2021年10月28日(木)に、ハピネットからNintendo Switchならびにプレイステーション4向け(ダウンロード専用)に発売されたアクションゲーム『フューリー アンリーシュド』。
画面を見てもらえばわかる通り、名作『メタルスラッグ』シリーズなどを彷彿とさせる2Dアクションゲームだ。ガンガン進んでガンガン撃ちまくってガンガン武器やアイテムを獲得していく。これは気持ちいい!
※この記事は『フューリー アンリーシュド』の提供でお送りします。
「Fury Unleashed(フューリー アンリーシュド)」発売告知トレーラー
ところで、公式サイトによるとジャンルは“ローグライトアクション”。へぇー、ローグライトアクションかー……。
という人もいるだろう。ローグライトは“ローグライク”から派生したジャンルなのだが、馴染みのない人もいると思う。まずはそこから整理していく。
『フューリー アンリーシュド』(Switch)の購入はこちら 『フューリー アンリーシュド』(PS4)の購入はこちら『フューリー アンリーシュド』で学ぶローグライトの基礎
1980年頃に公開された『ローグ』。最初期のコンピューターRPGのひとつで、だいたい以下のような特徴がある。
- 形状や敵&アイテム配置がランダム生成されるダンジョンを探索
- 奥深くに潜って強い武器などを集めていく
- 戦闘不能になったら集めたアイテムをすべて失い、最初からやり直し
- ターン制を採用しており、敵の動きや限られたリソースの管理が大事
- 食事をしないと餓死する
これらの要素を備えているのが、一般的に言われる“ローグライク(日本語訳すると“ローグのような”)ゲームだ”。『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』などは、まさしく正統派ローグライクゲームと言える。
では、“ローグライト”とは何か。
厳密な基準はないようなのだが(そもそも“ローグライク”にも基準はないと思う)、『ローグ』の中心的な特徴をいくつか備えたゲームと認識しておけば問題ないはず。死んだらやり直しとか、ランダム要素が強いとか。
『フューリー アンリーシュド』もこのタイプだ。体力回復などのリソースを管理しながら進めるところまで進み、敵にやられたらスタートからやり直すのが基本的な流れとなる。
ローグライクやローグライトでは体力の回復手段が限られているものもあり、プレイ中は慎重になりがち。最適な行動を選択するパズルゲームのような感覚も備えている。
その知的な側面がまたおもしろいのだが、いちいち立ち止まるところにもどかしさを感じる人もいるだろう。筆者もそうだ。ヒューマンドラマを盛り込んだ深い映画も好きだが、どちらかというと頭を空っぽにして観られるアクション映画に惹かれてしまう。
爽快感を求める筆者がローグライトを遊んだら、あっという間にやられてしまうのが常。『フューリー アンリーシュド』ではどうなったか。
何と、ほぼノンストップで突き進めてしまうのである。なんだこれ、めっちゃ気持ちいい。でかい武器をぶっ放す! ぐりぐり動き回る! そんでもってグラフィックはケレン味バリバリ! イヤッハァァァァァァ!!!!!
走りながら銃を乱射し、敵に近付いたら近接武器で殴り倒す。慎重さも求められるローグライトでは無謀とも言える行動。だが本作では、そうすることでシステム面から見ても有利になる。
さくさく爽快なゲーム性が本作の持ち味……と思いきや別の顔も備えている。『SUPERHOT』と『クリプト・オブ・ネクロダンサー』に変貌するのだ。
それぞれ根強い人気を誇るFPSとリズムアクション。「変貌するのだ」と言われても困るかもしれないが、事実なのだから仕方ない。
この辺の話は後述。まずは実際にプレイした感想を通じて、その魅力をお伝えできればと思う。
ゲーム全般に渡ってスピード感がすごい!
