ニューヨーク・タイムズが、ジョシュ・ウォードル氏による単語当てゲーム『Wordle』を買収し、ゲーム部門のNew York Times Gamesに加えることを発表した。買収金額は数億円規模とされている。なおニューヨーク・タイムズへの移管時点ではゲームは引き続き無料で提供され、ゲーム内容の変更なども予定していないという。

 『Wordle』はWebゲームとして無料提供されている単語当てゲームで、英単語を入力して得たヒント(※)を頼りにその日のお題となっている5文字の単語を6回のチャンスの間に当てるというもの。(※その位置にその文字が入る場合は緑色、お題に含まれている文字だが位置が違う場合は黄土色、含まれていない文字は黒で示される)

 シンプルで幅広い人が遊べる内容や、カラフルな四角形の羅列のみで示される自分の結果のシェア機能(どの文字が当たっていたかしかわからず、ネタバレにはならない)、そして出されているお題が共通なためプレイしている人の間で「今日は難しかったね」とか「今日のアレ3回で解けた!」といったコミュニケーションが成立することなどから、海外のTwitter界隈を中心にジワジワと盛り上がりを拡大してきた。

 昨今では国内外でクローンゲームが多数登場したり、海外のゲームメーカーが『Wordle』の結果投稿風のネタ投稿をするといった事もあり、日本でもカラフルな四角形の羅列が投稿されているのを見かけた人も少なくないんじゃないだろうか。

 ウォードル氏は今回の件について、もともと氏のパートナーのために作った個人的プロジェクトだったものが想像以上の大成功を収めたことで困惑していたことを売却の理由としつつ、ニューヨーク・タイムズが昔からクロスワードやSpelling Beeなど『Wordle』に繋がる言語ゲームを提供してきたことを挙げ、同社への移管は自然な選択だったと述べている。

 正直、課金要素どころかサイトに広告すらない個人が完全に無料提供するコンテンツだったので、世界的ヒットとなってしまうと事業化するか売却という選択肢になってしまうのは致し方ないだろう。なお同氏は、移管後にプレイ記録を引き継げるようニューヨーク・タイムズ側と協力して作業していくそう。