2022月9月15日~18日に開催中の東京ゲームショウ2022。同イベントに先駆けて行われた“RGG SUMMIT 2022 / 龍が如くスタジオ新作発表会”では、『龍が如く 維新! 極』、『龍が如く7 外伝 名を消した男』、『龍が如く8』の3作品が発表された。

 本記事では、龍が如くスタジオ代表の横山昌義氏と、『龍が如く』シリーズチーフプロデューサーの阪本寛之氏に『龍が如く7 外伝 名を消した男』、『龍が如く8』についてお聞きしたインタビューをお届け。前編として、『龍が如く 維新! 極』のインタビューも掲載しているので、そちらもチェックしてほしい。

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横山昌義 氏(よこやま まさよし)

龍が如くスタジオ代表/制作総指揮

阪本寛之 氏(さかもと ひろゆき)

『龍が如く』シリーズチーフプロデューサー

7外伝&シリーズ最新作の断片が語られる!

――『龍が如く7外伝 名を消した男』は“外伝”ということでボリュームは抑えめと発表されましたが、パッケージ版は発売されますか? ストーリーのボリュームはどれくらいになるのでしょうか。

横山発売地域にもよりますが、日本はパッケージ版も出す予定です。そこまで大きいスケールのゲームではないですし、まだストーリーの長さも調整中ではありますが、純粋なナンバリングタイトルの半分くらいと思っていただけると。『LOST JUDGMENT(ロストジャッジメント):裁かれざる記憶』の、ダウンロードコンテンツ“海藤正治の事件簿”よりは長いとは思います。

 プレイ時間は想定で10時間~20時間くらいになると思います。『龍が如く』シリーズでなければ、十分なボリュームとも言えるのですが(笑)。ただ、“海藤正治の事件簿”と大きく違うのは、街がしっかりと登場し、サブストーリーやミニゲームに新しいものを用意しようとしています。

――おお! それは楽しみです。

横山ただ、全体のプレイ時間については、先に言ったくらいの規模感だと思っていてください。

――ストーリーは外伝から、『龍が如く8』に地続きに続いていくんでしょうか?

横山厳密に言うと、“完全なる地続き”にはストーリーの関係上なりません。『龍が如く7外伝 名を消した男』でいちばんメインになるのは、なぜ『龍が如く6』のラストから、どういう経緯で春日一番に出会ったのか、そして春日と別れたあと、桐生がどうなったのかというところです。

――発表会ではダウンロードコンテンツ程度なのかなと感じていましたが、しっかり遊べるものになっているようですね。

横山『龍が如く』ナンバリングタイトルに比べるとボリュームが落ちますが、それなりのメインストーリーがあって、そこそこのサイドストーリーと、そしてミニゲームが楽しめるものだと思ってください。

外伝
龍01

――わかりました。これまで桐生の人気が高かったですし、『龍が如く7』で一気に春日も並ぶほどの人気となりました。そして『龍が如く8』で、肩を並べるW主人公になったことも驚きました。

横山春日は本当に人気になりましたね。人気の順位が入れ替わったのでは、というくらいに。ですので、いままた桐生をまたフィーチャーすることに、じつはビクビクしていました。「春日一番がいればもう十分だ!」という声も挙がるのではと。もちろんそういった声も、少しだけ聞こえているのは事実ですが。

 ただ、全体的には「桐生がまた帰ってきたぞ!」と大きく喜ぶというよりは「やはり再登場するんだな」とじっくりうなずくような、当たり前のようなことに受け入れてくれているように感じています。いろいろ言われることも当然だろうと想定して発表したのですが、思いのほか暖かく受け止めてくださってて、うれしかったです。

――『龍が如く 維新! 極』があり、アクションの『龍が如く7外伝 名を消した男』があり、RPGの『龍が如く8』がありと、3作品を一斉に発表されましたが、情報の混乱もなかったように思います。

横山そうですね。そもそも「RPGの路線を続けてほしくない」というコダワリの強い方もいらっしゃることはわかっていますが、全体的には受け入れてもらえていると思います。

――『龍が如く8』はとくに、W主人公で進むRPGというのが想像がつきやすいような、しにくいような。

横山ひとつだけ言えるのは、『龍が如く8』は「春日一番がメインです」ということです。春日から始まって、春日で終わる物語です。エピソードとしては春日の事件で、そこに桐生が参加するという感じで、メインはあくまで春日一番なわけです。2021年の10月にも「春日一番を主人公に続編を作っています」と言いましたが、そこから何も変わっていません。当時、桐生の存在を言わなかったのは、混乱しそうだったから、という理由だけです。その後に桐生を足したわけではなく、最初から決まっていました。

――わかりました。あと、個人的には桐生の髪型にはビックリしました。これまでのイメージとは大きく違って。

阪本桐生の髪型は、オシャレでやっているわけではありません。ちゃんと理由があります。ただ、髪型をどう変更するのかはすごく研究を重ねました。髪が長いときは横山さんみたいな感じになっていましたね(笑)。

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――ありがとうございました。最後にファンの方々へメッセージをお願いします。

阪本『龍が如く』シリーズ3作品を3本発表しましたが、まずは2023年2月22日発売の『龍が如く 維新! 極』をぜひ楽しみにお待ちください。初めての人も、原作を遊んだ人も楽しめる作品を目指しています。

横山オリジナル版の『龍が如く 維新!』から9年も経ち、世の中も大きく変わりました。日本でしか発売されていなかったものが、世界で求められる。逆にいまは若い子でも、いわゆる洋ゲーをバリバリやっていると思います。ところが、エンタメ世界で生きている我々のような人間は案外保守的で、そういう変化に気づかないことがある。そうすると、毎年同じことのくり返しをしてしまう。

 9年ぶりに生まれ変わらせようとしたとき、そういったことにすごく気づかされました。当時のプロモーション映像を見返すと、とても古いやりかたでした。つまり、この機会がなければ古いと気づかなかったわけです。時代に合わせ、世界の壁を突破するためにも、“RGG SUMMIT 2022”を開催しましたが、発表した3作品を楽しみにしていてもらいつつ、今後の龍が如くスタジオの在り方にも、ぜひ注目していただきたいです。

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