最近なにかと話題の“マーベルヒーロー”。今回は、世界中にファンのいる彼らの活躍を気軽に体験できるアクションアドベンチャーゲーム『LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ ザ・ゲーム』のレビューをお届けします。
“マーベルヒーロー”とは、“マーベル・コミック(Marvel Comics)”から出版されたアメコミ(アメリカン・コミック)に登場するスーパーヒーローのことです。代表的なキャラクターは、スパイダーマンやアイアンマン、キャプテン・アメリカなど。近年では、このマーベル・コミックを原作とした映画シリーズ“マーベル・シネマティック・ユニバース (MCU)”が、世界中で絶大な人気を誇っています。
そんなマーベルヒーローたちが活躍する世界をLEGOブロックによって再現したゲームが、今回ご紹介する『LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ ザ・ゲーム』。2015年にプレイステーション4やWii Uをはじめとした複数のゲームハードで発売。2021年12月16日には、待望のNintendo Switch版が発売されました。
本作では、地球の平和のために多種多様なマーベルヒーローたちが力を合わせ、ヴィラン(ヒーロー作品における悪役)たちが巻き起こす騒動に立ち向かいます。
ちなみに続編の『レゴ マーベル スーパー・ヒーローズ2 ザ・ゲーム』もプレイステーション4、Nintendo Switch用ソフトとして発売中です。今回、レビューを書くためにプレイしたのは1作目のみですが、もし1作目を手に取って気に入ったなら、この2作目や、ほかの“LEGO ゲームシリーズ”にも夢中になれるのではないかと思います。
なお、『レゴ ゲーム』の新作としては、『レゴ スター・ウォーズ/スカイウォーカー・サーガ』が、Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One用向けに4月5日(火)に発売されることが明らかにされています。『スター・ウォーズ』9作品を追体験できるアクションアドベンチャーということで、『レゴ ゲーム』ファンには注目の1作です。
音声まですべて日本語に吹き替えられたフルローカライズ仕様で、没入感バッチリ。
Switch版はJoy-Conの“おすそわけ”プレイにも対応。ゲーム中いつでも、画面分割によるふたりプレイへの切り替えが可能となっています。
『LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ ザ・ゲーム』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)
『LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ ザ・ゲーム』ニンテンドーeショップサイト
個性が際立つ! 簡単操作のヒーローアクション
レゴのゲーム作品の多くに共通するのが、“簡単操作で痛快アクションが楽しめる”という点。攻撃ボタンを押せば、画面上の敵を自動的に狙って攻撃してくれるので、難しい操作は必要ありません。
本作で操作可能なヒーロー(のちに操作可能となるヴィランを含む)は、なんと総勢100名以上。それぞれが個性を活かしたアクションをくり出してくれるので、新たなヒーローが登場するたびに、ワクワクしながらゲームをプレイすることができるはずです。
スパイダーマン、アイアンマン、キャプテン・アメリカなど、マーベルヒーローがぞくぞく登場!
ドクター・オクトパスにグリーン・ゴブリン、ヴェノムなど、最近なにかと話題のヴィランたちもこの通り。
キャラクターだけでなく、画面上にあるものすべてがLEGOブロック風のグラフィックで表現されている本作では、攻撃を当てれば壊れてバラバラになるブロックも多く登場。これらを壊すとコインをジャラジャラとまき散らし、このコインを拾うときの効果音も気持ちのいいものになっています。
近距離攻撃・遠距離攻撃の両方が可能なヒーローなら、同じボタンを押しても対象との距離感によってくり出す技が変わったりするあたりも、芸細(芸が細かい)ポイントです。
キャプテン・アメリカは、華麗な体術で敵を倒すほか、遠くにいる敵には盾を放り投げて戦う。
すべてのヒーローで攻撃やジャンプなど、よく使うアクションは操作が共通しているので、基本操作に戸惑うことはあまりないはず。一方で、アイアンマンなら空を飛べる、スパイダーマンなら“ウェブスイング”で足場のない場所を移動できるなど、一部のヒーローにはそのヒーローにしかない特殊なアクションも用意されています。慣れてくればそれぞれのマーベルヒーローならではの、個性が際立つアクションを存分に楽しめるのです。
力を合わせて道を切り拓け! 謎解きギミック
攻撃アクションと同様に、本作のゲームシステム面での大きな特徴となっているのが、ヒーローたちの特性を活かした謎解きギミック。
ハルクはそのすさまじい怪力で、強引に突破口を開くことができる!
スパイダー・ウェブなどでものを引っ張って、新たな道を作ったり、スイッチを起動する場面も。
ブラック・ウィドウは透明になって、監視カメラやセンサーを回避することが可能。
ハルクのような大型のヒーローじゃなければ持ち上げられないものがあったり、ウルヴァリンなどの爪を使わないと押せないスイッチがあったり……。スパイダーマンは“スパイダーセンス”を使い、ほかのヒーローでは見つけられないヒントを得ることもできます。ミスター・ファンタスティックが変形能力を使い、さまざまなものに変化するときのビジュアルは、非常にユニークです。
操作ヒーローはボタンひとつでいつでも交代できるので、これを駆使して謎解きの種類にあわせてヒーローたちを使い分けていきます。ゲームをはじめたときはよく知らなかったヒーローも、攻略のために操作しているうちに愛着が沸いてくるはず。ゲームとしてやりがいがありつつ、ヒーローたちへの理解にもつながっている要素と言えるでしょう。
多くの場合、どのヒーローを使えばギミックが解けるかというヒントが出るので、全体的な謎解きの難度は低め。
壊したブロックを組み立て直すことで、先に進める場面も。組み立て中の「カチャカチャカチャ……」という効果音と、ヒーローのデフォルメされた動きがかわいらしい。
ステージクリアー制のストーリーと箱庭探索、ひと粒で二度おいしい
ゲームはステージ制となっており、ストーリーに沿ってプレイしているときは、登場するヒーローは固定。クリアーしたステージはのちに再プレイが可能となり、最初とは違うヒーローを出撃させることができるように。これによって1回目では手に入らなかった隠しアイテムを入手できるといったやり込み要素も存在します。
ステージの最後には、ボスとなるヴィランとの戦闘も。ここではアクションとギミックの両方を駆使して、特殊な能力を持ったヴィランに立ち向かうことになります。
ステージ攻略の合間には、箱庭で表現された街を自由に散策することも可能。“スターク・タワー”ほか、映画やコミックに登場した名所も散見され、ファンならばよりいっそう楽しめるはず。アイアンマンなどの飛行できるキャラクターで飛び回る爽快感は、格別です。
街には各種ミニゲームも点在しており、攻略のちょっとした息抜きに。
おもいおもいのヒーローで、アッセンブル!
以上のように、かわいらしくもカッコいい、マーベルヒーローたちの活躍が堪能できる『LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ ザ・ゲーム』。
アクションゲームが大好きでしかたがないような方には、誰もが気軽に楽しめるように設計されている本作は、少々物足りないかもしれません。
しかし、ゲームにあまり難しさを求めていない方なら、大人から子どもまで、ひとりでやり込むもよし、家族や友人とワイワイ盛り上がるもよし、さまざまなニーズに合った楽しみかたのできる一作に仕上がっています。
あなたもぜひ、お気に入りのヒーローを操作して、「アッセンブル!(※)」してみてください。
※アッセンブル……マーベルヒーロー(アベンジャーズ)たちが集結したときの決め台詞。