PLAIONのPrime Matterレーベルから11月22日に発売予定のプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC用ソフト『Gungrave G.O.R.E』(ガングレイヴ ゴア)。

 2002年にレッド・エンタテインメントよりプレイステーション2向けにリリースされた『GUNGRAVE』(ガングレイヴ)を現代に蘇らせたタイトルとして期待値も高い同作だが、注目ポイントのひとつとして、複数の日本人クリエイターが参加していることが挙げられる。キャラクターデザインは『大神』、『ベヨネッタ』、『サイコブレイク』、『Ghostwire: Tokyo』(ゴーストワイヤー トーキョー)などで知られる中村育美氏が、サウンドトラックは『デビル メイ クライ』、『ファイナルファンタジーXV』などを手掛ける柴田徹也氏と『ブレス オブ ファイア』、『ファイナルファンタジーXV』などの青木佳乃氏が担当しているのだ。

 皆さんはどのような思いで『Gungrave G.O.R.E』の開発に関わったのか。ここでは、中村育美氏へのインタビューをお届けしよう。『Gungrave G.O.R.E』では中村氏は、初回購入特典の“浪人グレイヴ(Death Ronin Grave)”とスーペリオールボスのキャラクターデザインを担当したほか、VFXやSEED感染時のビジュアル処理のアドバイスなどをしている。

『Gungrave G.O.R.E』(PS5)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『Gungrave G.O.R.E』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『Gungrave G.O.R.E』(Xbox Series X)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『Gungrave G.O.R.E』(Steam)の購入はこちら

ゲーム画面の前にいるユーザー対して、ヴィジュアル合図を送ることができるデザインでアプローチすることが多い

『Gungrave G.O.R.E』開発に参加した中村育美氏に聞く。一作目をプレイしていたユーザーのひとりだったので、デザインの話は光栄だった

中村育美氏

クリエイティブ・ディレクター、コンセプトアーティスト、グラフィックデザイナーなどを務める。おもな作品は『大神』『ベヨネッタ』『サイコブレイク』『Ghostwire: Tokyo(ゴーストワイヤー トーキョー)』など。2022年3月にゲームスタジオUNSEENを設立。

――『Gungrave G.O.R.E』のキャラクターデザインのお話がきたときの率直なご感想を教えてください。

中村初代『ガングレイヴ』をプレイしていたユーザーのひとりでしたので、デザインの話をいただけて光栄でした。

――初代『ガングレイヴ』をプレイされたときの感想をお教えください。

中村内藤泰弘先生の『トライガン』ファンだったので、『ガングレイヴ』をプレイしました。メカデザインの原案は藤島康介さんでしたし、大好きな作家さんがかかわっているゲーム作品として興味深かったですね。

 『トライガン』で描かれているようなガンアクションを期待していたのですが、悲しいかなその時代のシステムを使って制作されたゲームでしたので、爽快感などの体感の気持ちよさは物足りなかったのを覚えています。「ポテンシャルが高いのにもったいないYO!」と、「私の『ガングレイヴ』はこんなんちゃう!」と、まだ学生ながらに心の中で叫んでいた記憶があります(笑)。

 『ガングレイヴ』がリメイクされるというニュースを聞いたとき学生時代のトラウマ(?)を思い出しましたが、現代の技術で作られ、また遊べることは楽しみでした。

――『Gungrave G.O.R.E』というタイトルに対して、どのような印象をお持ちですか?

中村初代『ガングレイヴ』のファンも新規ユーザーにもアプローチできる作品だと感じます。前作で描かれていない人間関係のナラティブ描写のフォローアップや、世界のユーザーにも理解できるようなストーリーテリングになっているという印象を受けました。

――ビヨンド・ザ・グレイヴや九頭文治といったキャラクターのデザインに対して、中村さんがどのような印象をお持ちなのかとても気になるのですが……。

中村黒髪ロングのいかつい眼鏡の男性と、場末のくたびれた無精ひげのおじさん、このふたりの男性は私の大好物な要素が詰め込まれております。グレイヴと文治はお互いに深い過去の経験がありますし、内藤先生の作品群で見られるような魅力的なキャラクターづくりがされていますよね。グレイヴはネクロライズという設定もゲームの主人公として興味深い部分ですし、現代版のフランケンシュタインといったところもおもしろいですよね。

『Gungrave G.O.R.E』開発に参加した中村育美氏に聞く。一作目をプレイしていたユーザーのひとりだったので、デザインの話は光栄だった
『Gungrave G.O.R.E』開発に参加した中村育美氏に聞く。一作目をプレイしていたユーザーのひとりだったので、デザインの話は光栄だった

――今回、初回購入特典の“浪人グレイヴ(Death Ronin Grave)”のキャラクターデザインを担当したとのことですが、どのような点を心がけてデザインしたのですか?

中村グレイヴの恋人マリアに墓標があるという設定をまず考えました。グレイヴがその墓を守るための墓守で、マリアの墓を暴こうとしている悪いやつらをあの世に送る浪人というテーマでデザインしました。ゾンビボーイで有名なリック・ジェネストさんやメキシコの死者の祭りのインパイアから死の化粧を施して、死の世界に携わるものといったテーマです。またウェスタンスタイルをベースにした大きなケープをまとわせ、ガンアクションで映えるようにし、デザインしました。

『Gungrave G.O.R.E』開発に参加した中村育美氏に聞く。一作目をプレイしていたユーザーのひとりだったので、デザインの話は光栄だった

――すべての“スーペリオールボス”のキャラクターデザインを担当したとのことですが、どのような点を心がけてデザインしましたか?

中村アーティストさんを尊重したいので、私自身がすべてのスペリオールのデザインは行っておりません。元々IGGYMOBさんのアーティストさんがデザインした変身前のキャラクターデザインがありました。「SEEDに侵され、変異した姿であるというポイントの共通性を持たせたデザインにするとよい」とチームに提案させていただきました。チームをリスペクトしながらコラボできてよかったですね。

――ちなみに、キャラクターデザインはすんなりといきました? それとも難航しました?

中村一部難航しましたが、IGGYMOBさんは私を信頼してくださったので、アイデアが生みやすく比較的スムーズに進みました。

『Gungrave G.O.R.E』開発に参加した中村育美氏に聞く。一作目をプレイしていたユーザーのひとりだったので、デザインの話は光栄だった
中村氏がデザインを担当した“イェンセン・スペリオール”。

――VFXやSEED感染時のビジュアル処理のアドバイスもしたそうですね。

中村世界観のナラティブを深める上で、SEED感染のヴィジュアライズをすることは重要なポイントでした。SEEDの成分にリアリティーのある設定が欲しかったんです。舞台は周りが海の島だったので、夜光虫、Noctiluca scintillansの成分からSEEDを生成し、使いすぎると体の見た目に⻘い光の影響が出ますし、プレイヤーが敵を認識しやすくするゲーム要素にもなります。

 またエンバイロメンでは⻘い光が壁や床にこびりついていれば、感染者が近くにいるかもしれない合図を送ることもできます。私がデザインするとき、ゲーム画面の前にいるユーザー対して、ヴィジュアル合図を送ることができるデザインでアプローチすることが多いです。

――最後に、『Gungrave G.O.R.E』がいよいよ11月22日に発売されますが、ゲームファンに向けてメッセージをお願いします!

中村ベビーなガンアクションを楽しんでください!

『Gungrave G.O.R.E』開発に参加した中村育美氏に聞く。一作目をプレイしていたユーザーのひとりだったので、デザインの話は光栄だった
【PLAION通】欧州屈指のパブリッシャーの期待作をもれなく網羅