DMM GAMESとSteamにて配信中のバカンス&コミュニケーションゲーム『デッド オア アライブ エクストリーム ヴィーナス バケーション』(以下、『DOAXVV』)。

 本作は南国の楽園・ヴィーナス諸島が舞台。プレイヤーであるオーナーが、対戦格闘ゲーム『デッド オア アライブ』(以下、『DOA』)シリーズの女の子や、本作オリジナルキャラクターたちとバカンスを楽しむゲームだ。

 本作は2017年11月15日にサービスを開始し、今年でついに5周年の節目を迎えた。本記事ではそれを記念し、プロデューサーを務める作田泰紀氏へのインタビューをお届けする。さらにやり込みライター・西川くんが、本作ベテランプレイヤーの観点から細かい不満点についてモノ申すという恒例の企画も。

 なお、週刊ファミ通2022年12月8日号(2022年11月24日発売)では、『DOAXVV』5周年記念特集が掲載される。こちらでは5年目を振り返りつつ、水着の資料などを掲載するのでお見逃しなく。

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作田泰紀 氏(さくだやすのり)

『DOAXVV』プロデューサー。2021年6月までは本作のディレクターを務めた。『DOA3』の開発からキャリアを始め、約20年にわたって『DOA』シリーズに携わる。(文中は作田)

5年目は“仕込みの年”

――毎年お聞きしていることではありますが、この1年もあっという間だったかと思います。5周年というひとつの節目を迎えて、いまのお気持ちをお聞かせください。

作田おかげさまで、5周年を迎えることができました。こちらとしても毎年お答えしていることで恐縮ですが、本当に5年も続けられたのはオーナーの皆さんのおかげです。心から感謝の気持ちでいっぱいです。

 とくに開発スタッフは毎週、更新の作業をし続けていますので、正直に言うとたいへんです。ですがそれを続けられているのも、オーナーの皆さんが待ち望んで、遊び続けてくれているからだと思います。ときにはきびしい意見をいただくこともありますが、それも含めて、多くのリアクションをいただけていることがモチベーションになっていたと思います。

――僕自身もプレイヤーとして、新規プレイヤーからフレンド依頼がちらほら飛んでくることがあり「新しいオーナーさんも増えているんだな」と感じていました。DMM GAMESのランキングの上位にもつねに入っていますが、実際のところプレイヤー数は順調に増え続けているのでしょうか?

作田そうですね。もちろん5年も続いていますので、最初の1~2年に比べるとペースは下がっていますが、おかげさまで新規の方は増え続けています。また、初期のころに遊んでいて戻ってきた方、いわゆる回帰ユーザーさんも多いんです。

 本作はもともと、セカンドゲームになればいいなと思って設計しました。ほかのゲームをメインに遊びながら、ふたつ目として本作を遊んでもらうということです。ですから、DMM GAMESさんのほかのゲームを目当てに会員登録をしたけれど、『DOAXVV』もおもしろそうだからやってみた、といった方も少なからずいるのかなと思います。

――新規のオーナーさんは今後も増えてほしいですね。さて4周年のインタビューでは、ディレクターからプロデューサーになられたことについて、「まだまだプロデューサーとしての仕事は成し遂げられていない」と発言されていました。それから1年が経ち、現在の心境はいかがでしょうか?

作田この1年を振り返ると、“仕込みの年”だったと思います。

 私がプロデューサーになったのは2021年の6月でした。そのときにチームの体制も変わり、現在ディレクターを務めている鈴木洋平と各リーダーを開発の中心にして現場を回していくようにしました。その体制で4周年までの半年ほど、しっかりと運営ができたので、もう彼らに任せてもプロジェクトが進むようになりました。

 そこからは、つぎはプロデューサーとして未来と向き合いました。『DOAXVV』はつぎの1年と言わず、ずっと続けていきたいタイトルです。どういった未来へどうやって進むべきなのか定めること、そこにスタッフが全力を注ぐための道を作ってあげることこそが、プロデューサーの仕事なんだと考えました。

 このインタビューの段階では新要素についてのオーナーさんたちの反応が見えていないので、「プロデューサーとしての仕事を成し遂げた」と言えるかどうかはわかりませんが、いろいろなものをチームに説明し、ときには意見が分かれることもあったもののしっかり話し合い納得してもらって、つぎなる発展のための準備をコツコツと進めた、という年でした。

――そこで仕込んできたものが、たとえば今回発表された“ヴィーナスボード”などの要素なのでしょうか?

