アクティビジョンのミリタリーFPSシリーズ最新作『コール オブ デューティ ヴァンガード』が正式発表された。2021年11月5日に発売予定で、対応プラットフォームはプレイステーション5/Xbox Series X|S/PCおよびプレイステーション4/Xbox Oneとなっている。
本作のテーマは第二次世界大戦となり、メイン開発は同じく第二次世界大戦を扱った2017年作『コール オブ デューティ ワールドウォーII』を手掛けたSledgehammer Gamesが行う。
同作とのテーマ上の大きな違いは、『CoD ワールドウォーII』がノルマンディー上陸作戦から始まるフランスからドイツへの進軍を描いていたのに対し、今回はヨーロッパの西部戦線だけでなく、東部戦線や北アフリカ戦線や太平洋戦線もカバーすること。
今回、発表に先駆けて行われたプレスイベントにも参加してきたので、そこで判明した内容を早速ご紹介しよう。
キャンペーン: ナチスの極秘作戦を叩け。世界の戦場から精鋭が集結した特殊部隊の誕生を描く
今作のシングルプレイのキャンペーンモードは、“特殊部隊の誕生”がテーマ。ナチス・ドイツが進めているという極秘の“フェニックス作戦”を食い止めるべく結成された多国籍チームの活躍が描かれる。
キャンペーンには、第二次世界大戦のさまざまな戦地で戦ってきた各隊員のエピソードを描く過去パートと、終戦間際にベルリンに潜入した彼らの戦いを描く現在パートがあるようで、後者では一度作戦が失敗してとらわれ、ゲシュタポ本部で尋問を受けることにもなる模様。これは完全に推測だが、恐らく尋問の過程でそれぞれの過去パートが語られるという形じゃないだろうか。
潜入チームに加わる各隊員と、ナチス側のボス格のキャラクターの概要は以下の通り。なお各キャラクターの構築にあたっては、史実上の人物のエピソードも参考にしているという。
- 英 アーサー・キングスレー
- 部隊のリーダー。ノルマンディー上陸の決行前夜の夜間降下作戦“トンガ作戦”などを経てチームに加わる。
- 原型となったのは、英軍で最初に降下した黒人空挺兵のシドニー・コーネル。
- ソ ポリーナ・ペトローヴァ
- スターリングラードの戦いに参戦した女性スナイパー。
- 原型は、史上最高の女性狙撃手とも言われるリュドミラ・パヴリチェンコ。
- 米 ウェイド・ジャクソン
- 太平洋戦線の爆撃機パイロット。ミッドウェー海戦では空母エンタープライズから飛び立って二隻の空母の撃沈に成功する。その後、ソロモン諸島の戦いで撃墜されるも生存し、ブーゲンビル島にて陸上部隊に組み込まれる
- 原型は、ミッドウェー海戦の爆撃機のパイロットであったヴァーノン・“マイク”・ミケル。
- 豪 ルーカス・リグス
- “トブルクのねずみ”(Rats of Tobruk)と称されたオーストラリア部隊の一員として北アフリカ戦線に参加。エル・アラメインの戦いなどを経てチームに加わる。
- 原型はエル・アラメインの戦いなどの功績でビクトリア十字章を2度受けたニュージーランド兵のチャールズ・アップハム。
- 独 ハインリヒ・フライジンガー
- フェニックス計画を進めているとされるゲシュタポ局長。
- 原型は実際にゲシュタポ局長だったハインリヒ・ミュラー。
“トンガ作戦”では夜間の光や煙の描写がスゴい!
