ヨットクラブゲームズが、パズルゲーム『ショベルナイト ポケットダンジョン』を2021年12月13日よりNintendo SwitchとPC(Steam)で発売する。
今回PCのレビュー版をプレイしたので、その内容をお伝えしよう。なおPC版は日本時間の同日午後5時より配信開始予定となっている。
人気インディーアクション『ショベルナイト』のナイトたちがパズルに参戦
本作はヨットクラブゲームズの人気インディーアクション『ショベルナイト』シリーズから生まれたスピンオフ作。ショベルナイトが迷い込んだ“ポケットダンジョン”なる世界を舞台に、普段とは違った冒険がくり広げられる。
ショベルナイト以外にも、シールドナイトやキングナイトといった他のナイトや、チェスターやパーシーといったシリーズ常連のNPCたちも登場。力を合わせて元の世界への脱出を試みる。
ダンジョン探索型RPGと落ち物パズルが融合
さてそのゲーム内容は、『不思議のダンジョン』シリーズなどに代表されるダンジョン探索型RPGと、同じ色や柄を揃えていく落ち物パズル系の要素を融合させたもの。
各ステージではパズルゲームのように時間経過に応じて上からモンスターやブロックが降ってくるので、プレイヤーはダンジョン探索型RPGの要領でナイトを操作して攻撃して倒していく(ちなみに自キャラは上下左右に移動可能)。充分な数の敵を倒すと出口の扉が降ってくるので、鍵を開けて扉を通ればステージクリアーだ。
そして攻撃時、同種のものが隣り合わせになっているとチェーン攻撃が発生して全体にダメージが通るという仕組みなのがミソ。あえて敵を溜めてまとめて攻撃すると効率的だが、盤面が埋まるとそれだけピンチに陥りやすくなる……という仕組みになっている。
時にはベストタイミングを狙う“待ち”も有効
そのほかのルールをまとめておくと以下のような感じ。早解きをしようと慌ててナイトを動かしがちなのだが、実はじっくり待ってでも最適手をちゃんと見極めるのが重要だったりする。
- 時間は止まっていると遅く動き、ナイトを動かすと即座に1ターン進む
- “モンスターを倒して空いたスペースに上のコマが落ちてくる前に割り込む”といった事が可能
- 攻撃時は反撃を受ける
- ボスなどの例外を除くと、基本的にモンスター側から勝手に攻撃を仕掛けてくることはない
- その攻撃で敵を倒した場合は反撃を受けない
- ポータルが出現すると、モンスターハウス的なチャレンジステージや、レリック(後述)を買えるパーシーの店などにランダムに行ける
- ポータルは不自然なブロックを破壊すると出現することが多い
- 鍵アイテムは門にもチェスト(アイテムが入っている宝箱)にも使える
- 多く持っているにこしたことはないので、クリアー前にフィールド上に取り残した鍵がある場合はできるだけ回収するとよし
- 回復は落ちてくるポーションで行う
- デフォルト設定ではポーションにもチェーンが発生し、隣り合っているポーションは一気に消える(一個ずつ消えるようにもできる)
- 残しておいたポーションが邪魔になることもあるので、回復の必要がなくてもモンスターのチェーンを成立させるためにあえて消すこともある
- まとめて消えるのがもったいない時は、ポーションが落下してチェーン状態になる前に取ってしまうというテクも有効
- 死亡時にゲームオーバーになるかは設定による
- 冒険が全部やり直しになる“1ストック”(ダンジョン探索RPG型)
- 一定時間後にその場で復活できて、盤面が埋まるとアウトの“無限”(パズルゲーム型)
- 復活可能回数をオプションで設定することもできる
持ち越し要素を利用しつつ運をうまく乗りこなすローグライト的な作り
キャンペーンモードは全10ステージで、見事ラスボスを倒すとクリアー。しかしゲームオーバーになるたびに完全に毎回イチからやり直さなければいけないわけではない。各ステージのモンスターの特性をより理解した上で挑めるし、持ち越し要素もあるので、プレイするごとに少しずつ有利になって次に進みやすくなるローグライト的な作りになっている。
ボスとして登場するナイトたちを味方につけろ!
ステージでは、ほかのナイトがボスキャラとして登場することがある。倒すと追加のプレイアブルキャラクターとして使えるようになるので、心して挑もう。
各ナイトは個性的な攻撃や特殊アクションを持っているので、自分のプレイスタイルにハマるナイトや、苦手とするモンスターへのカウンターになるナイトがきっといるはずだ。
貯まったジェムはチェスター(レリック)とパーシー(ショートカット)に使え!
モンスターをチェーンでたくさん倒したり、連続撃破でジェムメーターが上がっていくと、大量のジェムが貯まっていく。このジェムはやられてしまってもリセットされず、拠点でお金として消費することで次の冒険を少しずつ有利にできるようになっている。
- チェスターは拠点でさまざまな特殊効果を持つレリックを販売しており、購入すると以降アンロック(解禁)される。
- アンロックしたレリックは、バトル中にチェスターのポータルが出現した際に購入対象の選択肢として登場するようになる
- 拠点でアンロックしただけで効果を発揮するわけではないので注意
- アンロックしたレリックは、バトル中にチェスターのポータルが出現した際に購入対象の選択肢として登場するようになる
- パーシーは到達したことがあるステージまでのショートカットをアンロックしてくれる
- アンロック済みのステージには格安の500ジェムで届けてくれる
- ゲームオーバーになった際も、500ジェムで最も近いアンロック済みステージから直接リスタート可能
- 謎の商人からカラーチェンジのカスタマイズをランダム購入することもできる
- 冒険には影響しない
対戦モードやチャレンジモードなども
ゲームにはそのほか、ローカル2人対戦モードや、毎日提示されるお題に挑んでスコアを競うデイリーチャレンジモードなども搭載。ちなみにPC版ではSteam Play Together機能を通じてオンライン対戦もできる。
なお、基本ルールはもちろん、各ステージのモンスターの特性を知っているか知っていないかでかなり違ってくるゲームなので、対戦に誘う場合はある程度キャンペーンをプレイしてもらってから遊ぶのを強く推奨したい。
サクッと気軽に楽しめる、ポケットサイズのダンジョン探索/パズル体験
というわけで本作、先を読みながら最適な一手を実行していくダンジョン探索型RPGの楽しみと、盛大なコンボで一気に窮地を切り抜けるパズルゲームの楽しみ、そして何度もやられながらでも少しずつゴールに近付いていけるローグライト要素が融合した作品となっている。
強いて難がある部分を挙げるとすると、良く言えば気軽に楽しめる分、悪く言えばそれぞれのジャンルのハードコアなプレイヤーには恐らく物足りないかもしれないという所だろうか。
これはプレイを簡単にするオプションがかなり揃っていることからも察せられるのだが、多分『ショベルナイト』の幅広いファン層を考慮したがゆえだと思う。それ自体は悪いことではないし、サウンドとかグラフィックのノリもよくて軽快に遊べるので、「ディープなダンジョン探索型RPGまたはパズル要素を期待すると多分間違える」というあたりだけ把握しておくといいだろう。