作田それもそのひとつです。ヴィーナスボードについては、それぞれの女の子とより深くいろいろなことを楽しみたい、仲よくなりたい、あるいは育てていきたいというようなところをもっと強化したいと思って取り入れました。加えて、今後はさらなる新コンテンツもお届けする予定です。

――ヴィーナスボードについては、のちほどさらに深くお聞きしていきます。この1年では、ブラウザ版がついに正式サービスを迎えました。オープンβの時点でもふつうに遊べていた印象でしたが、正式サービスになって何が変わったのでしょうか?

作田オープンβのときのブラウザ版は、じつはダウンロード版に比べてゲームがスローに動いていたんです。正直に言うと、技術的になぜその現象が起きているのかの原因を、当時は特定できませんでした。「クラウドゲームなので、ネットワーク通信的にこういうものなのだろうか?」とも考えていましたが、これを正式サービス版と言うにはどうも納得がいかなくて。

 それが、今年(2022年)の2月ごろに原因の目星がついたんです。それをテストしてみたところ最終的にうまくいったので、ブラウザ版を正式サービス開始という形にしました。

 原因の特定まで、これだけの時間がかかったのには理由があります。ブラウザ版のみで想定外の挙動が発生した場合、特殊なサーバー環境で動作するためデバッグの工程(不具合原因を調査・修正を行うこと)を手軽にできず、起きている現象から設計・仕様を整理して原因を追究する、いわゆる“脳内デバッグ”が重要となります。

 今回はさらに通信による影響の可能性が考えられたこともあり、時間がかかってしまいました。現在は快適に遊べるようになりましたので、ハイスペックPCをお持ちでない方も、ぜひブラウザ版で遊んでみてほしいですね。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
正式サービス中のブラウザ版。画質はダウンロード版よりも劣るが、ハイスペックPCを必要としないのがポイント。正式サービス版になり、以前よりもスムーズにゲームが動くようになった。

ついに『DOA』シリーズからティナが登場

――2022年1月には『DOA』シリーズからティナが登場しましたが、あれには驚きました。3周年のインタビューで、レイファン以外の『DOA』キャラクターを登場させることについてうかがった際には「オーナーと向き合っていく部分を考えるのが難しい」、「特別なタイミングならば」というお話を聞いてましたが、いつごろから構想していたのでしょうか。

作田じつはそのころから、というよりレイファンを追加したころからずっと考えていました。レイファン追加の際は、ジャン・リーという存在がいる中で、オーナーを好きになっていく理由付けを考えるのがたいへんだったことは、以前のインタビューでお話しした通りです。

 一方ティナは、レイファンのように特定の存在がいないので簡単に思われそうですが、ティナだからこその難しさがありました。スーパースターであるティナが、単なるひとりのオーナーをどういう理由で好きになっていくのか、という部分です。最終的にティナの女の子エピソードは3回も作り直すことになりました。

 『DOA』のキャラクターたちを追加する場合、どうすれば『DOA』ファンや『DOAXVV』から入ったオーナーさんたちに気に入ってもらえるのか? という点をとくに考えています。「ティナはこんなに魅力的な女性なんです!」と、胸を張ってお届けするにはどうしたらいいのか、それをずっと考えていました。

 ただ、3周年のタイミングでオーナーの皆さんにそういった考えをお伝えしたところ、予想以上の反響をいただきました。「ぜひ入れてほしい!」、「逆になぜ入れないんだ!」という声が多く、これはもう覚悟を決めねばと思い、そこから1年かけてじっくりと練り上げて、4周年のタイミングで発表させていただきました。

――そのとき『DOA』シリーズが25周年という節目だったのも、要因のひとつだったんですよね?

