヤーで同じ敵を同時に相手するような場合でも、それぞれ自分のレベルに合った強さで見えます(内部的にはそれぞれのプレイヤーが与えるダメージ値を「全体の体力の何%削った」と%ダメージに換算して処理しているらしい)。
なお各地区には最低レベルが設定されており、プレイヤーのレベルがそれより低い場合は最低レベルより下にはなりません。また一部の高難度ダンジョンはプレイヤーのレベルより数レベル上になるようになっています。
村を余裕で見落とすぐらいデカい
前作『ディアブロIII』ではキャンペーンの進行に合わせて小さなフィールドマップをエンディングまで順番に進んでいくような作りになっていましたが、今作では各エリアマップがそれぞれこのようなオープンフィールド型になっていて、Fractured Peakひとつ取ってもめちゃくちゃ広大です。
どれぐらいデカいかと言うと、キャンペーンクエストを優先して進めながら「この辺にワープポータル(Waypoint)あったらいいのになぁ」と思っていたら、大分あとになって本当にちょうどいい場所にポータルつきの集落があるのに気がついたぐらいです。
つまり“1. 本筋以外に寄り道できる場所がかなりある”、“2. 意図的に探索しないと村をひとつ見落とすぐらいデカい”ということ。なので最速攻略を目指すのでもなければじっくり探索した方がいいですし、それを推奨するシステムまであります。
探索によってスキルポイントなどをアンロックできる仕組みも
エリアマップの各所にはさまざまなサイドクエストやダンジョンが用意されていて、これらを攻略したり、探索を進めて新たな土地を発見したりすると“Renown”ポイントが貯まり、それによってさまざまな報酬が得られます。
そして報酬の中には、そのキャラ用のゴールドや経験値ボーナスに加えて、そのアカウントの全キャラに適用されるスキルポイントやポーション個数の追加ボーナスもあります。後者は別キャラを作って進めていく時にもめちゃくちゃ役立つので、攻略的にもかなり大事な要素です。
ちなみにサイドダンジョンをクリアーするとRenownが手に入るだけでなく、レジェンダリー能力の素“Aspect”がアンロックされるのでいいことづくめ。アンロックしたAspectは、街の“オカルティスト”でレアやレジェンダリー武器につけられます。
またフィールド上ではしばしばランダムイベントも発生し、そこからレアやレジェンダリー装備が出ることもあるので道中はダレません。一見普通の宝箱や祠(Shrine)が呪われていて、出現した敵を倒すミニイベントが始まることなんかもあります。
ダンジョン攻略中にしばしば「Fresh ...meat!!」の声とともにシリーズおなじみの敵ブッチャーに襲撃されたことがあったんですが、これもランダムイベントのひとつだとか。開発いわく今作のブッチャーは「プレイヤーから逃げるトレジャーゴブリン(※追いかけて倒すと報酬が得られる)の逆で、ランダムに出現して向かってくる存在」として設計されているそう。ベラボーに強くてやられちゃったんですが、倒すと固有の報酬があるようです。
このようにマップの作りだけでなく、ゲームの進め方もより一般的なRPGの作りに近くなっているんですが、シリーズの合理的な部分はそのままで残っているのも面白いところ。たとえば「ダンジョンの攻略途中でタウンポータルを開いて街に一回戻り、アイテムを売りさばいてから復帰する」といったこともできます。
『D2』系の方向性に『D3』のアクション性を融合
戦闘やビルドのテイストは、テーブルトークRPGなどの影響が感じられる『ディアブロII』系の方向性に、『ディアブロIII』の高いアクション性が融合したという感じ。PC版でもすでにゲームコントローラーに対応していましたし、『ディアブロIII』家庭用版から導入されたドッジ(回避)も正式採用されています。
ビルドの試行錯誤がやっぱおもしろい!
