愛らしいドットキャラによってオンラインRPGのイメージが一変

 いまから20年前の2002年(平成14年)12月1日に、PC向けオンラインゲーム『ラグナロクオンライン』(以下、RO)が日本で正式サービスイン、今年で20周年を迎えました。同作は、韓国のファンタジー漫画『ラグナロク』の世界観をもとにしたタイトルです。

 本作は俯瞰視点のフィールドで、点在するモンスターをクリックして攻撃やスキルを撃ちこむことで倒し、ドロップアイテムと経験値を得ていくという、オーソドックスなオンラインRPG。ただ、2002年当時の日本におけるオンラインゲームは、こういった遊びやすいシステムであっても人を選ぶジャンルと考えられていました。『ウルティマオンライン』や『リネージュ』のような、ストイックでハードなジャンルというイメージが強かったのです。

『ラグナロクオンライン』が日本でサービスインした日。20周年を迎えてまだまだ現役。日本のゲーマーが求めるものを備えたオンラインRPG【今日は何の日?】
『ラグナロクオンライン』が日本でサービスインした日。20周年を迎えてまだまだ現役。日本のゲーマーが求めるものを備えたオンラインRPG【今日は何の日?】
初期のイラストとメインポスター。

 そんななか、『ラグナロクオンライン』のかわいさは多くのゲーマーに衝撃を与えました。プレイヤーキャラクターは3~4頭身。ドット絵のデフォルメ調で描かれており、世界や敵モンスターもカラフル。さらにPCの要求スペックが低めだったこともひと役買って、学生や低年齢層、女性プレイヤーなどにオンラインRPGの魅力が広まり、一大ブームを巻き起こします。PCを持っていない人でも、『RO』の看板が入口に立てられた提携ネットカフェで気軽に遊べたのもうれしい点でした。

『ラグナロクオンライン』が日本でサービスインした日。20周年を迎えてまだまだ現役。日本のゲーマーが求めるものを備えたオンラインRPG【今日は何の日?】
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 加えて、友人や本作を通じて知り合った人たちとチャット機能で簡単に会話できたのも魅力のひとつ。気の合う仲間と延々とだべり続ける楽しみもありました。SNSが未発達だった時代に、オンラインゲームをコミュニケーションツールへと昇華させたのは本作の大きな功績と言えるでしょう。

 見た目はかわいらしい本作ですが、その実、サービスイン当初から“日本人が求めるオンラインRPGの魅力”を多く内包していました。ネコ耳や天使の羽といったアクセサリーによるカスタマイズ要素は、それらに憧れてレアなアイテムをモンスターを狩り続けて手に入れる“レア掘り”の概念を、多くのプレイヤーに教えてくれました。

『ラグナロクオンライン』が日本でサービスインした日。20周年を迎えてまだまだ現役。日本のゲーマーが求めるものを備えたオンラインRPG【今日は何の日?】
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 かわいいモンスターをペットとして連れ歩けるシステムや、プレイヤーキャラクターどうしの結婚システム、レベルをカンストさせることで上位職になれるやりこみ要素“転生”など、コンテンツも充実。死んでしまうと経験値が1%減るデスペナルティーがあるなかで、転生を目指して高難度狩り場でレベリングをしていたら死んでしまい、数時間の努力がムダに……などという悪夢を見た人も多くいました。

 また、“魔王モロク”との戦いを描くストーリーは、6年にも渡る一大叙事詩となりました。ある時期には自動生成型のダンジョンシステム“メモリアルダンジョン”が登場し、3次職実装とともにシステム全体のリニューアルが実施されるなど、ゲームの中身もつねに進化し続けています。20周年を迎える近年にも新職業“星帝”と“ソウルリーパー”に続き、4次職が実装。まだまだ現役でアップデートが続いているのもすごいところです。

 オンラインRPGプレイヤーが「いま遊んでいるタイトルにこういう要素がほしい」という要望を出すと、多くはすでに『ラグナロクオンライン』で実現済みというのもおもしろいところ。いつの時代も日本のオンラインゲームプレイヤーが求めるものを、カジュアル&やり込みの双方で実現し続けている本作は、日本におけるオンラインRPGの金字塔と言えるでしょう。

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