作田はい。そもそもティナを追加しなかったのは、製作が難しかったことが理由ではなく、追加する理由となりうる特別な機会が必要であったためです。私は20年以上前の『DOA3』から開発として携わっていますから、『DOA』シリーズの25周年を記念して何かしたいという気持ちが強かったので、それであれば『DOAXVV』にティナを追加することが『DOA』シリーズとしてもいいのではないかと感じ、最終的に決断しました。

――4周年のタイミングで、週刊ファミ通では過去作から登場してほしいキャラクターのアンケートを実施しました。その結果、1位がNiCO、2位がティナ、3位がミラだったわけですが、たとえば、つぎはNiCOやミラが、なんてことも……?

作田いつも同じ返答になってしまいますが、特別な機会があれば、というところです。もちろん、いまも皆様から要望があることは認識しています。『DOA』シリーズや『DOAXVV』において、ここがベストだろうというところで登場させたいです。

――ぜひ期待しています。ちなみにティナについては国際版と同時に登場しましたが、そこも苦労があったのではないでしょうか。

作田日本版と国際版のそれぞれで運営スケジュールが決まっている中で、通常の運営をしながらティナを作るのは現実的ではありませんでした。ですので、国際版のスタッフにも手伝ってもらおうと、ティナ製作用の特別チームを結成したのです。

 ですので、日本版の運営チームとしてはこはる、エイミーを送り出すあいだに、たまたまティナが登場した、という感じです。本当はティナの誕生月が12月なので、2021年の12月に出そうという話もあったのですが、やはり苦労があり、2022年1月までズレてしまいました。とはいえどの女の子にも言えることですが、納得したものが完成しない限りは皆さんにお披露目することはありません。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
ティナ。

――その後、2022年4月にはエイミー、そして2022年8月にはシャンディも登場しましたよね。開発は順調だったのでしょうか?

作田いえ、正直に言って順調ではなかったです。ティナもそうですが、エイミーもシャンディも送り出すのに苦労しました。エイミーは“ツンデレ”、“デレツン”な女の子として作りましたが、当初のものは“よくいるツンデレの女の子”みたいな感じになってしまって。これだとエイミーとしての魅力がない、というところでエピソードやキャラクター性自体をイチから作り直しました。

 シャンディは、コンセプト自体はすんなり決まりました。ただ“アンニュイな大人の女性”というコンセプトにしたはいいものの、“アンニュイ”を実際に表現するのが難しかったんです。そこを実現するために、ビジュアルや水着などが完成直前まで進んでもやり直しにする、ということが何度も発生したので、当初の予定よりも時間がかかりました。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
エイミー。
『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
シャンディ。

コラボにまつわるエピソード

――2022年の1月には、よむ先生とのタイアップ企画が実現し、タイツ水着が登場しましたね。

作田これはプロモーション担当のほうから、イラストレーターさんとのタイアップイベントがやりたい、という企画が上がってきまして。そこで、まずはよむ先生といっしょに水着を作りたい、という話になりました。実現したらファンの方に絶対に喜んでもらえると確信していましたが、よむ先生はお忙しいから難しいかもしれないな……と思いつつ声を掛けてみたところ、快く引き受けてくださって。相性としては『DOAXVV』とバッチリだったと思います。

――タイツにメチャクチャこだわりのある水着でしたが、どのように決まったのでしょうか。

作田まず、よむ先生に『DOAXVV』の“水着”とは何なのか、ということを説明しました。『DOAXVV』では服のような水着もあることや、着くずれという機能があることなどですね。そのうえで先生と話し合っていく中で、やはりタイツが特徴的な水着がいいだろうということでデザインしていただきました。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
よむ先生コラボ。

――2022年2月には『ソフィーのアトリエ』コラボがありましたよね。『アトリエ』シリーズですと、『ライザのアトリエ3』が2023年2月22日に発売を控えていますが、今後もコラボがあったりするのでしょうか。

作田『アトリエ』シリーズは魅力的な衣装が多いので機会があればコラボしたいと思っていますが、『ライザのアトリエ3』とのコラボについてはまだわかりません。通常の運営計画もある中で、発売日などのタイミングを調整するのはけっこう難しいんですよね。

――こちらも期待しています! 2022年3月には『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』、2022年6月には『アリス・ギア・アイギス』と、それぞれ相互コラボの第2弾がありました。新しい女の子にこれまでの水着やポーズを配れることもあり、両方ともファンにとってはうれしい再コラボだったと思います。これらは何か意図的に狙っていたのことなのでしょうか?

