Blizzard Entertainmentによる新作アクションシューティングゲーム『オーバーウォッチ2』。ヒーローと呼ばれる、多彩なアビリティを駆使するキャラクターを操り戦うFPSだ。
2016年に発売された『オーバーウォッチ』の続編となる本作は、新ヒーローと新マップの登場はもちろん、4人協力のPvEモードの新規実装や6対6から5対5に変更するなど、ゲームシステム面でも大きな変化があり話題を呼んでいる。
この度、メディア向けに行われたクローズドベータテストをプレイする機会を得られたため、本作の進化を全2回の記事にわたってレポートしていきたいと思う。
第1回は新ヒーローの“ソジョーン”と既存ヒーローの調整について解説していく。なお、2022年4月27日から実施される一般向けのクローズドベータテストは、本テストを一般向けに拡大したもので、新ヒーローや新マップ、既存ヒーローの調整など内容は同じとのこと。
※5対5への変更、新モード&マップについての第2回記事はこちら
Amazon.co.jpでBlizzardタイトルを調べる高速なスライディングを駆使して戦場を駆け巡る、新ヒーロー“ソジョーン”がレールガンで大暴れ
『オーバーウォッチ2』で新たに登場する新ヒーロー“ソジョーン”。ロールは“ダメージ”となっており、今までのヒーローにはなかった高威力の新武器“レールガン”と、さまざまな場面で応用が効く“パワー・スライド(高速スライディング)”を駆使して戦っていく攻撃的なヒーローだ。
ここからはソジョーンの武器とアビリティについて、プレイ動画とあわせて詳しく解説していく。
ソジョーン
ソジョーンのプレイ動画
※クローズドベータの内容、仕様はすべて開発中のものになります。
まず最初はメイン武器である“レールガン”。命中するとエネルギーが充電される高速弾(通常射撃)と、溜まったエネルギーを使用して放出される高威力弾の2種類があり、この高威力弾と呼ばれるものが、ゲームやアニメでよく耳にする電磁砲のイメージに近いだろう。フルチャージされた電磁砲の威力は、ダメージやサポートなど低いライフのヒーローであれば、ほぼ一撃で倒せる強力なものとなる。
おつぎのアビリティは“ディスラプター・ショット”で、着弾した一定の範囲に継続ダメージを与える攻撃アビリティだ。牽制や残りライフが少ない敵への削りにも使えるほか、新たに登場したモード“プッシュ”や“エスコート”など敵が固まって動かなければいけない場面などで有効だ。
そして“パワー・スライド”は、高速なスライディングとスライディング中にジャンプすると通常よりも高く跳ぶことができる移動系のアビリティ。追撃や強襲、回避、高所の確保など活躍できる場面は多いが、いつでも使用可能なパッシブ能力ではなく、使用後はクールタイムが発生するため、ここぞという時に使う必要がある。ジャンプのイメージとしては、バティストのパッシブ能力“エグゾブーツ”に近い。
アルティメットの“オーバークロック”は、一定時間フルチャージされた電磁砲が撃てるようになるといった“レールガン”ならではの効果に。高い威力の電磁砲を立て続けに撃てるため、劣勢であっても戦況を一気にひっくり返せる可能性をもっている。
立ち回りとしては、後方からの通常射撃で敵の体力を削りつつ、電磁砲の一撃でトドメを刺すといった動きをベースに、アルティメットが溜まっていれば、火力に物を言わせて前方で電磁砲を連射し、タンクと一緒に前線を押し上げることも可能だ。
また、アナの“ナノ・ブースト”やマーシーのカデュケウス・スタッフといった、ダメージ増加効果を付与してあげると、フルチャージされた電磁砲の最大火力以上のダメージを出すことができるため、前線に対しての圧力がさらに増し非常に強力だ。ソジョーンがアルティメットを使用した際には、強力なコンボととして組み込んでいきたい。
操作した感覚はは、同じダメージロールのヒーローであるソルジャー76と似ており、どのヒーローとも相性がいいオールラウンダー。“パワー・スライド”の癖が多少あるものの、前衛と後衛のどちらの役割もこなせる、初心者でも比較的扱いやすいヒーローだと感じた。
ドゥームフィストのロール変更、ソンブラの“ハック”大幅強化、オリーサのアビリティを一新など既存ヒーローが大幅調整
新ヒーローの登場のほかにも、さまざまなヒーローに調整が入っている本作。ロールの変更やアビリティの強化など、細かな部分まで含むとかなりの数に手が加えられている。
その中でも、大幅な調整があったヒーローを中心に解説していき、ちょっとした変更点なども紹介していく。
ソンブラ/バスティオン/ドゥームフィスト/オリーサのプレイ動画
※クローズドベータの内容、仕様はすべて開発中のものになります。
ドゥームフィスト
