昨今は映画『シン・ウルトラマン』が大ヒットしているが、筆者は昭和の『ウルトラマン』世代。世代と言っても再放送で育ったのだが、初代『ウルトラマン』から『ウルトラマン80』まで何度も観た記憶がある。なお、『ウルトラマン』の前身的作品である『ウルトラQ』も観たかったのだが、こちらは白黒テレビの時代の作品なせいか再放送を観る機会に恵まれなかった。
当時の筆者は“ウルトラ怪獣消しゴム”や『ワールドスタンプブック』のカードなどを集めていたし、コロタン文庫を擦り切れるほど読んでいた思い出がある(ちなみに当時のコロタン文庫は『ウルトラマンレオ』どまりで『ウルトラマン80』に関する情報は書かれていなかった)。
そんな昭和の『ウルトラマン』好きな筆者が、2022年6月23日にカルチュア・コンビニエンス・クラブから発売された『ウルトラ怪獣 大咆哮かるた』を手に入れたので、さっそく愛でてみることにする。遊ぶだけでなく愛でる!
本記事はユニバーサルミュージックの提供でお送りします。
『ウルトラ怪獣 大咆哮かるた』の遊びかた
『ウルトラ怪獣 大咆哮かるた』は、その名の通り特撮ドラマ『ウルトラマン』シリーズを題材にしたかるただ。『ウルトラマン』は現在も続いているコンテンツだが、本商品では初代『ウルトラマン』から『ウルトラマン80』までに登場する怪獣や超獣、宇宙人などの咆哮が収録されている。
これだけで昭和の『ウルトラマン』好きにはたまらない魅力があるが、プレイヤーのレベルに合わせて3つのルールが用意されている。
遊びかた1:咆哮だけで判別する“スーパー・エキスパートルール”
全46種類の怪獣や宇宙人などの咆哮を聴き、該当する札を取るルール。具体的には、CDプレイヤー(CDドライブをつけたPCなどでも可)でCDをシャッフル再生し、咆哮が聞けた時点で一時停止する流れ。いくら怪獣の知識があっても、番組を最後に観たのが数十年前……という人には難しいかも?
遊びかた2:咆哮に加えて俳優・石坂浩二さんの語りで札を取る“エキスパートルール”
こちらのルールは、咆哮+CDに収録された“読み札語り”で札を判別し、取り合うルールだ。咆哮の時点でわかれば先に札を取ってもいいし、わからなくても読み札語りの1文字目を聴けば該当の札を判断可能。読み札語りは『ウルトラQ』、『ウルトラマン』のナレーションを担当した石坂浩二さんの声で収録されており、かなり本格的だ。
サンプル音声
「ウルトラ怪獣 大咆哮かるた」 収録CDサンプル・トラック 【宇宙恐竜 ゼットン】
遊びかた3:『ウルトラマン』の知識がなくても楽しめる“ノーマルルール”
咆哮は流さず、読み札語りのみで遊ぶルール。こちらは読み札語りだけが収録されたノーマルルール用CDを使用するか、読み手が実際に読み札を読み上げてプレイする。CDをシャッフル再生する機材がなくても遊べるため、屋外で遊びたいときにも適している。
ファンなら間違いなくワクワクするパッケージの中身
ざっくりと遊びかたを説明したところで、パッケージを開封してみることにする。
パッケージの中身
- 読み札(46枚)
- 取り札(46枚)
- CD(スーパー・エキスパートルール/エキスパートルール用)
- CD(ノーマルルール用)
- A3ポスター
“かるた”以外の楽しみかたも満載
さっそくエキスパートルールで遊んでみたのだが、基本的な遊びかたは『モンスターハンター 大咆哮かるた』と同じため割愛する。気になる方はこちらのリポート記事を参照してほしい。
まず、46枚の取り札はどんな怪獣、超獣、宇宙人が選ばれているのかをチェックする。7作品・数百体の怪獣たちから46体に絞ったわけだから、制作陣はきっと悩みまくったに違いない。
商品に同梱されているA3ポスターには、すべての読み札と取り札がプリントされている。ざっと見た感じ、有名どころの怪獣たちを中心に選ばれている印象だ。個人的に好きなベムスターが選ばれているのがうれしい。
ふと、各作品の配分が気になってきたので、読み札を取り出して並べてみた。
作品ごとの内訳
- 『ウルトラマン』・・・10枚