作田じつは、どちらも先方から「またコラボしませんか?」とお声がけをいただいたんです。本当にたまたま、同年に両タイトルからのお誘いがありまして。どちらも最初のコラボから期間が空いていましたし、当時遊んでいなかったオーナーの皆様から再コラボの要望をいただいておりましたので、今回あらためてコラボして、新しい女の子たちを中心にコラボアイテムを楽しんでもらおうということで実施しました。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
『ソフィーのアトリエ』コラボ。
『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』コラボ。
『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
『アリス・ギア・アイギス』コラボ。

6周年に向けての進化

――この1年はいろいろなコンテンツや機能が追加され、3周年から4周年までの1年よりも充実していたなと個人的に思います。とはいえ、ゲームコンテンツ的にはそこまで代わり映えのない年だったとも思いました。「この1年は仕込みの年だった」というお話もありましたが、6周年までの1年で新たな発展を見せていくと思っていいのでしょうか。

作田まず、「この1年、あまり変わり映えがなかった」、というご意見はわかります。これまでやってきた流れの中で、より遊びやすく改善できた部分も多いですが、ゲーム自体の魅力が拡がるような新しいコンテンツはなかったのかなと個人的にも感じています。6周年までの1年間では、そこを変えていきたいです。5周年のタイミングで追加したものは、その第一歩だと思っていただきたいです。

――楽しみです。個人的には作田さんがディレクターをしていた時代に比べて、こう言ってはなんですが、バカバカしいコンテンツやセクシーだけどつい笑ってしまうようなコンテンツが減ったな~という気がしていまして。

作田それは現体制になって、確かにそうかもしれませんね。もちろん、魅力的な女の子や水着を送り出すことを目標にしていますし、実際に”いいデザイン”とご好評をいただいた水着の頻度も上がっていたように感じております。ですが、ちょっと笑ってしまうような要素も『DOAXVV』の魅力です。

 公式4コママンガを描いてくださっている津々巳あや先生も、やはり毎回ツッコミどころを探しているんですよ(笑)。たまにはバカにはなれるような、そういったチャレンジができるようにチームを率いていきたいです。

――それこそ、よむ先生とのタイアップ水着はそういった要素が詰め込まれていたなぁと(笑)。

作田マジメな水着ながらもタイツへのこだわりがものすごい、というところで、この1年でいちばん『DOAXVV』らしくできたなと思います。よむ先生のこだわりをできる限り実現しようと内容を盛り込んでいったところ、盛り込みすぎましたね……(笑)。

――タイツのカスタマイズがすごかったですね。あとは“オービット・アンタレス”、“オービット・シリウス”も好きでした。その……“新世紀”を感じたというか(笑)。”あの作品”とコラボしたいのかな、と思ってました。

作田できたら~……いいですね(笑)。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も

――プレイの部分で言うと、“オートチャレンジ”の登場がうれしかったです。4周年のタイミングでも「より使いやすくしたい」と言っていましたが、この追加がまさにそれだったのでしょうか?

