Blizzard Entertainmentが、2022年10月5日にサービス開始予定の新作アクションシューティング『オーバーウォッチ2』について、その方針等を明かす発表配信を行った。
それに先駆けて行われたプレス向けの合同インタビューにも参加してきたので、そちらで明かされたディテールもまとめてお伝えしよう。
9週ごとのシーズン制を導入。新ヒーローは1シーズンおきに登場予定
Nintendo Switch/プレイステーション5/プレイステーション4/Xbox Series X|S/Xbox One/PCを対象にしたF2P(基本プレイ無料)タイトルとなる本作。今回の発表でも、より本格的に運営型のタイトルとなる部分に焦点が集まった。
10月5日(日本時間)のローンチでは初代『オーバーウォッチ』(以下、OW1)からの移行が行われ、約9週ごとのシーズン制のアップデートが導入されることとなる。なお新ヒーローの実装は基本的に1シーズンおきを予定しているとか。新ヒーローと新マップはそれぞれ年間で3~4つの開発の見込みとなっている。
- 10月5日 シーズン1
- 『オーバーウォッチ2』のローンチ(OW1からの移行)
- これより以前にOW1でのデータのアカウント統合が行われる予定。各プラットフォームで獲得済みのスキンなどをまとめて『オーバーウォッチ2』に持ち込める。
- 3人の新ヒーロー。ソジョーン・ジャンカークイーン・今後発表の新サポートヒーロー
- 新ゲームモード プッシュ
- 6マップ(リオ、プッシュモード用のポルトガルマップほか)
- バトルパス登場
- 詳細は今後情報がまとまった段階で発表。ただし無料版とプレミアム版がある画面が流れた
- 30以上の新スキン
- バトルパス以外にショップでの個別購入も可能。一方、ルートボックス(いわゆるガチャ方式)は導入しない
- レジェンダリースキンの上位の“ミシックスキン”も登場する
- ライバルプレイ 2.0
- 成長を助けるために試合中のスコアボードや終了後のアクションリポートなどで現況の確認をしやすくなる。またスキルレーティングをすべて細かい数値でやるのではなく、スキルTier(段階)を導入する
- そのほか、改修された既存ヒーローやOW1マップやOW1のモードなどもプレイ可能
- 『オーバーウォッチ2』のローンチ(OW1からの移行)
- 12月7日 シーズン2
- 新タンクヒーロー
- 新マップ
- 新バトルパス、新ミシックスキン、30以上のスキン等
- 2023年
- 新ヒーロー、マップ、モードなどを順次投入(※毎シーズン新ヒーローや新マップがあるわけではない)
- 新ヒーローにはすでにストーリーコンテンツを通じてチラッと出ているものもいるらしい
- PvE(協力プレイモード)投入
- ヒーローたちの背景を明かすストーリーテリングの新たな手法として可能性を感じているようで、マップでのストーリーテリング例としてスウェーデンのイエーテボリにあるトールビョーンの工房が示された。
- PvEを含めて『オーバーウォッチ2』全体で2万5000以上のセリフが書かれた
- 新ヒーロー、マップ、モードなどを順次投入(※毎シーズン新ヒーローや新マップがあるわけではない)
開発チームが3倍に。ツールの改良や組織改編も経て定期的なコンテンツ提供を目指す
シーズンごとのバトルパスがメイン収入源となる『オーバーウォッチ2』では、運営のスタイル的にもビジネス的にも従来より定期的なコンテンツ提供が求められることとなる。
その点について開発チームでどう対応しているのか聞いたところ、なんと開発チームが以前の3倍ほどの規模になっているだけでなく、開発ツールやゲームエンジンの改善、組織自体の改編なども行っていて、開発中の試行錯誤のサイクルを素早く行えるようになっているとか。
担当ヴァイスプレジデントのジョン・スペクター氏いわく「チームではローンチ後に投入予定の複数のヒーローについて既にプロトタイピングを行い、テストを行っています。マップも複数やっていますし、ゲームモードも同じように社内テストをやっています」とのこと。PvP(通常の対戦モード)と並行して開発中のPvEモードの開発についてもこの新体制での開発の手応えを感じているそう。
