ゲームエンジン大手のUnityの取締役会が、モバイル系広告プラットフォームのAppLovinから提案されていた経営統合案を拒否する方針であることを発表した。またUnity株主に対し、当初より進めていたAppLovinの競合ironSourceとの経営統合に賛成するよう勧告している。

 これは、先週AppLovinが公表した経営統合案に対して発表されたもの。AppLovin側が同社株式により200億ドル相当をUnityに対して支払うという計画だったが、成立にはironSourceとの合併破棄が条件として入っており、Unity取締役会はAppLovinよりもironSourceとの計画を選んだ形となる。

 公式プレスリリースでは、Unityのゲームエンジンや広告プラットフォームのUnityAdsなどにironSourceの持つサービスを統合することで、調整後EBITDAで2024年末までに10億ドル、3年目までに年間で3億ドルのEBITDAを生むと見込んでいることが語られている。(※EBITDAとはグローバル企業の評価に使われる指標。一般的には営業利益と減価償却費を合わせた額にあたる)

 またUnityはironSourceとの合併完了時に、24ヶ月間で最大25億ドルの自社株買い戻しプログラムを実施予定であるほか、Unity株主のSilver LakeとSequoiaが総額10億ドルの転換社債を購入する予定であるという。