作田そうなります。私の実体験として、これまでもオートプレイがありましたが、イベント初日に深夜に家に帰ってから最高ランクのSSSランクフェスまで辿り着くのはしんどくて。なんとか入れてほしいとチームにお願いしていたものを実装してくれたので、本当によかったです。

――ポーズ反転機能も遊びの広がる要素でした。今回発表された女の子の回転機能もそうですが、今後も撮影のアップデートは続けていくのでしょうか。

作田はい。撮影は『DOAXVV』のメインコンテンツであり、いちばんアップデートを望まれていますから、より楽しんでもらえるものにしたいとつねに考えています。

 ただ、撮影機能は無計画に拡張しすぎると管理できなくなります。とくに自由な組み合わせがあるからこそ、想定外の別の問題が発生する場合もあります。お客様に課金して遊んでいただく製品として、遊びとしての自由度として提供できる範囲と、しっかりと品質を管理しないといけない範囲があるため、慎重に仕様の設計とチェックによる品質管理を行っています。

 また、つねに改善要望をいただいており、我々も対応したい思いはありますが、システムの都合でできないものも多く、心苦しくあります。今後も拡張できるものように全力を尽くしていきたいです。

――ロッククライミングイベントのシーン簡略化もうれしかったです。開発的には見せたかったポーズもあると思うんですが、そこをざっくりカットして遊びやすくなったというところで、こういった細かい点も今後アップデートされていくのでしょうか。

作田サービスイン当時の10人ならまだしも、いまいる27人もの女の子をロッククライミングイベントで育てるのは、もう本当にたいへんにですから。そういったところはすべてできるわけではないですが、より遊びやすくなるようなところを優先的に入れていきたいです。

――わかりました。暗い話題になってしまうのですが、2022年5月には、こはるが無償ガチャから迎え入れるようになり、それが原因かはわからないですが、サーバー負荷でのデータ障害が起きていましたね。苦い思い出かもしれませんが、これもこの1年でとくに苦労されたところなのでは?

作田サービスイン当時からシステムを増築していたものですから、やはり5年も経つと古い仕様と言いますか、発展性を考えていないような設計が多くなっていました。そこが原因の根幹でした。

 そして、さらに当日は想定外の延長でメンテナンス明けが遅れたことや、こはるが初めてトレンドコーデガチャに入っており、皆さんがガチャをたくさん回すタイミングだったことなどいろいろなものが重なったことで想定以上のサーバー負荷がかかり、結果としてデータベースに障害が起きてしまいました。

 いちばん最初に考えたのは、この障害で「何があったかわからない」、「何かをなくしてしまったかもしれない」というオーナーさんたちの不安を少しでも和らげるためにどうすればいいかということでした。できる限りの調査を行い、できる限り補填しようということを覚悟して、ひとつひとつのプレイログを辿る作業を専用のチームを作って取り組みましたし、できる限りお知らせや公式Twitterなどで情報をお伝えしていきました。こういったことが今後二度と起きないように、運営していきたいと反省しています。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も

5周年アップデートについて!

――ここからは、5周年アップデートについてお聞きしていきます。まずアニバーサリーコーデが女神をイメージにしたデザインになっている理由を教えてください。

作田これはデザイン担当から上がってきた案です。5周年の節目ということもあり、オーナーの皆さん全員に響くようなもので、かつ開発の想いを込めた水着を作りたいというところで、女の子たちの“女神(ヴィーナス)”としての魅力を最大限生かそうと考えました。より自分の中で、推しの女の子がオンリーワンでナンバーワンの女神として、再認識してほしいという想いも込められています。

――これまでのアニバーサリーコーデは青や赤、黒などのテーマカラーが設定されていたと思いますが、そこはあまり意識されていなさそうですね。

作田今回はカラーよりも、トータル的なデザインですね。『DOAXVV』と同じく、ヴィーナスというワードを含んだ名が付けられている有名な絵画をモチーフとしています。神々しいイメージを残して、風になびくと美しいデザインです。4.5周年ではバニーガールをイメージした水着でしたが、今回は5周年ということもあり、さすがにコスプレ風の水着が続くのはどうだろう、というところで家具も合わせて雰囲気を楽しめるトータルデザインとしてのきらびやかさを優先しました。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も

――また、サーフウェア風の水着の配信も開始されます。前回はテニスウェア風の水着で、前々回は野球ユニフォーム風で、「決してスポーツをモチーフにしたいわけではない」と、小道具から考えて作っていると言っていましたね。今回もサーフィンと、スポーツですよね(笑)。