スキン内部にカスタマイズオプションを持つ“ミシックスキン”
レジェンダリースキンの上位のスキンとして登場する“ミシックスキン”については、ゲンジのもののコンセプトアートが公開された。
ミシックスキンは独自のアニメーションやエフェクトなどを持つほか、異なる武器をもたせたり配色を変えたりできるなど、スキン内に独自のカスタマイズオプションを持つという。ゲンジのものはマスクが開いて中の光るスカルが見えたりするらしい。
オーバーウォッチ 2公開イベント SAVE THE DATE|シーズン・コンテンツ
新ヒーロー“ジャンカー・クイーン”
6月29日から開始される新βテストで登場するシーズン1の新ヒーロー“ジャンカー・クイーン”についても情報が公開された。
オーストラリアをルーツに持つ彼女は、ロードホッグやジャンクラットのいたジャンカータウンの長で、彼らをタウンから叩き出した張本人。イメージ的には映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のフュリオサの影響を受けているそう。
一方、これまで公開された画像で「なんかデカそうだな」と思っていたが、7フィート(約213センチ)級のパワフルすぎるお方であるらしく、そりゃあ怒らせたら勝てませんわ……。
ナイフやアックスで回復阻害デバフを与えつつ暴れまくれ
能力的な設計としては、当初から『オーバーウォッチ2』の5対5のシステム、つまりタンク1名のみの構成であることを念頭に設計されたのがポイント。ラインハルトなどのディフェンス系タンクと比較すると“アグレッシブなタンク”に属し、スキルで相手を削りつつ回復することで戦いを継続していくという、なかなかタフそうな性質となっている。
彼女の特徴的な武器は“グレイシー”と名付けられたナイフと巨大なアックスで、これらの刃物で傷をつけて回復を阻害するのがスキル面の特徴ともなっている。
- ジャグド・ブレード 素早く近接攻撃を出すとパンチではなくナイフを突き立てる。当たると少し追加ダメージがあり、相手に傷を作る
- ナイフを投げる技もあり、引き寄せて回収する際に誰かに刺さっている場合はその対象ごと引き寄せる
- コマンディングシャウト 彼女の周りのヒーローにスピードとアーマーのブースト効果を与える
- ランページ(アルティメット) 磁気を帯びたガントレットでアックスをぶん回しつつ突進する。巻き込まれた相手は傷を負う。彼女は回復する一方、傷を受けた相手は回復にデバフがつく
ちなみに傾向としてはシールド系能力がないため開けたスペースを苦手とし、狭い通路などから周囲にブーストを掛けながら急襲するのが得意とのこと。
ジャンカー・クイーン オリジン・ストーリー|オーバーウォッチ2
その他の気になったトピックス
- ソジョーンについて
- 調整後に勝率などが落ちているデータから下方修正しすぎた可能性を感じており、さらにデータを得て見ていく。ソジョーン自体や5v5戦そのものへの慣れが解消していく可能性もある
- アサルトモードについて
- アサルトモード自体にはいくつかの解決できていないゲームプレイ上の問題があるため、クイックプレイとライバルプレイでは入れない
- 一方でハナムラなど美しいマップも多いので、マップの一部を使ったり雰囲気を利用して新たに作り直せないかという考えがある
- キューの待ち時間について
- クイックプレイではロールキューとオープンキューがあり、とりあえずDPSのヒーローを使いたいだけだったら、ロールキューの待ち時間が長そうならオープンキューに入ってプレイするといったこともできる
- F2P化によるプレイヤーの流入と、タンクの枠が1つ減ることと、異なるタイプの試合にキューで入れるようにすることにより懸念がある程度解消できる可能性もありうる
- 課題として認識しており、できるだけ速くできるようにすることは重要度も高い。今後も注視する
- バトルロイヤルモードはありえるか?
- 楽しいと思うが、OW2のゲームモードの文脈には合わないと思う。あるとすれば多分、OW2の完全に独立した機能とか、完全に独立した別のゲームという形だろう