アニプレックスより2022年6月30日に配信予定のスマートフォン向けゲーム『インフィニティソウルズ』。クライム&レスキューRPGと銘打たれた本作は、アニメ制作会社Seven Arcsが原作を手掛け、シリーズ構成・メインシナリオを都築真紀氏、アートディレクターを川上修一氏が務めるなど、『魔法少女リリカルなのは』シリーズなどでお馴染みのスタッフ陣が名を連ねる注目作だ。
本記事では、同作の先行プレイレビューをお届け。プレイによって判明した、ゲームの各要素や魅力を紹介する。
近未来の日本で、電脳犯罪に立ち向かう少女たちのドラマ
舞台となるのは、ネットワーク技術が発展した2048年の日本。この時代では五感で体感できる仮想空間“バーチャルリアリティネットワーク(VRN)”が普及しているのだが、一方で、それを利用したサイバー犯罪も増加。さらに、VRN内で人々を襲い、精神を乗っ取るといった事件を起こす人工知能“亡霊(ホロウ)”も現れ、世間ではその存在が都市伝説のように噂されていたりと問題も山積みだ。
主人公であるプレイヤーは、そんな未来の日本でサイバー犯罪、ホロウから人々を守る通信情報防衛機構“C.I.G(シグ)”対策支部のリーダーとして、メンバーたちとともにさまざまな事件の解決にあたる。
ストーリーの中では、C.I.Gメンバーの日常を垣間見ることができ、少女たちの等身大のやり取りや意外な関係性、絆を深めていく姿は見ていて微笑ましい。一方で、事件発生時には少女たちが仮想世界でホロウに立ち向かう戦闘が展開。ホロウは少女を襲う傾向があるようで、C.I.Gに所属することになるキャラクターの多くも、ホロウ関連の事件に巻き込まれた過去を持っており、事件を追う最中では痛ましい場面に遭遇することも。そんなときでも逞しく戦うC.I.Gメンバーの姿は、日常部分とは打って変わって非常にドラマチックだ。
また、“交流”が実装されているキャラクターに関しては、プレゼントを渡すことなどで絆を深められ、絆レベルが上がると絆エピソードが解放される。絆エピソードでは、キャラクターのパーソナルな部分が垣間見え、新たな一面に引き付けられることも。メインストーリーと合わせて確認することで、本作をより楽しめるはずだ。
手軽さと戦略性を両立させた仮想世界でのバトル
本作にはメインストーリーに加え、“捜査出動”や“探索”、“バウンティハント”といったクエストが用意されており、仮想世界の中でさまざまな敵と戦うことになる。
戦闘は、ヘックス(マス)で区切られたマップ上を移動しながら、点在する敵シンボルとエンカウントし、これを撃破していく“MAPバトル”と、エンカウントした状態でスタートし、敵を全滅させるとつぎのウェーブに移行する“ウェーブバトル”が存在する。
MAPバトルでは、敵シンボル以外にも、要救助者がいるマス、条件を満たすことで通れるようになるマスなどがステージごとに点在しているので、味方部隊をどのマスに移動させるかといった戦略性も求められる。クエストによってはマップに複数の部隊を出動させられるようになるが、そのぶん敵の数も増えたりと難度も上がるので、各部隊の移動先や役割分担はしっかりと考えて臨む必要がある。
本作にはユニットごとに立ち位置(前衛、中衛、後衛)とロールが決められており、編成しているキャラクターがどの位置にいるかで敵のターゲット優先度が変化。また、ロールには高火力を誇る“アタッカー”や、回復を得意とする“ヒーラー”、高い耐久力で敵の攻撃を引き受ける“ガード”などがあり、これらを把握したうえで部隊を編成できるかによって、攻略のしやすさも大きく変わってくる。一度は勝てなかった敵も、編成次第で倒せることも。何度も編成を練り直して強敵を撃破できた際の快感は格別だ。
なお、便利な機能として倍速機能やオート機能も備わっており、比較的簡単なマップでは、これらを駆使してサクッと終わらせることも可能。難度が高いマップではじっくりと戦略を練る楽しみを味わえる一方、やさしめのマップでは最低限の操作でクリアーでき、テンポよくプレイできるのはとてもうれしい。
MAPバトル、ウェーブバトルのどちらにおいても、戦闘はターン制になっており、敵または味方が全滅すると戦闘終了。基本はオートで進行していき、行動が速いユニットから攻撃、スキルを発動していくため、細かい操作は不要となっている。ただし、一部のスキルはプレイヤーの任意のタイミングで発動させることができる。それが本作の必殺技にあたるドライブバーストだ。
ドライブバーストは、各味方ユニットが行動したり、ダメージを受けたりした際に溜まる DP(ドライブパワー)を消費して発動するスキルで、発動に時間を要するぶん、強力なものとなっている。そのため、強敵との戦闘などでは、ドライブバースト発動のタイミングはとても重要だ。
プレイヤーを飽きさせない豊富な育成要素
各クエストをクリアーしていくためには、育成もしっかりしていく必要がある。ユニットに関しては、EXPをためることで上げられる“ユニットLv”以外にも、“Grade”や“武装”、“アクセサリ”といった要素が存在。さまざまな方法でユニットを強化できるようになっており、強化によって必要なアイテムは異なるが、デイリーミッションをこなしていけば手に入れられるものも多いので、毎日コツコツと継続的に育成していくことが可能となっている。
武装に関しては、ユニットが持つ武器を強化できるだけでなく、別の武器を製造して持たせることも可能。発動するスキルは持っている武器によって異なるため、部隊の編成や敵によって持たせる武器を変えることで、戦略の幅をより広げられるようになっている。
また、各ユニットには星1~5のClassが存在し、救助(ガチャ)では星4までのユニットが仲間になるのだが、育成をしていけば、星1のユニットでも星5まで上げられるのもうれしいポイント。入手時はClassによって強さも変わってくるが、最終的にどのユニットも同程度にまで強化できる。お気に入りのキャラクターをガンガン育てていこう。
先述したように、戦略性がありつつも、倍速機能やオート機能で手軽に進行できる戦闘システムが非常にテンポよく、スマートフォンで遊ぶのにピッタリな作品となっている『インフィニティソウルズ』。豊富な育成要素が用意されているため、毎日プレイすることで着実にキャラクターを強くしていける点も好印象だ。
そして何より、『魔法少女リリカルなのは』シリーズでお馴染みのスタッフ陣によって手掛けられているということもあり、少女たちの日常と戦いを描いたストーリーが魅力的。絆ストーリーでキャラクターたちと触れ合うことで、より感情移入できるはずだ。現在、事前登録受付中なので、気になる人は、まずは本レビューとともにPVなどをチェックしてみてほしい。