作田前回そう言っておきながらなんですが、今回はけっきょく「マリンスポーツで行く!」と決めちゃいました(笑)。僕が言ったことがウソになってしまいましたが、今回は開発チーム内から生まれたアイデアです。これまでのものは地上で取り組むスポーツばかりだったので、やはり本作としては海のスポーツもやるべきだろうと。だったらサーフィンは外せない、というところから水着&サーフィンボードを取り入れた形です。

 当初はサーフィン風の撮影スポットは予定していなかったのですが、さすがに砂浜などの上でサーフボードに乗っているだけでは、どうも味気ないというか、悪い方向にバカバカしく見えるなと。とはいえ水の上は用意できなかったのですが、専用の波に乗っている風に見えるスポットを用意しました。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
サーフウェア風水着+サーフボードを持ち上げるポーズ。
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パドリングのポーズ。
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ボードに乗るポーズ。
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ビーチの砂浜スポット限定のポーズがあり、海の上にいる風の撮影ができる。
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カメラをうまく駆使して、女の子たちを波に乗せよう。
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着くずれ時・
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ちなみにY地点も見どころ!

――今後もこういった撮影用水着というのは、やはりスポーツが多くなるのでしょうか。

作田一概には言えないですが、やはり撮影を楽しむことを目的に、かつ小道具も使った水着となると、スポーツがいちばんわかりやすいように思います。サイクルトレーニングをイメージした“ツール・ド・ヴィーナス”もそうでしたが。

――あれ、さらっとやってますけど、かなりたいへんですよね? フィットネスバイクに女の子を乗せていますけど、女の子によって手足の長さが違いますし。

作田かなりたいへんでした。あのフィットネスバイクは女の子ひとりひとりの調整に手間がものすごくかかるので、皆さんの予想以上に開発の努力が詰め込まれているんです(笑)。開発チームの体力が尽きないかと心配に思ったほどでした。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も

――そして先ほどもお話にあった“ヴィーナスボード”についてです。独自に女の子を育成できる新要素ですが、どのような発想で導入したのでしょうか?

作田既存の女の子レベルという育成要素は、レベルが上がっていく1本道の要素です。選択の余地もなく、あまりおもしろみもないですし、新しいオーナーの方々から見ると高いレベルに到達するのは時間がかかりますし、それを上限突破のような形でさらに上に積み上げるのはないなと。

 そこで新たに、自分の好きな能力を上げられる育成要素として追加することにしました。もちろん育成だけではなく、ほしい水着を優先してもいいです。そこはオーナーの皆さんそれぞれが、自由にコツコツ楽しめる要素として取り入れました。

 決してつらくしたい、難しくしたい、面倒な作業を増やしたい、といったわけではありません。ヴィーナスボードで使うポイントもフェスで溜まっていくので、これまでやってきた工程の中で、さらに使いどころが増えたと思っていただければと思います。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も
※ヴィーナスボードの画面は開発中のものです。

――これからの育成が楽しみです! また、オーナーの皆さんがとくに喜ばれたのが、女の子の回転機能だったと思います。

作田4周年のインタビューでは、とくに念を押して意見をいただきましたよね(笑)。その際はこれまで実装していなかった理由や考えをお話ししましたが。ただインタビューを読んだオーナーの皆さんからも、西川さんが追加を希望される点について「そうだそうだ!」という声が多く挙がっていたのを見ていて、「これはもう気合入れて実装するしかない」、「ティナを登場させられたので、つぎに皆さんが求めるものとして実現しよう」と思い、検討し実現した要素です。

 やはり難しかったのは、女の子がいちばんよく見える光の当たりかた、つまりライティングの調整でした。当然、手作業ですべてのスポットで、角度ごとにライティングのデータを用意すれば実現できますが、本作がさらに今後も続いていくことを考えると、開発スタッフの体力面などの面から絶対に破綻することは明白でした。とくに『DOAXVV』の女の子たちをキレイに見せるためのライティングは、長年培ってきたスキルですし、いわゆる職人芸で簡単に増員できないため、何かしらのシステムでの解決が必要でした。

 その点を踏まえてプランナーが中心となり、ある程度自動で処理できる仕組みをスタッフたちが考えてくれたおかげで、今回ようやくお届けすることができます。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も

――念を押しておいてよかったです(笑)。個人的にいちばんうれしかったのは、ショップアイテム一括交換です。2周年あたりから、個人的にはずっと言い続けていたことで!!

