2021年9月2日~3日の2日間、国内最大規模のインディーゲームの祭典“BitSummitTHE 8th BIT (ビットサミット ザ エイト ビット)”が開催。

 国内外のさまざまなタイトルが展示されていた中から、本記事ではシーノットスタジオが手掛ける『浮世』を紹介していく。今回の“BitSummitTHE 8th BIT”では、VISUAL EXCELLENCE(優秀なビジュアルの作品に贈られる賞)と、集英社ゲームクリエイターズCAMP賞に選ばれた本作を、プレイリポートと開発者に伺ったお話を交えつつ、お伝えしていく。

『浮世』は美しい和風サイバーパンクの仮想世界を巡り、街の異変の謎に迫るアドベンチャー【BitSummit THE 8th BIT】

 『浮世』は、和風サイバーパンク仮想世界“UKIYO”を舞台に、ゲームの世界に閉じ込められてしまった主人公やそのゲーム内フレンドたちの物語が描かれていくアドベンチャーゲームだ。

 今回、ブースでは体験版が試遊できたので、そちらをプレイさせていただいた。まず惹かれたのは、本作の世界観。独特な雰囲気を纏う和風のサイバーパンク世界は、背景の細かいところまでじっくり眺めたくなるほどの情報量で、美しく描かれている。また、街を歩く主人公をはじめとする動物のアバターたちのデザインもユニークで、目的を忘れて、街を探検してしまったほど魅力的に仕上げられていた。

『浮世』は美しい和風サイバーパンクの仮想世界を巡り、街の異変の謎に迫るアドベンチャー【BitSummit THE 8th BIT】
主人公のカイはサムライネコのアバターを使用している。
『浮世』は美しい和風サイバーパンクの仮想世界を巡り、街の異変の謎に迫るアドベンチャー【BitSummit THE 8th BIT】
『浮世』は美しい和風サイバーパンクの仮想世界を巡り、街の異変の謎に迫るアドベンチャー【BitSummit THE 8th BIT】
多くのアバターで賑わう街のエリアや、ちょっと落ち着いた雰囲気の下町のようなエリアも確認できた。2枚目の写真の右上にはたぬきの雷神、きつねの風神の像(?)があったり、こういうユニークな小ネタがおもしろい。

 そんな仮想世界“UKIYO”の街を巡りながら、仮想世界の住人たちとの対話やアイテムを調べたりして物語の謎に迫っていく本作。体験版のプレイ時間は10分ほどで、内容的には物語の触り部分だとは思うが、さまざまな人物と対話をしていくうちに、世界やストーリーにすっかり引き込まれた。

『浮世』は美しい和風サイバーパンクの仮想世界を巡り、街の異変の謎に迫るアドベンチャー【BitSummit THE 8th BIT】
『浮世』は美しい和風サイバーパンクの仮想世界を巡り、街の異変の謎に迫るアドベンチャー【BitSummit THE 8th BIT】
体験版では仮想世界“UKIYO”の異変に主人公が気づき、UKIYOにはたくさんの隠し要素があること、12人の神様の封印を解くことができるとNPCを操作する権限を与えられるという噂など、ワクワクするキーワードが出てきたところで体験版は終了。めちゃくちゃ続きが気になる……!

 この独特な世界観のアイデアについて開発者に話を伺うと、本作のアート部分を担当している会社のフリーキーデザインにゲームのコンセプトの相談をした際に、“浮世絵をベースにしたような和風の作品”、“ネコが主人公”という案がまずあがったそう。そのアイデアをもとに、最初は淡い色調で、いまよりも浮世絵に寄せたデザインだったそうだが、その後アイデア出しを行っていく段階で現代の東京をモデルに、日本のモチーフが盛り込まれたようなデザインの街並みになっていったという。

 そんな紆余曲折を経て、約1年の開発期間で現段階まで完成させたという本作は、2022年末の完成を目標に制作が進められている。対応プラットフォームはPC版とXbox One版を予定しているとのことだったが、ほかの家庭用ゲーム機に関しても考えているとのことだった。体験版が現在Steamで配信中なので、この世界観に惹かれた方はぜひダウンロードして遊んでみてほしい。

『浮世』Steamページ
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