2023年3月24日にプレイステーション5、Xbox Series X|S、PCで発売が予定されている、カプコンの『バイオハザード RE:4』。2005年に発売され、今なお熱狂的な支持を得ている人気サバイバルホラー『バイオハザード4』のリメイク作品だ。
今回、特別にゲーム序盤部分をプレイさせていただく機会を得られたので、その模様をリポートしていく。
『バイオハザード RE:4』をAmazon.co.jpで検索するその“空間”を作り出すためのこだわりと演出
今回体験できたのはゲームの最序盤部分。オープニングの一部も見ることができた。すでに公開されているPVやスクリーンショットなどでおおよその雰囲気などは理解していたつもりだったが……少々認識が甘かったようだ。
まず驚かされるのは、そのグラフィックだ。原作が発売されたのは17年前ゆえ、別物となるのは当然と言えば当然なのだが「こうまで違うのか」と、画面に釘付けになってしまう。さらに、その場の空間や空気を作るための細かな演出も光る。
レオンが歩くたびに映り込む影や、空中に舞う埃、足音、床の軋みなどなど。プレイヤーの目に入る範囲で急にネズミが走り回ったりといったビックリ要素も適度にあり、段々と先に進むこと、そこを歩くことが怖くなってくるのが秀逸。
原作と違うところ、同じところ
本作は『バイオハザード4』のリメイク作であるため、大まかな内容は原作に沿ったものになっている。が、当然違うところも多々存在する。
例えばステージの形状。本作は原作をベースにしているものの、レベルデザインは原作と一部変わっている。最初にレオンがガナードに遭遇する猟師小屋も間取りが異なり、「ああ、こんな感じだった」と「いやこれは見たことない」というように、旧作をプレイしたときの懐かしさと、新作をプレイしたときのワクワクが同居したような感覚になる。
基本的には同じだし、記憶にもあるんだけど、どこか違う……この感覚は若干ながら疑心暗鬼を生じるため、少しでも記憶と違う部分を認識すると、それが何でもないことでも恐怖感を煽られるようになってくる。最序盤でこれなのだから、これから先はどうなるのだろうかと、製品版をプレイするのがいまから楽しみになった。
もちろん、いわゆるお約束であったり、『バイオハザード4』の象徴的なところに変更は入っていない様子。ガナードは相変わらずスペイン語を喋りながら、とんでもない勢いでレオンを追い立ててくるので、「やっぱこれよ!」とファンもニッコリできるはずだ。
現代シューターに適応したシステム
操作回りや基本的なシステムは、『バイオハザード RE:2』や『バイオハザード ヴィレッジ』など、近年に発売されたシリーズ作品に準じたものになっている。最近のシリーズ作品を遊んだことがあるなら、ほぼ違和感なくゲームに入り込めるだろう。
戦闘部分は、原作がベースながらも、細部でリファインや追加が入っている。大きいところでは“しゃがみ歩き”、“ステルスキル”、“パリィ”が追加として確認できた。
しゃがみ歩きは、文字通りしゃがんだ状態での移動方法。天井が低い場所を通り抜けられるほか、(筆者の感覚では)足音が小さくなるように感じた。もしかしたら、敵に接近する際にも気付かれにくいかもしれない。
ステルスキルは既存の作品にあるものと同じく敵を一撃で葬れる。今回はナイフを使って行っていたが、ナイフを持っていないときはどうなるかが気になるところ。
パリィは敵の攻撃時にタイミングよく表示ボタンを押すことで、それを防げるシステム。プロデューサーの平林氏曰く、ある程度の攻撃をパリィできるそうだがこちらはナイフがないと実行できない。さらにナイフには耐久値が設定してあり、ゼロになると壊れてしまうようだ(武器商人に修理してもらえるとのこと)。
一方で、原作と変わりないところも当然ある。ハンドガンの攻撃で敵の体勢を崩した際、キックなどの体術で追撃を行えたり、入手したアイテムはマス目で区切られたアタッシェケースで管理する、さらにハーブを調合して強力なものにしたりなど、もはやおなじみと言っていいシステムに思わずニンマリ。
とくに体術は、本作の進化したグラフィックゆえにカッコよさが倍増しており、しつこく狙ってしまった。
また、調合などのクラフトは弾丸でもできるようで(ガンパウダーの存在を確認)、どの武器の弾をクラフトで増やすかが攻略の鍵になってきそうだ。自分がよく使うからとハンドガンの弾ばかり作っていたら、肝心なときにショットガンやマグナムの弾が作れず火力不足に……といった事態も十分にあり得るだろう。
もちろんアタッシェケースのスペースとの兼ね合いもあるだろうし、かなり悩ませてくれそうだ。
体験プレイ終了! こんないいところで終わり……だと……!?
今回の体験バージョンは、レオンが村に到着して最初の広場でガナードからの襲撃を受けたところで終了。多数のガナードに囲まれたときの恐怖感と焦燥感は凄まじく、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図。しかも、やっぱり出てくるチェーンソー男のヤバさと強さはとんでもなく、終わったときには手汗がべっとりだった。
時間にして30分足らず、空腹時にほんの少しだけ何か口にしたような状況でなかなかに辛い。同行したファミ通.com編集者のででおも、「えっ、ここで終わり!?」と、続きの見たさを隠せずに放心状態だったようだ。
短時間でのプレイではあったものの、本作スタッフ陣によるこだわりや力の入れようは十分に感じられたし“単なるリメイクではない”ことの片鱗が垣間見えた。ソフトの発売はまだ少し先だが、今後少しずつ出るであろう情報とともに、今は静かに待ちたい。