本編に入る前に世界観を解説しよう。舞台となるのは架空のロングランアメコミシリーズ“Fury Unleashed”。
そのコミックを外から見ている(読んでいる)ような視点でゲームは進行し、主人公・フューリーはあらゆる世界を縦横無尽に駆け巡っていく。マルチユニバース展開がおなじみのアメコミらしい設定だ。
ゲームの中では、コミック内でのフューリーの活躍と同時に、“Fury Unleashed”の作者がスランプに陥っている模様もまた描かれる。ときおり覗き見ることになる苦悩が、本作のストーリーに大きく関わることになる。
こうした描写は断片的かつ短く挿入。そのためゲームのテンポを損なわず、プレイヤーの想像を掻き立ててくれる。
続いて、ゲームシステムについても解説しよう。本作の操作方法は左スティックで移動、ボタン(設定次第では左スティック入力)でジャンプという、2Dアクションゲームの基本を踏襲している。
射撃にはボタンではなく右スティックを使用し、撃ちたい方向に倒すだけ。慣れるととっさに狙いをつけやすく、ある程度敵に照準を合わせてくれるエイムアシスト機能も設定できる。
左スティックで移動、右スティックで射撃となると、ボタンでのジャンプがしづらそうに思えるが、コントローラー背面のトリガーボタンもジャンプに割り当てられているので問題ない。たとえばプレイステーション4なら、×ボタン、L2ボタンのどちらでもジャンプできる。
さらに加えて、ダッシュも可能だ(プレイステーション4の場合R1ボタン)。移動中は各スティックとボタンが干渉しないようになっているので、撃ちまくりつつノンストップで駆け抜けることができる。
序盤に気持ちよさをプラスしてくれるのが近接攻撃だ。ボタン入力で連打でき、広範囲&高威力で、さらに移動中でもくり出せる。
ローグライトゲームでは装備が整うまでの戦闘がきついことが多い。ところが、本作ではこの近接攻撃だけでも序盤を突き進むことができる。
とはいえ、敵に近付けば当然ながら反撃を受ける可能性も高くなる。それなら遠くから射撃で慎重に敵を倒していくほうが、ベターな選択に思えるかもしれない。
本作はローグライトアクションと言うだけあって、やられたらその場でゲームオーバー。獲得した装備などは失われ、つぎのプレイは最初からやり直しとなる。慎重になる気持ちもよくわかる。
だが、本作に過剰な慎重さは不要。敵を倒してから一定時間以内につぎの敵を倒すと発生する“コンボ”が、非常に重要だからだ。
本作では敵が落とすアイテムの中に、体力を回復する赤い回復オーブや各種ポーションが含まれる。コンボをつなげるとドロップ率が大きく上がり、先に進みやすくなるのだ。
加えて、敵が落とす黄金のインクを集めることで、道中のNPCから強力な武器を購入できる。多少リスクを背負ってでも、コンボを狙う価値は十分にある。
それでも最初は、無理にコンボを狙うと第1ステージすら突破が難しいはず。そもそも本作はデフォルトで“ハードモード”。これがほかのゲームにおけるノーマルモードにあたり、難度はけっこう高い。
だが、ゲームオーバーになっても安心だ。集めたインクの量に応じて“ヒーローレベル”が上がり、“スキルポイント”を獲得できる。このポイントを使ってフューリーをアップグレードすれば、つぎ以降のプレイでより有利になっていくわけだ。
甦るたびに強くなる。この辺は完全にイチからやり直しとなるローグライクゲームよりもやさしい作りだ。即座にやられてしまったとしても、そのプレイはムダにならない。
スキルの中でも、とくに筆者が気に入ったのが“コンボシールド”。このスキルがあれば、敵の攻撃をある程度防ぐシールドを5コンボごとに得られる。
コンボを狙って突き進むプレイスタイルと、これほど相性がいいスキルもないだろう。コンボシールドのおかげでさらに気持ちよく突き進めるようになり、プレイフィールが大きく変わった。
スキルポイントは大量に必要だ。いくらでもポイントがほしくなるスキルシステムと、コンボを狙っていくスピーディーなゲームプレイ。このふたつが噛み合い、筆者は時間も忘れて挑んではやられての高速ループをくり返すことになった。
ローグライトが備えたリトライの中毒性に高速アクションの興奮が加わるわけで、これが気持ちよくないわけがない。
モードを切り替えるとまるで別のゲームに!?