- 『ウルトラセブン』・・・7枚
- 『帰ってきたウルトラマン』・・・10枚
- 『ウルトラマンA』・・・5枚
- 『ウルトラマンタロウ』・・・6枚
- 『ウルトラマンレオ』・・・4枚
- 『ウルトラマン80』・・・4枚
初代『ウルトラマン』が多めなのはわかるけど、『ウルトラセブン』が7枚止まりなのは意外……と思ったが、『大咆哮かるた』の特徴を考えると納得がいった。『ウルトラセブン』に登場するのは宇宙人系が多く、咆哮するイメージがないからだ(むしろ日本語をしゃべる奴が多い)。
そして、個人的に大好きな『帰ってきたウルトラマン』が10枚も入っているのがうれしい。“プリズ魔”なんて、比較的マニアックな怪獣を入れている点もニクい。
また、“宇宙恐竜”ことゼットンとゼットン二代目が両方入っており、かるたを遊ぶ際に間違えてお手つきになりがちな罠があることに気付いた。『ウルトラマン』マニアを自称するなら、この程度のトラップには引っかからないようにしたいところ。
『ウルトラマンレオ』は終盤の円盤生物がメインだけど、欲を言えばふつうの怪獣も入れてほしかったかな。ガロン&リットルとか。とは言え、全46枚という制限があるのであれもこれもというわけにいかないのも現実だ。本商品がヒットした暁には、ぜひ第2弾を出してほしい。
せっかくなので“役”を考えてみた。
通常のかるたのルールでは、取った札が多い人が勝ちになるが、せっかくなので『ウルトラマン』要素を活かした遊びをしたい。筆者が考えたのは、特定の組み合わせの取り札に“役”を作り、内容に応じたポイント(※)が得られるというもの。たとえば……。
※取り札1枚=1点で計算。
カプセル怪獣セット(5点)
ミクラス、アギラ、ウインダムは、ウルトラセブンの頼れる(?)味方である“カプセル怪獣”。モロボシ・ダンが何らかの理由でウルトラセブンに変身できないとき、「ウインダム、頼んだぞ!」とカプセルを投げて敵の怪獣と戦わせていたシーンが思い浮かぶ(だいたい返り討ちに遭っていたような気もするが)。
恐怖の円盤生物トリオ(5点)
『ウルトラマンレオ』終盤のホラーな展開で当時小学生の筆者を震え上がらせた円盤生物から、ノーバ、星人ブニョ、ブラックエンドを揃えたら5点としよう。今回の『大咆哮かるた』には含まれてはいないが、MACを全滅させたシルバーブルーメの回はショックだった。星人ブニョの回も筆者としては衝撃的。気になる方は配信やBlu-rayなどでぜひ確かめてほしい。
『ウルトラマンレオ』をAmazon prime videoで視聴する(レンタル)始まりの第1話セット(10点)
タッコング、ベロクロン、アストロモンス、クレッセントはそれぞれ『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』、『ウルトラマンタロウ』、『ウルトラマン80』の第1話に出てきた怪獣(または超獣)。4枚揃えるのはたいへんなので10点進呈。
涙の最終回セット(20点)
第1話セットがあるなら最終回に出てきた怪獣(超獣、円盤生物)も! というわけで調べたところ5枚も出てきた。ゼットン、パンドン、ゼットン二代目、ジャンボキング、ブラックエンドで『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』、『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』、『ウルトラマンレオ』の最終回をコンプリート! 相手にもマークされることを考えると、5枚も揃えるのは奇跡に近いかも。
ほかにも自由に組み合わせを考えてみよう
いろいろと勝手にルールを作ってしまったが、いかがだろうか? もちろん特別なルールを設けないでふつうに“かるた”として楽しむのもアリだが、『ウルトラマン』が好きな者どうしならこういった遊びもアリだと思う。
筆者が例に挙げたほかにも、“同じ話に出てきたペア”とか、“ヤプール&超獣セット”など、役のアイデアは無限に湧いてくる。ぜひ、皆さんならではの独自ルールを編み出してほしい。