元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長であり、編集部時代から現在に至るまでゲームプレイ日記やエッセイを執筆している大塚角満によるプレイ日記。Nintendo Switch、PC用ソフト『モンスターハンターライズ:サンブレイク』のプレイ日記。その第20回をお届けします。
ぼっち狩猟を卒業した日
かつては協力プレイが狩猟活動のメインだった俺であるが、年齢を重ねたこと、独立して立場が変わったことなどの要素が重なって、近年の『モンハン』はほぼ100%がソロ狩猟か、同僚のたっちーとのふたりプレイ“だけ”になった。
考えてみたら古巣時代は、会社に行けば同じチームにいくらでも狩り仲間(中目黒目黒や女尻笠井、江野本ぎずもなど)がいたので、仕事の手が空いた連中から、
「先に狩ってますね! 入って来てください!」
なんて声掛けしてから集会所に入り、合流した同僚といくつかのクエストを回したら仕事に戻る……なんていう夢のようなサイクルができていたからなー。俺がヘッドをしていたファミ通のニュースチームがそのまま集会所みたいなものだったので、協力プレイをする仲間に事欠くことはなかったのであるw
まあでも、ひとりで工夫を凝らしながら狩りをするソロ狩猟は大好きだし、おもしろさのバランス的にはふたりくらいがちょうどいいとも思っているので、いまの状況にも十分満足していた。前回の記事にある通り、たっちーはたっちーで存分にネタを提供してくれているしなw
……なんて言いつつも、初期の『逆鱗日和』を読んでいると、いいトシこいた会社員がワイワイギャアギャアと学生のようにハシャギながら狩っているシーンばかりが出てくるので、ちょっとノスタルジックな気分にもなる。
少人数のプレイもおもしろいんだけど、たまには、こう……! ふだんの憂さをふっ飛ばすように、気の置けない仲間と自由奔放でドタバタの狩りをしてみたい……! そんなことも思ったりするのである。おっさんも50歳にもなると、意外なほどセンチメンタルになるのだよ。
そんな、ある日のこと。
正確には7月6日なのでけっこう前なんだけど、この日はたっちーが仕事で忙殺されていたため、
「では、今日も粛々とソロ狩猟をしてきますかね……!」
なんてブツブツと念仏を唱えながらひとりで狩りに行こうとしたのだ。
そしたら……!
あ……!! フィオレーネがいっしょに行ってくれるって……!!!
そう、じつはこの日に、俺の“盟勇クエスト”が解禁に!!w
“NPCが狩り仲間となってクエストに付き合ってくれる”
という、まったく新規の狩猟シーンが展開することになったのだ。
でも、当初俺は、盟勇クエストに同行してくれるNPCを、ちょっとナメていたと思う。……いや、“思う”じゃないな。完全に見下していたし、それどころか、
「同行するのはいいけど……俺の立ち回りの、邪魔になるなよな!!」
そんなことまで考えていた。いま思えば、じつに浅はかでありました。
でも、最初の盟勇クエストは大社跡のビシュテンゴ亜種討伐だったと思うけど、フィオレーネとふたりでキャンプに降り立ち、互いのオトモガルクに乗って駆けだした姿を見た瞬間に、
「おお……??」
腕にゾワゾワと鳥肌が立ち、
俺の視界で、果敢に片手剣を振り回しながらビシュテンゴ亜種を翻弄するフィオレーネを確認したときに、
「うおおおおお……!!!」
腹の底から、熱い感情がこみ上げてくるのを確かに感じた。下痢かしら。
……そう、俺は感動していたのだ。
いまフィオレーネは俺の目の前で、血の通ったプレイヤーキャラと同様に剣を振るい、翔蟲を使いこなし、俺のピンチには生命の粉塵を使って回復までしてくれている。
さらに……!
「いいことを思いついた! しばし待っててくれ!」
とかなんとか言って戦線から離れ、
「ちょ!!w どこ行くんだよ!!ww」
思わず、たっちーに向けて発するのと同じような苦言を口にしそうになったところ……!
フィオレーネ、プケプケに乗って颯爽と登場!!!w なんと別エリアでプケプケをつかまえて、操竜でこの場所まで連れてきてくれたのだ!!ww
もうこのころには、NPCと狩りをしているなんて感覚、完全に消失していて、
「粉塵、サンキュー!!」
「罠作った!! こっち来て!!」
なんて、リアル狩友と狩っているかのような声掛けをしながら立ち回っていたわ^^; これほど見事に制作陣の術中にハマれる俺は、じつに幸せだと思いますw
俺はこのクエストをもってすっかり盟勇クエストのトリコとなり、
つぎはリオレイアの討伐クエストを受注!! 今回も相方はフィオレーネだ!!
「よろしくね! フィオレーネ!! レイアは得意だから、俺に任せてくれや!!!www」
リアルな狩り会で、女性ハンターにかっこいい姿を見せようとするおっさんそのままに、いつも以上に元気にキャンプを飛び出す俺。そして、
現れたリオレイアに襲い掛かり……!! 瞬時に……!!!
!!?!?!! フィ、フィオレーネの目の前でちんだぁぁぁあああ!!!
これはまさに、
「あ、テオねwww 超余裕www テオでオチたこと、一生で1回もないっすwww どぅふwww」
なんて吹き散らしながら女性ハンターさんと狩りに行き、粉塵爆発をすべて喰らって20秒でオチて、
「あ、あひwwwww は、初めてテオでオチたっす^^;;; ま、まいったなぁ^^;;;」(俺)
「………………………………」(女性ハンター)
↑こんな空気になるのとまったく同じ!!!www フィオレーネさん、ごめんなさいぃぃいいいい!!!><
こんだけ感情移入して遊べると、ソロで狩っているという気がまったくしませんw 皆さんも、ぜひご参考に。
続く。
大塚角満(おおつか かどまん)
元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。2017年に独立。編集部時代から現在に至るまでゲームエッセイを精力的に執筆し、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』、『折れてたまるか!』など、多数の著作がある。