作田すみません、お待たせしました。そして、僕もうれしかったです(笑)。

――おそらくですが、最初はここまで女の子や報酬が増えることも想定していなく、一括で交換できる設計にはしていなかったところ、それに切り換えるのが難しかった、という感じでしょうか?

作田その通りです。当初の設計が甘すぎた、というのが原因だと思いますし、それに取り掛かるまでにどうしても手が回らなくて。ようやく実現できました。申し訳ない気持ちがありながらも、個人的にも「ああ、やっとふつうに交換できる!」と思っています……(苦笑)。

――フォトフィルターも、より個性的なものが追加されました。どのような狙いで追加したのでしょうか。

作田フォトコンテストなどで、フィルターを駆使した作品がすばらしいものが多く、こういった要素も求められているんだなと感じました。今後も追加していきたいですね。ちなみに、今回追加した水滴フィルターは、開発からのオススメです。水滴の付く場所がランダムとなっていまして、思わぬ使いかたも生まれるかもしれません。

『DOAXVV』5周年インタビュー。つぎの1年では女の子との絆がより深まる。「水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしい」などガチ勢向けの“モノ申す”も

――ぜひ試してみます! ちなみに国際版には、新フェスとしてPVPに特化した“ヴィーナスアリーナ”が登場しました。これは将来的に、日本版にも来る予定はあるんでしょうか?

作田いまのところは考えていません。国際版も私がプロデューサーですが、国際版の運営チームから「国際版のオーナーさんは、誰よりも女の子に愛情を注いだことをアピールしたい人が多い」という意見があり、より対人戦に特化したコンテンツを取り入れようという話になりました。その意見を汲み取って、国際版だけで取り入れたイベントです。

 一方で、日本版でそれが望まれているのかと考えると、私はそこは違うだろうと思っています。実際、意見として見ても「5周年で日本版にも来てしまうのでは?」と、不安になっているオーナーさんも見ています。そうなるのは予想していたので、入れるつもりはありません。ただ、それはあくまで運営としてオーナーの皆さん全体を見て判断していることです。もし、日本版のオーナーの方々から「ほしい」という声が多ければ、今後実装することもあるかもしれません。

――最後に、今後の展望を教えてください。

作田インタビュー中でもお伝えしたように、今後もより女の子とより深く絆を深められるコンテンツを今後追加していく予定ですし、ゲームシステム的にもより遊びやすく、かつ拡張性のある形にしていきたいです。6周年が迎えられることを目標にするのではなく、10周年を目指すような気持ちで運営していきますので、引き続き『DOAXVV』をお楽しみください。

開発陣にモノ申す!

 最後に、サービスインから5年間プレイし続けているベテランオーナーの西川くんが、本作の気になる点について作田プロデューサーに直撃!

――この前のキズナフェスは長すぎて疲れました!! みんなの疲弊が見えたというか……。できれば基本的に短くしてほしいです!

作田私もプレイヤーとして長かったと感じています……。すみません、これは今後の課題として持ち帰らせていただきます。

――ゲストポイントの使い道は初心者にとってはうれしいところですし、上級者にもあるのはわかります。ただ、上級者向けの要素として100連で回せる機能が欲しいです! 1000連でもいいです!

