2022年8月6日、7日、日本最大規模のインディーゲームの祭典BitSummit X-Roads(ビットサミット クロスロード)が京都市勧業館 みやこめっせにて開催。記者の足は、ふらりと(まさに文字通りに)ひとつのブースに吸い寄せられた。ハピネットによる“Happinet Indie Collection”ブースだ。

 ご存じの通りハピネットと言えば、国内大手流通にして、近年ではパブリッシングも手掛ける企業。“Happinet Indie Collection”は、そんなハピネットが、昨年(2021年)に立ち上げたインディーゲーム向けのレーベルだ。今回BitSummit X-Roadsに初出展を果たしているのだ。「なぜハピネットがインディーゲームレーベルを立ち上げるのだろう……」というシンプルな疑問を胸に、直接スタッフの方に問いかけたところ、ハピネット ゲームカンパニー ゲームパブリッシング部 運用・宣伝チーム 齋藤勝氏にお話をうかがうことができた。

ハピネットはなぜインディーゲームレーベルを立ち上げたのか?「良質なタイトルが増えてきて、世界中のユーザーに届けられれば」との思いから【ビットサミット クロスロード】

レーベルを立ち上げた以上は、日本のユーザーにいい加減なものは出したくない

――ずばり、なぜハピネットはインディーゲームレーベルを立ち上げたのですか?

齋藤インディーゲームはひところに比べるとクオリティーも高くなって、とてもおもしろいものも本当に増えています。世界中でメガヒットするようなタイトルも、インディーゲームから出てきています。そういったマーケットの現状も踏まえて、我々としても日本国内の皆様、日本のゲームを世界に発信ということもあるのですが、良質なゲームを世界中の皆さんに届けられるようなことができたらということが、“Happinet Indie Collection”を展開している理由です。

――いまラインアップはどんな感じなのですか?

齋藤Switch/PS4『Fury Unleashed(フューリー アンリーシュド)』を2021年10月28日に発売し、Switch/PS4『ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐 スペシャルエディション』を8月25日に発売予定です。本作は、フランスのDotEmuさんがダウンロード版を手掛けていて、当社は国内パッケージ版を担当いたします。さらに、今夏には『AWAY(アウェイ)』を予定しておりまして、先日『Apopia(アポーピア):スイート・ナイトメア』というタイトルを発表させていただきました。これで4タイトル目になりますね。

――“Happinet Indie Collection”に対する手応えはいかがですか?

齋藤立ち上げて1年目ということもあり、すごい手応えがあるというまでにはいたっていないのですが、認知度は少しずつ上がってきているのかなと感じております。

――タイトルセレクションの基準は?

齋藤そこで言うと、「RPGじゃないとだめ」「アクションじゃなければ嫌だ」といった制限はもちろんなくて、いまは日本国内の皆さんに展開するのがメインとなっておりますので、“おもしろいゲーム”というのが大事ですね。

 あと、これも私たちがとても注力しているところなのですが、海外のインディーゲームは、ときにローカライズのテキストのクオリティーがよくなかったりするケースが見受けられるんですね。そのへんのローカライズクオリティーは、しっかりと私たちのほうで見て、直すべき部分はしっかりと直していただけるゲームではないと、リリースはしないです。

 バグなどについても「日本のユーザー様には許容ができないから、必ず直してください」とか、テキストに関しても「日本のユーザー様にはわかりづらいので、直してください」と、適宜お願いしています。“Happinet Indie Collection”をいうレーベルを立ち上げた以上は、日本のユーザー様にいい加減なものは出したくないという信念があります。そういったところも付き合ってくださるメーカーさんじゃないと……というのは、判断材料のひとつになっています。

――現状ラインアップは海外タイトルのみですが、日本のタイトルは?

齋藤やらないことはないです。現状では予定はありませんが……。

――今回BitSummitに初参加されましたね。

齋藤“Happinet Indie Collection”というレーベルを昨年2021年に立ち上げたので、今回リアルで開催されるということもあり、レーベルの認知拡大も含めて出展させていただきました。

――まだ、始まったばかりですが、BitSummitに参加されてみていかがですか?

齋藤視察では何回が訪れているのですが、久しぶりの有人ということもあり、とても活気がありますね。出展タイトルも、数年前に比べて確実にクオリティーが上がっているという実感があります。

――最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

齋藤今後も国内外問わず、おもしろいインディーゲームを皆様にお届けできるようにがんばります!

ハピネットはなぜインディーゲームレーベルを立ち上げたのか?「良質なタイトルが増えてきて、世界中のユーザーに届けられれば」との思いから【ビットサミット クロスロード】

齋藤勝氏

ハピネット ゲームカンパニー ゲームパブリッシング部 運用・宣伝チーム

“Happinet Indie Collection”今後発売の3タイトル

 最後に、今後発売予定の“Happinet Indie Collection”のタイトル3本を紹介。こうしてラインアップを見てみると、レーベルの方向性が見えてくる?

ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐 スペシャルエディション

  • 発売日:2022年8月25日(木)
  • 対応機種:Nintendo Switch/プレイステーション4
  • ジャンル:アクション

 1987年のTVアニメシリーズをベースにしたベルトスクロールアクション。タートルズのCV(音声:US版)は当時のオリジナルキャストで収録しているとのこと。懐かしいアクションでありながらも画期的なゲームプレイを特徴とし、お気に入りのタートルズとともに繊細なピクセルアートで描かれる世界で大暴れする。

『ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐 スペシャルエディション』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐 スペシャルエディション』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp)

AWAY(アウェイ)

  • 発売日:2022年夏発売予定
  • 対応機種:プレイステーション4/プレイステーション5(ダウンロード専用)
  • ジャンル:アクションアドベンチャー

 小さなフクロモモンガとなり、さらわれた家族を救うために広大な自然界を冒険するアクションアドベンチャーゲーム。時には空腹をしのぐために食料を探したり、肉食動物の脅威を乗り越えるために上空を滑空したり、自然災害の中を捕食者から身を隠しながら旅をしていく。さまざまな困難を乗り越え、広大で美しい自然界の中を探索できる。

Apopia(アポーピア):スイート・ナイトメア

  • 発売日:2023年夏発売予定
  • 価格:未定
  • 対応機種:Steam
  • ジャンル:アドベンチャー

 ふたつの世界を行き来しながら、主人公の少女マイが家に帰れるように手助けをするアドベンチャー。ファンタジーな世界では、個性豊かな動物たちとユーモアたっぷりな会話やアクション要素を含んだ謎解きが楽しめる。ダークな世界では、心の内面を探り、よりシリアスな謎を解明していく。