まずは“タンク”へとロール変更されたドゥームフィスト。なんといっても前作を遊んだことのあるプレイヤーなら、一番驚いたはずだろう。
もともと、ダメージロールのヒーローの中でも高い機動力と耐久力を活かし、マップを縦横無尽に荒らしていたドゥームフィストだったが、性能をほぼそのままにライフが多い“タンク”へ。そのため、より対処に苦戦を強いられるヒーローとなったといえる。
敵を上空へ吹き飛ばす“ライジング・アッパーカット”は、防御系のアビリティ“パワー・ブロック”へ変更。正面の攻撃から身を守ることに加え、大ダメージをブロックすると次に発動するロケットパンチが強化されるためカウンター効果もあるため、無闇に攻撃するとドゥームフィストの思うツボになってしまうので注意したい。
ドゥームフィストとの相性としては、同じような機動力の高い性能を持つソンブラやトレーサーなどのヒーローがいると、敵の狙いが集中されず敵チームを掻き乱すことができる。また、ライフが多くなったため、そういった機動力のあるヒーローたちがより立ち回れるように、まさしく“タンク”として囮にもなれるのが本作のドゥームフィストだ。
オーバーウォッチ2でドゥームフィストのロールはタンクになります。 https://t.co/1CqVekFKzb
— オーバーウォッチ (@jpPlayOverwatch)
2022-03-19 07:44:25
ソンブラ
ソンブラは敵から姿が見えなくなる“ステルス”と敵のアビリティの使用を阻止する“ハック”を駆使して戦う、奇襲を得意とするヒーロー。これまではハックするとステルス状態が自動で解除されてしまうため、その後の攻撃が難しく“トランズロケーター”と呼ばれるテレポートで逃げざるを得ない場面がどうしても多かった。
しかし本作ではついにステルス中でも“ハック”が可能となり、ソンブラ使いにとって長年待ち望んだであろう調整が施された。それによって攻撃時にはステルスが解除されてしまうが、ハックだけであれば反撃される心配がなくなり、テレポートで即座に逃げる必要もなくなった点は非常に大きい。
ほかにもハックした敵への自身が与えるダメージの上昇やハックのクールタイムが短くなったりと、ソンブラの主軸である“ハック”を全般に見直され大幅な強化となった。
そしてステルス中の“ハック”によって強力なのが、チームの最後尾にいることが多いマーシーやモイラといったチームの回復役を担う“サポート”ロールのヒーローに対して不意打ちが容易となったことだ。普段“サポート”ロールのヒーローを使う筆者にとって、前作以上の脅威を感じずにはいられなかった。
与ダメージが上がったこともあり、リスポーン地点からひとりでチームと合流しようと動くとその間に狙われ一瞬で倒されてしまうため、敵にソンブラがいた場合はこれまで以上に味方との連携と情報を共有し、リスポーン地点から警戒しなければいけないだろう。
オーバーウォッチ2のソンブラの仕様アップデートを公開!
・ハックしたターゲットを壁越しに視認
・ハックしてもステルスが解除されない
・ハックのクールダウンが減少
・ハックされたターゲットに、より多くのダメージを与える
など!… https://t.co/PdTh2f4Hpw
— オーバーウォッチ (@jpPlayOverwatch)
2021-09-26 09:51:18
オリーサ
オリーサは“タンク”としてこれまで前方にシールドを張ったり、アルティメットで味方ヒーローの攻撃力を上げたりと防御兼サポートよりの性能だったが、本作ではアルティメットも含めてほとんどのアビリティが一新されるというリワークに近い調整となった。
武器も“フュージョン・ドライバー”から“フュージョン・ドライバー改”になり、弾丸が大きくなったりと新しいものに。そして、従来のアビリティである“プロアクティブ・バリア”と“ストップ!”は、“エネルギー・ジャベリン”と“ジャベリン・スピン”へ変更となり、オリーサが新たにスピア(槍)を使って戦うようになった。
そのひとつである“エネルギー・ジャベリン”は、槍を前方に投げ、最初に当たった敵に対してスタンとノックバックを発生させる攻撃アビリティだ。さらにノックバック時、壁に当たると追加ダメージも発生する。弾速が速く、一部ヒーローのアルティメットをキャンセルさせることが可能なスタン効果もあるため、敵の不意をつける便利なアビリティとなっている。
“ジャベリン・スピン”は槍を前方で回転させ、敵の弾を寄せ付けないシールドに近い役割を持つアビリティだ。また前進速度も上がり、敵を押しのけることもできるため、前線の押し上げにも役に立つだろう。
