日本最大級のLANパーティー“C4 LAN”実行委員会は、2022年12月に大型LANパーティーの開催を計画していると発表した。

 “LANパーティー”のLANとはLocal Area Networkの略。参加者がオフライン会場に集まってゲームを楽しむイベントを指す。好きなゲームを持ち込み、ときには数日間にわたって昼夜問わず遊び続けることで、妙なグルーヴが生まれる。

 大人数が長期滞在するイベントの性質上、実施の最終判断は新型コロナウイルスの流行状況により判断されるという。続報は2022年夏以降に発表される見込みだ。

日本最大のLANパーティー『C4 LAN』が2022年12月開催を発表。安全に開催するために地道な検証を続け、ひたすらゲームを遊ぶオフラインイベントがついに復活
日本最大のLANパーティー『C4 LAN』が2022年12月開催を発表。安全に開催するために地道な検証を続け、ひたすらゲームを遊ぶオフラインイベントがついに復活
2019年12月6日~8日に開催された“C4 LAN 2019 WINTER”の様子。

 合わせて、新企画『C4 LAN CROSS-PLAY』も発表された。特定のイベントというより、「タイミングを合わせてみんなでゲームを遊ぼう」という呼びかけに近く、

  • 登録されている会場に遊びに行く
  • 開催日に合わせて自宅で徹底的にゲームをプレイする
  • 自分で独自イベントを開催する

 といったことを総じて『C4 LAN CROSS-PLAY』と呼称。実施目的は「ともにゲームをプレイするきっかけを作ること」で、内容は開催ごとにアップデートされていくという。

日本最大のLANパーティー『C4 LAN』が2022年12月開催を発表。安全に開催するために地道な検証を続け、ひたすらゲームを遊ぶオフラインイベントがついに復活

 『C4 LAN CROSS-PLAY』ではC4 LAN公式の直営会場も稼働予定だ。第1回目となる“C4 LAN CROSS-PLAY #000”は2022年2月11日~2月13日にαバージョンとして開催。詳細は2021年12月17日に発表されるとのこと。

【2022年のC4 LANイベント開催予定】

  • 2022年2月11日~2月13日:C4 LAN CROSS-PLAY #000(Alpha test)
    • 直営会場: 日本カレット千葉倉庫(12月17日に詳細発表予定)
  • 2022年5月~6月頃:C4 LAN CROSS-PLAY #001
    • 直営会場: 後日発表
  • 2022年9月~10月頃:C4 LAN CROSS-PLAY #002
    • 直営会場: 後日発表
  • 2022年12月:C4 LAN 2022 WINTER
    • C4 LAN CROSS-PLAY同時開催予定
日本最大のLANパーティー『C4 LAN』が2022年12月開催を発表。安全に開催するために地道な検証を続け、ひたすらゲームを遊ぶオフラインイベントがついに復活

コロナ禍に立ち向かう大型オフラインイベント

 3日間ぶっ通しで開催されるC4 LANは、有料イベント(※)にも関わらず延べ2000人ほどが来場する人気イベント。僕は何度も記事を書いてきた。

※有料イベント:2020年1月開催時の価格を例に挙げると、通しの席料は1万5000円。席なしの入場チケットは2000~3000円。

 これまでは年に2回のペースで開催されてきたものの、2020年春以降は厳しい状況に直面。そう、コロナ禍である。2020年7月にGメッセ群馬で開催されるはずだったC4 LAN 2020 SUMMERは中止になってしまった。

 ゲーム大会や発表関連のイベントはオンラインに移行して急場をしのいできたが、C4 LANはそうもいかない。LANパーティーというイベントにゲーマーが集まるのではなく、“ゲーマーが集まること”こそがLANパーティーの本質だからだ。

 果たして、C4 LANは負けなかった。ただ新型コロナウィルスの脅威が過ぎ去るのを待っていたわけではない。どうすれば政府・自治体の要請を受け入れたうえで安全にオフラインイベントを開催できるのか、主催会社のニチカレは地道な検証をくり返してきた。

日本最大のLANパーティー『C4 LAN』が2022年12月開催を発表。安全に開催するために地道な検証を続け、ひたすらゲームを遊ぶオフラインイベントがついに復活
この奥に試行錯誤の答えがある。

 たとえば、感染者数が落ち着いている時期に自社倉庫で小規模イベントを開催したこともある。体調管理や検温、消毒、換気を徹底し、ゲームプレイ用の席を十分に離して仕切りも設置。もちろん参加者はマスク着用必須だ。

 ゲームイベント特有のアンダーグラウンド感(※)演出には工夫を凝らした。倉庫内に特注の大型テントを設営して日光を遮断。窓を開放しつつ、テント内にエアコンを設置することで空気を循環させていた。もちろんサーキュレーターもフル稼働である。

※アングラ感:モニターを見やすくするため、ゲームイベントは会場が暗め。そこから生じるアングラ感を好む人も多い。

日本最大のLANパーティー『C4 LAN』が2022年12月開催を発表。安全に開催するために地道な検証を続け、ひたすらゲームを遊ぶオフラインイベントがついに復活
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日本最大のLANパーティー『C4 LAN』が2022年12月開催を発表。安全に開催するために地道な検証を続け、ひたすらゲームを遊ぶオフラインイベントがついに復活
アルコール消毒の準備は万端。スタッフはもちろん、参加者も積極に消毒を行っていた。
参加者の健康管理を徹底し、イベント後に何かあった際にスムーズに連絡を取るために誓約書を準備。

 これらの取り組みが功を奏し、イベント中も終了後もトラブルの声は聞かれなかった。参加者の中に「ゲームイベントを復活させるためには、自分たちがしっかりする必要がある」という意識が浸透していたことも大きいと思う。

 小規模での成功例を実証できたとはいえ、大人数が集まるイベントの開催は難しい。というより、ほぼ不可能な状況は長く続いた。

 そこで発想の転換である。1ヵ所に集まらなければいいのだ。今度は同時期に全国各地で開催されるイベントと協力し、お互いがリンクしている空気を作り上げた。イベント名は“G333K-SATELITTE-”。ある意味で『C4 LAN CROSS-PLAY』の前身と言える。

 各地とつながっているとはいえ、特別な何かをするわけでない。大切なのはいっしょに遊んでいるという些細な事実。それだけでほんの少しだけうれしく、その感覚こそLANパーティーの核なのではないかと、僕は思う。

 1000席をひとまずの目標として成長を続けるC4 LAN。コロナ禍という大風に吹かれて一度は鎮静化したものの、“全力で遊んでやろう”という灯が消えることはなかった。さあ、ゲームを始めよう。これからが本番だ。