モバイル系の広告&マーケティングプラットフォームを提供するAppLovinが、ゲームエンジン大手のUnityに対する統合案を公表した。

 提案はUnity株を58.85ドルで評価し、AppLovinの1152のクラスA株と0.314のクラスC株による200億ドル(約2兆7000億円)相当の株式で支払うというもの。これは2022年7月12日時点(日付は米国基準)のUnityの株価に対して48%の上乗せ、8月8日時点の株価に対して18%の上乗せにあたる。

 また計画では、UnityのCEOであるJohn Riccitiello氏が統合後の会社のCEOとなり、AppLovin側のCEOであるAdam Foroughi氏がCOOに就任、そして取締役会の過半数はUnity側が任命するという内容の提案になっている。

モバイルアプリ向け広告業界の再編

 Unityは、モバイルだけでなく家庭用ゲーム機やPCでも幅広く使われているゲームエンジン。Unityはモバイル向けの広告プラットフォームのUnity Adsなども持っているなか、AppLovinの提案は経営統合によりモバイル分野でのシナジーを目指すものとなる。

 これに関連して、Unityは先月7月にAppLovinの競合であるironSourceの合併合意を公表しており、AppLovinの提案ではこの合併解消が提案成立の条件のひとつとなっているのも注目すべき部分だろう。AppleやGoogleが広告プラットフォームによるユーザー追跡(トラッキング)規制を強化する中での、モバイル向け広告プラットフォームの業界再編という文脈で見るのがいいかもしれない。