『スチールライジング』が、日本国内でも2022年9月8日に発売されることが明らかにされた。3gooからはプレイステーション5版がリリースされ、パッケージ版も同時に展開される。価格は7920円[税込]。Xbox Series X|S版とPC版は海外版のパブリッシャーでもあるNaconから発売されるようだ。
まずは、国内発売日正式決定発表のタイミングに合わせて公開された、ゲームプレイトレーラーからどうぞ。
『グリードフォール』を手掛けたことなどで知られるSpiders開発による『スチールライジング』は、1789年に起きたフランス革命をモチーフにしたアクションRPG。フランス革命というと、当時の絶対王政を倒し、旧体制のしきたりを廃止した市民革命としてつとにおなじみだが、この『スチールライジング』では、“もしもルイ16世が機械人形の軍団で革命を弾圧したら?”という設定のもと、“もうひとつのフランス革命”が描かれることになる。いわゆる歴史改変SFに属するタイトルだと思われるが、なんともワクワクするような設定ではありませんか!
本作を象徴する存在が、主人公のアイギス(主人公だから象徴するのは当たり前かもしれないが、その存在感が一層際立つ)。彼女は、天才技師・ヴォーカンソンが作り出した、もっとも美しい自動人形(オートマトン)。もともと宮廷の娯楽人形として働いていたアイギスだったが、狂気にとらわれたルイ16世によって刃物や大砲を取り付けられ、全身を凶器へと変えられてしまう。その後、王妃マリー・アントワネットの護衛として、王が安全のために避難させたサン・クルーの城に同行する。
一方で、革命のため立ち上がった民衆は“時計仕掛けの王”が作り出した地獄のような機械によって血祭りにあげられ、パリは恐怖に凍りつき、テュイルリー宮殿には反乱分子の首が並ぶことに。日ごとに悪化するパリの惨状を案じた王妃は、アイギスに、パリに住む人形技師ヴォーカンソンを訪ねるよう命じる……というのが、本作の導入部だ。
「最初は王や王妃の命令に従順だったアイギスだが、革命を巡る旅を通して多くの選択を迫られ、徐々に自我が芽生え、やがて歴史の大きな流れへとその身を投じる」(資料より)とあるから、本作は機械人形であるアイギスが、自己を確立していく旅でもあるのだろう。
ショートプレイレビュー:オートマタ、アイギスの攻撃が爽快
今回、そんな『スチールライジング』を少しだけ試遊できる機会があった。本作が、“もしもルイ16世が機械人形の軍団で革命を弾圧したら?”というコンセプトのもとに開発されたゲームであることは前述の通りだが、各ステージも実在の街をモチーフにしている。今回プレイできたのは、“シテ島”。ノートルダム大聖堂がある、パリ観光では欠かせないポイントのひとつであるようだ。当然ゲーム中では観光気分など味わう余地もないが……。
ちなみに、本作では10近くの実在の街を冒険していくことになる。最初にプレイすることになるのが“サン・クルー”で、3つめのステージにあたるのが“シテ島”だ。プレイ時間はふつうに遊んでいれば15時間程度になるとのこと。
さて、戦闘と探索をくり返して、美しく緻密に作り込まれた18世紀パリの街を縦横無尽に冒険していくことになる本作。いわゆるソウルライクアクションとなっており、キモとなる戦闘では、9種類の武器からふたつを選んで戦うことになる。武器は全部で40種類くらいあるとのことなので、相当楽しみ甲斐がありそう。
記者は3gooの広報さんがお気に入りだというファルシオンとサーベルの二刀流武器を勧められるままに選択。氷結効果のある銃で敵を凍らせて、剣のブレードダンスで切り刻むといった連携攻撃も仕掛けられるようで、攻撃は爽快そのもので、とにかく気持ちいい。
本作では、攻撃や回避などで “スタミナ”を消費するというスタイル。タイミングを見極めての攻撃が重要にあるわけだが、使用後にタイミングよく押すことで一気にスタミナを回復することも可能。ただし、回復しすぎると凍結して大きな隙ができてしまうので多用は厳禁のよう。攻撃にあたっては、このシステムがカギとなるような印象だ。
アイギスは、経験を重ねることでレベルアップが可能。レベルアップは複数に分けられた能力を強化していくことになり、力に全振りしてもよし、スタミナを重視して手数を多くするもよしとなっている。 また、アイギスには背中に4つの“モジュールスロット”があり、それぞれ異なる能力を付与できる。自分の好みによって、アイギスのプレイスタイルを好きに変えられるのはうれしいところだ。
装備も、18世紀当時のフランスで実際に着られていた衣装がそのまま再現されていて、とてもおしゃれ。着せ替えしているだけでも楽しくなってしまう。ゲーム中には装備の詳細も記載されている。時代背景なども知ることができるので、歴史の勉強にもなって、思わず得した気分に……。
“シテ島”のステージでは最後に、ボスである“シテの司教”とのバトルに。斬新なデザインの敵ばかりの『スチールライジング』だが、ボスともなると、さらに輪をかけて奇抜でインパクトが強い。“シテの司教”は、体力の減り具合によって3段階に変化。形態が変わるごとに異なる攻撃方法で襲いかかってくるので、撃退にはかなり骨が折れることに……。
ちなみに、今回のデモプレイは“アシストモード”ありで遊ばせてもらった。“アシストモード”ありだと、ダメージは半減して、スタミナの回復のスピードも相当早くなるという。いずれにせよ『スチールライジング』は、相当歯応えのあるソウルライクアクションRPGであるようだ。フランス革命を舞台に、独特な世界観が印象的で、爽快な攻撃がとにかく楽しい『スチールライジング』は、ゲームファン注目の一作と言えそうだ。
最後に、今回の試遊に合わせて公開された『スチールライジング』のアートワークをお届けしよう。コンセプトだったり、ボスキャラなどが確認できる。これらのビジュアルを見ながら、ゲームへの思いを馳せてみてほしい。