世界の大半が水没した中を帆船で航海していくアドベンチャーゲーム『ファー:チェンジング タイド』を紹介しよう。プレイステーション5/プレイステーション4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PCで配信中で、Xbox/PCのGame Passにも含まれている。

世界と障害がただそこにある、静かな冒険

 本作は、印象的な世界描写などが高い評価を受けた『ファー:ローン セイルズ』の後継作。前作では海が干上がった乾燥世界を帆のついた乗り物で走行していたが、今回は水没した世界を機帆船的な乗り物で進んでいくことになる。

 ゲームの基本は前作を踏襲しており、冒険は基本的にずっと右向きに進んでいくスタイル。操舵などで曲がる必要がないシンプルな操作体系だが、風の変化に合わせて帆の角度を調整したり、時には障害物を避けるためにマストを倒すといった状況に合わせた作業が必要だ。

 また冒険が進むに連れて蒸気機関やサルベージ用のリフト、そして潜水機能などが利用可能になり、それに応じて海からの燃料になりそうなモノの回収といった要素も増えていく。

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終末感が漂いまくりの状態からスタート。
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船を見つけたら、まずは帆を張って進んでいく。操舵はないが帆の角度調整によるスピード変化や障害物回避の要素は存在する。
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橋などの構造物がある所ではマストを下げたり。

 ちなみにテキストやセリフによる説明を排除した設計になっており、船の各機能を操作するスイッチやレバー類なども使ってみて覚えないといけないというレベル(ただし一部のものにはどんな動きをするものなのか背景にそれとなく図が描いてあったりもする)。

 その代わりに情景が雄弁に語る作り(環境ストーリーテリング)になっていて、廃墟から水没前の様子が伺えたり、ふと背景の雄大な大地に動物が生息しているのが見えたりして、なんとも言えない気持ちにさせられるという仕組みだ。

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テキストやセリフなどはなく、淡々と進んでいく中で時折印象的な光景が不意に訪れる。

 また操船以外の部分では、パズルアクションアドベンチャー的な要素が強いのも特徴。航海を進めていくとしばしば障害物などがあるので、船を降りて周囲にある干渉可能なスイッチやモノを駆使して謎を解いていく。

 というわけでPlaydeadによるパズルアクションアドベンチャーの名作『Inside』などが好きな人にもオススメしたいところ。ゲームのテンポ感はかなり違って本作の序盤などは特に景色を楽しむしかない場面があったりもするが、あの手の謎解きや背景から語られない部分を連想するのが好きならぜひチェックしてみて欲しいゲームだ。

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船の進行の邪魔になるものがある場所ではパズルアドベンチャーのように謎を解いて問題を解決する。
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しばらく進んでいくと蒸気機関も使用可能に。
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燃料を海から回収していくのも大事。