味方の攻撃力を増加させていたアルティメットの“スーパーチャージャー”は“テラ・ランス”へとまったく別の性能を持つものに変わり、掲げた槍を回し敵を引き寄せ、振り下ろした際にダメージを与える効果となった。特に引き寄せる能力は味方のアビリティと組み合わせることで、敵を一網打尽することも可能だ。
自身の敵から受けるダメージを減らす“フォーティファイ”を除き、アビリティが一新されたものの前作と同じように“タンク”として前線で味方を守ることには変わりはない。さらに言うならば、前作よりも近距離で戦わなければいけないのが本作のオリーサとなる。
実際のプレイでは、敵の狙っている交戦場所よりも前で戦うことができたり、ペイロードやエリアに触れなければいけない場面で触れられたりと“ジャベリン・スピン”の使い勝手の良い性能には対戦中何度も助けられた。
バスティオン
バスティオンは、セントリー・モードと偵察モードはそのままに“自己回復”が“タクティカル・グレネード”に変更された。そのため、前作の癖で“自己回復”を頼りに立ち回るといつのまにか倒されてしまうなんてことも……。
また、変更された“タクティカル・グレネード”は敵に命中するか地面に落ちると爆発し、壁に当たると跳ね返るのが特徴の攻撃アビリティとなる。
そして、本作からその場から動けなかったセントリー・モードが、時間制限をあるものの動けるようになり、偵察モードでは射撃の拡散がなくなった代わりに連射速度が低下し、遠距離での撃ち合いに強くなったのも大きな調整だろう。敵からの集中攻撃は受けなくなったが、気軽にモードを切り替えられないことには注意したい。
パッパピィー!
#オーバーウォッチ2 では、バスティオンがセントリーフォームで動けるようになります。
#OW2
https://t.co/0S3sOCMXWr
— オーバーウォッチ (@jpPlayOverwatch)
2021-09-26 10:26:47
アルティメットはタンクモードから大砲モードに変わり、マップのどこでも3箇所に砲撃が可能となった。砲撃の指定は上空からの視点となり、味方はもちろん敵の動きを把握できるのも大きなアドバンテージとなる。ただし、アルティメットを発動するとその場から動けないため、敵から狙われない安全な場所から発動する必要がある。
使用した感覚としては、やはりどの位置に対してもダメージを与えられるアルティメットの砲撃が非常に強かった。敵が固まっていれば集中砲火、散らばっていれば味方と合わせてサポートのヒーローを狙ったり、残りライフが少ないヒーローを追撃したりと、戦況によって応用がきくのがこの大砲モードならではの強味となっている。
また今回のベータテストでは試せなかったが、ザリアのアルティメット“グラビトン・サージ”やオリーサの“テラ・ランス”など、引き寄せた際に使用するのも、敵が避けられないためコンボとしておもしろいかもしれない。
オーバーウォッチ2のバスティオンの仕様アップデートを公開!
・セントリーフォームでの移動
・新しいアルティメット
・新しいサブ攻撃
・斬新なデザイン
・自己修復の撤廃
などなど盛りだくさん!
#OW2
#オーバーウォッチ2 https://t.co/Wb3qIkDLSw
— オーバーウォッチ (@jpPlayOverwatch)
2021-09-26 09:54:21
そのほか
ほかにもヒーローのアビリティや武器に関する変更も確認。キャスディは奇襲性を高めてくれていた敵をスタンさせる“フラッシュバン”が近く敵を追尾し、くっつくと追加ダメージを与えられる“マグネティック・グレネード”に変更され、より自身の攻撃性能を高めた調整となっていた。
そして、ウィンストンにはテスラ・キャノンに電気の弾を発射する遠距離攻撃が追加され、敵との距離が離れていても攻撃が可能に。メイの凍結ブラスターは性能をそのままに、敵への凍結効果が削除されている。またジャンクラットの“スティール・トラップ”に引っかかった際、わずかに動けるようにもなっていた。
“サポート”ヒーローを好んで使用している筆者としては、マーシーやゼニヤッタの回復に関するUIが変更され、誰に回復しているのかがよりわかりやすくなったのもうれしいポイントだ。まだまだ細かな調整がされているので、今作から気になってるユーザーはもちろん、前作からのプレイヤーも実際にベータテストに参加し、新しくなった『オーバーウォッチ2』をぜひ触れてみてほしい。
メイの「凍結ブラスター」やウィンストンの「テスラキャノン」に調整が加えられます。
#オーバーウォッチ2 でのメイの「凍結ブラスター」は敵の動きを遅くすると同時にダメージを与える点は変わりませんが、敵を凍結することはありません。 https://t.co/EPEK8dmUVO
— オーバーウォッチ (@jpPlayOverwatch)
2021-05-21 05:11:40