プレスイベントでは、リーダーのアーサー・キングスレーを主人公とする“トンガ作戦”のプレイ映像を見ることができた。
トンガ作戦は、実際にノルマンディー上陸の決行前夜に行われた夜間降下作戦だ。ミッションが始まると輸送機が早々に対空砲火を受け、半ば脱出するように降下を開始。周囲を飛行機が飛び交い、爆発が起きまくっている中を落下していくド派手なシーンは、これぞ『コール オブ デューティ』といった感じだ。
アーサーは爆発の巻き添えでメインパラシュートを失うものの、ギリギリでサブパラシュートを開いてなんとか川に着水。しかしその過程でライフルを失ってしまい、まずはステルス系の展開で進んでいくことになる。
集合地点である風車に向かうために警戒網の網目を縫って進んでいくのだが、特に印象的だったのが、夜間作戦だからこそ映える光や煙の描写だ。あたりを探す敵兵の懐中電灯の逆光や、森の木々を縫って見える対空砲火の発射光、落下した機体の燃えカスの明かりなどが、夜の霧や煙による光の拡散もまじえてリアルに描写される。
ゲームプレイの点でも光はテーマになっているようで、落としたランプからこぼれた油に発砲して着火し、その炎で干してあるシーツに浮かび上がった敵兵のシルエットめがけて銃弾を撃ち込むといったシーンや、民家の地下室に逃げ込み、探しに来た敵兵を床板の隙間から漏れてくる光を頼りに撃つといったシーンが見られた。
マルチプレイ: 今年は6v6を強化!? クロスプレイにも対応し、さまざまな要素がミックスされた新モードも予定
またデモ映像や試遊はなかったものの、プレスイベントではマルチプレイについてもさまざまなディテールが公開された。マルチプレイはクロスプレイに対応するという。
個人的に興味深かったのは、どうも今作では6対6に力を入れるっぽいこと。“新作=とりあえず人数拡大”というありがちなパターンからすると意外にも思えるが、シリーズファンには6対6の戦いの充実を望む根強くあったのも事実。原点回帰という形で突っ走るのか、大規模戦は後からやってくるのかなども気になるところだ。
- ローンチ段階では全20マップがプレイ可能になる予定。本作に登場するすべての戦線からマップをフィーチャー
- うち16マップはコアモードの6対6を主眼においたマップ、4マップは2対2のマップ
- 新モード “チャンピオンヒル”
- バトルロイヤルにある要素やガンファイトモードにある要素、武器の進化など、さまざまなモードからの要素が組み込まれた新たな対戦モード
- プレイリスト “コンバット・ペーシング”
- 少人数でタイトな戦いのもの、大人数でカオスなものなど、プレイテンポの異なるプレイリストを用意
- 環境要素 “ムービング・マウント”
- 窓際や柱のそばなどで銃を障害物に沿わせて出すマウントの進化版。水平面では横に滑らせて動かすことができ、垂直面では覗き込むように銃を動かせる。
- 環境要素 “リアクティブ・ゲームプレイエンバイロメント”
- マップ内の環境の一部が破壊可能で、それを戦術的に活かせる
- 環境要素 “コンバットフォグ”
- 室内での射撃時に、撃ち続けると煙やチリにより視認性が低下する。
- またキャンペーンモードのような煙などの表現がマルチプレイにも登場する
- その他
- ガンスミスシステムが再び登場
- 弾道や弾のタイプなどのカスタム要素
ゾンビモードはBOCWの前日譚に。ウォーゾーンは新アンチチートシステムを搭載し、新マップが登場予定
また、本作のゾンビモードや、連動するバトルロイヤル型ゲーム『コール オブ デューティ ウォーゾーン』についてもいくつかの情報が明かされた。特にウォーゾーンの新マップや新アンチチートシステムが準備中というのはプレイヤーにとって朗報と言えるんじゃないだろうか。
- ゾンビモード
- 開発はTreyarchが主導する
- シリーズ初のクロスオーバーとして、前作『コールオブデューティ ブラックオプス コールドウォー』のゾンビモードの前日譚を描く
- ウォーゾーン
- Raven Softwareが開発を主導し、新マップが今年登場予定
- 新たなアンチチートシステムを搭載予定
- 『コール オブ デューティ ヴァンガード』および旧作のブラックオプス コールドウォーとモダン・ウォーフェアが繋がる世界となる
- シームレスな武器の統合やプレイバランスについてはヴァンガードの技術を採用する
- ヴァンガードとともにローンチ後に無料アップデートを提供予定
その他: 家庭用版は60fpsのフレームレートを新世代機/前世代機の両方で実現
そのほかの情報についても触れておくと、本作の家庭用ゲーム機版は、新世代機(PS5/Xbox Series X|S)と前世代機(PS4/Xbox One)の双方で秒間60フレーム(60fps)の描画を実現。
また『コールオブデューティ ブラックオプス コールドウォー』に引き続き、PS5のDualSenseコントローラーの各機能など、新世代機固有の機能を活用するという。