Blizzard Entertainmentは、2022年11月4日にアメリカのカリフォルニア州アナハイムで開催された公式大会“Overwatch League Grand Finals 2022”にて、『オーバーウォッチ2』の新タンクヒーロー“ラマットラ”を発表した。

Overwatch League Grand Finals 2022

 ラマットラは、12月6日(日本時間で12月7日)からはじまる、シーズン2の最初から使用可能になる。ゼニヤッタとの因縁も深いタンクキャラクターで、“オムニック・フォーム”と“ネメシス・フォーム”というのふたつのフォームを切り替えて戦うのが特徴。フォームが切り替わると攻撃手段なども変化するとのこと。

 前日に行われた、新ヒーローについて、ナラティブデザイナーであるゲビン・ジャージェンズ-フィリエ氏、アートディレクターであるディオン・ロジャース氏、ヒーローデザイナーであるアレク・ダウソン氏への合同インタビューに参加できたので、そこで判明した情報などをお伝えしていく。

フォームを切り替えてラッシュを仕掛ける新しいタンク

オーバーウォッチ2 オリジンストーリー|ラマットラ

 シーズン2より参戦する“ラマットラ”はオムニックによるテロ組織・ヌルセクターのリーダー。じつは、前作のPvEモード“ストームライジング”のクリアー後のムービーにて登場していたキャラクターである。

 ラマットラの最大の特徴はふたつのフォームがあること。“オムニック・フォーム”では、杖から弾を発射して攻撃するポーク(相手に細かなダメージを与える中長距離)を得意とし、“ネメシス・フォーム”では変形し大きくなり、バリアを貫通するパンチをくり出したりと近距離タイプになるようだ。つまり、フォームによってプライマリとセカンダリーの攻撃の内容が変化する異色のヒーローである。

 オムニック・フォームのあいだ、サイズはふつうのタンクだが、ネメシスになるとひと目見ればわかるほど大きくなるという。どれほど巨大化するのか非常に気になるところ。タンクの中での生存能力は中くらいとのことだ。

 ネメシス・フォームはアルティメットで発動、ラッシュを仕掛けるのに適した形態になるとのこと。また、Ult発動後一定時間でオムニックフォームに戻るので、ネメシス・フォームになるタイミングを見極めるのが重要となり、味方と連携も大切だ。

 シナジーについては、ルシオとの相性がなかなかよいとのこと。理由としては、スピードブーストで入りたいポジションに送り込めるから。

 カウンターとしては、自身が大きくなる分、的にもなりやすいので、背後からの急襲やアナの“スリープダーツ”が有効になるという。

 初心者にとってアビリティ構成は多少複雑だが、ネメシス・フォームでハルクみたいになれる唯一無二な能力が好きなら、ぜひ選んでほしいとのこと。

『オーバーウォッチ2』新ヒーローは“ラマットラ”。バスティオンのように2種類に形態変化するタンクヒーロー【Overwatch League Grand Finals 2022】
オムニック僧時代のラマットラ。ただならぬ雰囲気を放っている。

ゼニヤッタと旧知の仲であるラマットラ。ふたりのかけあいボイスも特別なものに

 ここからは、ラマットラの能力以外に関してインタビューから判明した素顔に迫っていく。

 もともと、ラマットラはオムニッククライシスで戦うために作られた“ Ravager”(ラベジャー)というタイプのユニット。クライシスが終わったのち、修道院へ行き戦いではなく平和を見つけ出そうとしていた。

 しかし、オムニックたちが人類に狙われ危険に晒されていたため、再び戦うことを決意しヌルセクターを立ち上げることとなる。つまり、ラマットラ個人の戦いということ。

 そのため、一見そんなに危険そうな存在には見えず、セリフにも知性を感じられるが、戦いが進むと怒りや痛みが浮かび上がってくる。それらの思想は、ゲーム内での彼の性能やプレイスタイルにも繋がっているという。

 ゼニヤッタとは修道院を通じて知り合っており、ラマットラがゼニヤッタをシャンバリに紹介したりと、義兄弟のような関係性。彼らの会話を通じて、ゼニヤッタの新しいことが知れる点にも注目だ。

 ラマットラの登場でいまだ謎の多いヌルセクターについて、どんなことが明かされていくのか実装に期待したい。

『オーバーウォッチ2』新ヒーローは“ラマットラ”。バスティオンのように2種類に形態変化するタンクヒーロー【Overwatch League Grand Finals 2022】
同胞が無残にやられていく姿を目の当たりにしたら、人類へ蜂起するよね。

その他の気になったトピックス

 各国のプレス向けのQ&Aセッションでは、そのほかの気になる情報も出ていたので、概要を紹介しよう。

5v5になったことでのキャラ開発の違いについて

 タンクがひとりになったため、CC(クラウドコントロール)能力や、生存能力の高さを意識している。

タンクキューの待ち時間について

 ヒーローの追加直後はみんな試そうと集まるが、時間が経つに連れて収まっていくということはある。

 ただ、待ち時間についてはいつも注視しており、とくにサポートキューについては、もっと調整して全体のバランスを取れないかといったことを考えている。もしかしたら、サポートヒーローをもっと追加するようなこともあるかもしれない。

将来的なほかの調整の予定について

 ドゥームフィストやジャンカークイーンはシーズン2でいくつかの変更が行われる。また、モイラにもうすこし機能を追加できないかなどは考えている。

 ブリギッテについても過去に言及したが、将来的に手を加えるかもしれない。こういった調整はシーズンごとのアップデートで目にしていくことになると思う。完全な作り直しレベルもでてくるかもしれないが、そのあたりはまだ決まってはいない。