作田ここは正直、変えたくないところです。はっきり言うと、サーバーが高負荷となりリスクが高いためです。

 ゲストポイントガチャを含むどのガチャであっても、10連を回すことで発生するサーバー負荷は同じです。仮に、メンテナンス明けに多くのオーナーさんが同時に100連ガチャを何度も回し続けると、サーバー負荷がものすごいことになります。過去にデータベース障害が起きてしまったこともあるので、むやみに100連などは付けられないなと。プレイヤーとしての気持ちはすごくわかるのですが……。

――EXオイルは実質的に装備アイテムのような役割になりました。プレゼント画面などで、EXオイルが誰に付与されているのか、メニュー画面からわかるようにしてほしいです。「メモしなよ」という話ですが、「誰に付与したっけ?」ということもあって、よく探していたりして。

作田確かにそういうことはありますよね。私もその通りだと思いました。……とりあえず、チームに持ち帰ります。

――EXオイルにまつわる、メニューのお話です。フェスと言いますか、バトルに関わることが“フェス”メニューで、それ以外の着せ替えなどの要素が基本“女の子”メニューですよね。「さー、フェスに挑むぞ!」というときに、オイルを変更するために女の子→プレゼントメニューに遷移するのが、ときどき違和感があります。もちろん、オイルを女の子にプレゼントしているのが設定的に正しいのですし、おそらく当初予定していない仕様だったからだと思いますが。

作田おっしゃる通り、当初予定していなかった要素だからです。それらのメニューまわりを、どこまで抜本的に改造するのかは、いまも考えているところです。全部変えるのが最適解に見えるところではありますが、「いまさら変えられても新しいメニューになって慣れない」ということも起き得るので……。ただ、少なくともフェスコーデ変更メニューとオイルプレゼントメニューがつながっているとかはあったほうがいいですよね。ちょっと検討したいところです。

――EXオイルの付け替えのためだけに、EXリムーバーオイルを使う瞬間がときどきあるんですよ。それを踏まえて、オイルイベント時にいつもリムーバーオイルで全部オイルスキルを消しておく必要があるのは、なんだかヘンというか、たいへんです! 恒常で通常のリムーバーオイルをください!

作田そ、そうですね……。検討します……。

――今年(2022年)前半のやわらかエステイベントで、全員にやわらかエステオイルを3回渡さなければいけないというミッションがありましたよね。あれ、メチャクチャたいへんなうえに、EXオイルの運用にも関わっていてたいへんでした。……本当にたいへんでした。

作田ありましたね……。運営初期は”やわらかスキルを付けよう”というガイドも兼ねたミッションでしたが、もう埋まっている人がほとんどですし、女の子も増えてきて3回プレゼントするのがたいへんになってきたので、あまりそういったミッションは採用しないようにしていました。今後も面倒な要素はできる限りなくしたいので、見直したいと思います。

――スキル覚醒時にゲームが固まる件についていろいろと試してみて思ったのですが、プレイヤーの持っているアイテム数が多いほど固まりやすいのでしょうか?

作田水着のほかに、イベント水着のスキル覚醒石などを多く所持していると処理に時間がかかってしまい、動作が重くなる場合があるようです。イベントフェスでドロップされたSR水着用のスキル覚醒石やガチャで排出されたR以下の水着など、不要となったアイテムをコツコツ下取りしていけば重くなりにくいかとは思いますが、スキル覚醒石を始めとしてアイテムを多数所持しているオーナーさんも多いように思われます。対応については引き続き検討いたします。

――メニュー操作まわりを改善してほしいです。水着、ブロマイドなどの一覧メニューのスクロールバーなんですが、たとえばブロマイドを装着したりすると、スクロールバーが必ず上にリセットされるんですよ。些細なところですが、試行錯誤や強化まわりがやりにくいです。スクロールしたその場で、つねにバーは止まってほしいです。

作田すごくわかります……。前向きに検討いたします。

――そろそろ水着のレベル上限解放を一括でやらせてほしいです。あの効果音が気持ちいいので、クセになるところでもあるんですが。

作田それはディレクターとは「つぎにやりたいよね」という話をしているところです。たった数回とはいえ、ちょっと面倒ですよね。個人的に誕生日水着を手に入れたとき「ああ、レベル上限を解放しなくていいんだ!」と無意識に喜びましたから(笑)。そこでうれしかったということは、裏返すとどれだけストレスだったのかと気づきました。だったら実装すべきだろうと思いますので、検討いたします。