ここまではデフォルト難度である“ハードモード”をプレイした際の話だ。本作ではモードを切り替えることで、まるで別のゲームを遊ぶかのような新鮮さが襲い掛かってくる。
以下、最初から選べる本作の別モードについて解説していこう。なお、どのモードでもプレイするステージ自体は共通となる。
イージーモード
イージーモードでは受けるダメージ量や敵の耐久力などを細かに設定できる。単に難度が下がっただけではない。言わば“すごく気持ちよくなれる”モードだ。
受けるダメージを最小にするなど、プレイヤー側に有利な設定にした状態でプレイすると、道中はまさに無双状態。ほぼ無敵の主人公となって敵をなぎ倒していく感覚はクセになる。
ただし、ゲームの最後に待ち受けるラスボスに関しては、イージーモードでもそれなりに歯ごたえがある相手となっている。それが物語の盛り上がりとも、しっかりシンクロしているわけだ。
「これは勝たねば!」という気分の高揚とともに、長い道中で獲得・厳選してきた装備を駆使して立ち向かうラスボス戦には、ローグライトとアクションの両方のおもしろさがしっかり詰まっている。アクションゲームが苦手な人でも、本作の魅力を十分に体感できるバランスのように感じた。
SUPERHOTモード
PC(Steam)で2016年に発売された人気FPS『SUPERHOT』のシステムをそのまま『フューリー アンリーシュド』に盛り込んだモードがこちら。
『SUPERHOT』最大の特徴は自分が動くときだけ時間が進む”という斬新なシステムにある。自分がアクションを起こしていない間は弾丸すら止まる。このモードもそれと同じで、主人公が移動や射撃、近接攻撃を行っている間だけ敵や罠が動く。
つまり、ふだんはスピーディーに立ち回りつつ、ピンチになったら時間を止めるという遊びかたができるのだ。立ち止まるか射撃を単発撃ちに切り替えるかすると、時間の流れが一気に遅くなり、周辺の状況を確認しやすくなる。
そんな全能感と引き換えに、主人公の体力は“1”で固定。ワンミスすら許されない。主人公が勝手に動いてしまう状況(落下中など)では時間も勝手に動いてしまうので、どうしようもない詰み状態になることもある。
あるときはあと1発で倒せる敵をきっちり見極めて最小の動きで倒し、またあるときは空中の敵を確実に撃ち抜く。時間を操るコツを覚えると、ふだんのプレイとはまったく異なるおもしろさがあることに気付く。
たとえるなら、ローグライト特有の“慎重なプレイ”を極端にしつつ、任意のタイミングで具現化できる感覚だろうか。通常のモードとはまた違った“負ける気がしない”感覚と、絶対に失敗できない緊張感を同時に味わえるのは稀有な体験だ。
NecroDancerモード
ローグライクとリズムアクションを融合させた『クリプト・オブ・ネクロダンサー』。PC、プレイステーション4、Nintendo Switchといったさまざまなプラットフォームで発売中の秀作タイトルを踏襲したモードがこちら。
『クリプト・オブ・ネクロダンサー』は、ステージごとに異なるダンサブルなBGMに合わせて移動や攻撃を行なうゲームだ。敵もリズム通りに動くほか、リズム通りに操作しないとそもそも動けなかったりコンボが途切れたりといったペナルティーが発生する。
NecroDancerモードには、アレンジされた『クリプト・オブ・ネクロダンサー』要素が盛り込まれている。リズムに合わせないと攻撃すらできず、移動はリズムに乗った瞬間のみすさまじく加速。ほかのモードにはない動きが生まれる。
また、BGMはこのモード専用。『クリプト・オブ・ネクロダンサー』と同じく、揃いも揃ってダンサブル。音楽に乗ってほぼノンストップで主人公を動かし続けることになるため、スピーディーさにグルーヴ感までもが加わり、自然とのめり込んでいく。
本作ではイージー、ハード、SUPERHOT、NecroDancerの4モードに加え、さらに高難度の別モードふたつを用意。これらもまた別のゲームをイチから遊ぶような感覚で挑める。
『フューリー アンリーシュド』が1本あれば、最終的にはゲーム性の異なる6タイトルを遊び尽くせると思ってもらっていい。スピーディーな展開&周回はどのモードでも共通。短時間で高密度のゲーム体験が待っている。
周回して強くなりつつ攻略を進めていくローグライトの魅力と、短時間でさくさく遊べるスピーディーな気持ちよさが両立した本作。
さらにモードによってゲーム性は別物ということで、やり込みの幅はかなりのものだ。6モードもあれば誰しものニーズに噛み合うはず。ぜひ自分なりの楽しみかたで、ローグライトの魅力を堪能してほしい。
体験版も配信中
Nintendo Switch、プレイステーション4ともに、体験版を配信中。コミック“古代の神々の目覚め”よりチャプター1のワンステージとボス戦をプレイ可能だ。
※協力プレイモードはオフラインのみです。製品版では、オンライン/オフラインに対応しています。
※体験版から製品版へのセーブデータ引継ぎには対応しておりません。
製品概要
タイトル:フューリー アンリーシュド(Fury Unleashed)
対応機種:Nintendo Switch、PlayStation 4(ダウンロード専用)
発売日:2021年10月28日(木)予定
希望小売価格:1628円[税込]
ジャンル:ローグライトアクション
プレイ人数:1~2人(オンライン/オフライン協力プレイ)
CERO:C
販売元:株式会社ハピネット