その方向性を端的に示しているのが、復活したスキルツリー。今回はレベル25までのプレイだったのですが、その片鱗を感じることはできました。
- ツリーは数段階で構成され、アクティブスキルとパッシブスキルがすべて含まれる
- 一定ポイントを割り振ると次の段階がアンロックされる
- 各アクティブスキルには1つの追加パッシブと、さらに二者択一の追加パッシブ2個がついていて能力派生できる
- 特定のアクティブスキルに紐づいていないパッシブのみを取って次の段階に進めることもできる(※1段階目のアクティブスキルと派生パッシブ、そして2段階目のパッシブのみで第3段目に行くなど)
- アクティブスキルは最初から任意のスロットに割り振れる
- ゴールドを使っていつでも振り直し可能。全リセットも可能だし、“そのスキルが先で取っているスキルの取得条件を満たすのに必要”などの依存がなければひとつずつキャンセルすることもできる
- 装備の効果には特定のスキルを+1するものだけでなく、同段階のスキルすべてを+1するものもある
- 実際にポイントを割り振っておらず装備の+1のみがついているスキルも使用可能
- フルポイント割り振ったスキルにさらに+1を重ねて限界越えさせることもできる(6/5など)
というわけで効率的にさまざまな効果を連動させたビルドを組むには試行錯誤が必要ですが、そこでうれしいのが特定のキーワードを指定して関連スキルをハイライトできる検索機能があること。
たとえば「バーバリアンのRuptureスキルを活かして出血ビルドを作るとしたら……」といった時にまずは“出血状態(Bleeding)”で検索をかけて、該当したスキルのいくつかがさらに関連する状態異常“脆弱(Vulnerable)”もキーワードに追加してさらなる可能性を探る……といった作業を簡単に行なえます。
クラス固有の強化要素も
そしてここに大きく関係してくるのが、クラスごとに固有に持つ追加の強化要素。たとえばソーサレスの場合はアクティブスキルを“Enchantment Slot”に入れることで、スキルとして使う代わりに特殊効果を得られます。
-
バーバリアン Weapon Expertise
- 使用した武器種ごとに経験値が溜まり、ランクが上がると武器種ごとに定められた追加ボーナスを得る
-
ローグ Specialization
- 一定レベルでアンロックされる追加システムからひとつを選んで利用する
- 基本スキルを当てると溜まるポイントにより特定のスキルが強化される“コンボポイント”や、指定された敵を攻撃することでゲージを溜めると一定時間エナジーが無制限になる“インナーサイト”などがある
-
ソーサレス Enchantment
- スキルを専用スロットに入れることで特殊効果を得る
- たとえば回避移動系スキル“テレポート”の場合はドッジがテレポートに置き換えられる。“ファイアボール”の場合は敵が死亡時にファイアボールとして爆発する
- 以前は「エンチャントメントスロットに入れたスキルはスキルとして使えなくなる」という仕様だったのが、アクションスキルとしても使える仕様に変更された模様
-
ネクロマンサー(※今回のデモでは未登場) Book of the Dead(死者の書)
- 以前の公式ブログの説明によると、スケルトン召喚の際に呼び出すクリーチャーのタイプを変更できる模様
- ※開発いわく、ドルイドも専用の仕組みを持っているとのこと
それぞれの機能自体をアンロックするための専用クエストも用意されており、内容的にもそれぞれ各クラスのイメージに沿ったものとなっているので、(個々の選択肢がエンドゲームでちゃんと通用する幅があるかどうかはともかく)キャラへの思い入れが高まって個人的にはかなり好みな部分です。
超パワーでクリーチャーの群れをなぎ倒すのが気持ちいい
レベル23に到達すると強力な“アルティメットスキル”も使えるようになり、比較的シンプルなビルド構築もできるようになって、うまくスキルを回して膨大な量の敵を一網打尽にするディアブロらしい瞬間も味わえるようになってきます。
そしてそんな戦闘の後にレジェンダリー装備が落ちたりするともう最高。一回のダンジョン攻略でレジェンダリーとユニーク装備が1個ずつ手に入った時には思わずスクリーンショットを撮ってしまいました(公開不可能なんで使い道はないんですが)。
各クラスのプレイした雑感は以下のような感じ。細かい部分は調整で変わるそうなんで、あくまで現時点での大体の方向性と考えてください。
- バーバリアン
- 基本スキルで殴って生成する“Fury”を消費して強力なスキルをぶっ放して戦うのが基本
- 出血や脆弱などの状態異常でゴリゴリ削っていく特化や、強化バフ“バーサーク”を維持しながら戦っていくスタイルも可能
- 両手持ち打撃武器、両手持ち斬撃武器、二刀流武器(2スロット)の3系統の武器スロットを使いこなして戦う
- ローグ
- 3のデーモンハンター系。矢の遠距離スキル重視、罠や回避スキルも含めた近接攻撃重視の2系統が可能
- 各種罠での行動制限や毒や脆弱などの状態異常付与が得意
- 毒・シャドウ・冷気の3種類のImbue(属性付与スキル)で対象スキルを強化して戦える
- クリティカル性能を向上させるパッシブも揃っている
- ソーサレス
- 炎・氷・雷の3系統の魔法を使って戦う遠距離職
- 敵の攻撃の直撃を避けながら、凍結や炎上ステータス、電撃の連鎖などを与えていく
- 電撃系のスキルを当てることで敵から出現する“Crackling Energy”にフォーカスしたビルドも面白い
外見カスタマイズ要素も注目
以上の通り、プレイ可能な期間中を通じて大変楽しんだわけですが、外見のカスタマイズ要素についても触れておきましょう。
今作では簡単なキャラクターカスタマイズがついていて、キャラメイク時に顔や体型・髪型・タトゥー・アクセサリー・各所の色などを選択可能(ただしプリセットから選ぶのみ)。リアルタイムカットシーンでもそのままの格好で出てきてくれます。
また装備の外見だけを変えるトランスモグ機能が最初から入っていて、鍛冶屋でバラしたアイテムの外見を移植可能です。
ちなみに本作はローンチ後にシーズンパスやストア機能なども予定されていますが、有料部分はこれらの外見カスタマイズ周り(いわゆるスキン販売の系統)になるとされています。