海外パブリッシャーのKoch Mediaがプレイステーション4とPCでリリース予定の見下ろし型アクションシューティング『Clid the Snail』(クリッド・ザ・スネイル)のプレス向けデモを遊んだので、その内容をご紹介しよう。

 本作はプレイステーション4で今夏、PCで今年第4四半期にリリース予定。なお今回のデモはPCでプレイしたが、すでに日本語化されていた。

 ゲームは見下ろし型アクションシューティングとしては比較的オーソドックスな内容で、各エリアで敵を倒したり謎解きをしつつ進み、次のエリアに行くと話も進むという一本道系の構成だ。

 戦闘も意外と武器のバリエーションがあったりしてきっちり遊べるものの、遊んだ範囲の感想を言ってしまえば割とフツー。しかし世界観などに妙なこだわりがいろいろあって、むしろそちらが特徴的で本作ならではの面白い部分。なので話をそっちに移そう。

Clid the Snail
意外と武器のバリエーションがあり、メイン武器+グレネードなどの投げ物に加えて、シェルの能力でミサイルを撃てたりする。

人類が消えた、進化した動物たちが生きるミニチュア廃墟世界

 タイトルにもある通り、本作の主人公はカタツムリ(Snail)のクリッド。人類が地上から姿を消した後、進化した動物たちが文明を築いた世界が本作の舞台となる。

 というわけでクリッドも可愛さいっぱいのキャラ……なわけではなく、強化装甲っぽい殻(シェル)に身を包み、レーザーブラスターなどの強力な銃を手にしたヤサぐれまくりのタフな戦士。本作は、カタツムリの都市から追放されるに至った彼が、あちらこちらに人類の文明の残滓が感じられるミニサイズの廃墟世界を旅する(※)という、ハードボイルドなSFテイストの“小動物パンク”とでも言うべき作品なのだ。

(※自分の体サイズの人間用指輪が背景に転がっていたりする)

Clid the Snail
クリッドの口調は完全にハードボイルドな放浪者のそれ。
Clid the Snail
人類文明の残滓があちらこちらに見られる。

 デモは、ゲームの最序盤をフィーチャーした内容。クリッドがバッタの街に向かったところで遭遇した、イカれた火炎放射器&ロケットランチャーネズミ“スカー”をぶっ倒し、はぐれ者軍団の“アラスター”にスカウトされるまでが描かれていた。

Clid the Snail
クリッドお怒り中。めちゃくちゃ口が悪い。
Clid the Snail
クリッドをスカウトしたはぐれ者軍団“アラスター”の面々。カメレオン、コウモリ、カエル、カメ、ハリネズミと、いろいろと渋いチョイス。

開発チームの愛を感じるレベルデザイン

 ゲームの作りはオーソドックスと先に書いたが、一方で探索を重視した内容となっており、各エリア内にはなにかしら本筋から外れたルートが用意されているのも特徴のひとつ。

 そこでパズルを解いたりすることで、買い物に使えるポイントや体力上限アップのためのアイテムなどを拾って強化を行えるという形になっている。

Clid the Snail
このパズルも脇道に用意してあるやつ。

 ここで開発のWeird Beluga Studioについて触れておくと、彼らはカレッジで出会った5人のメンバーによって結成されたというインディースタジオで、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのスペイン支社から表彰されて支援を受け本開発をすることになった本作が初作品となる。

 なのであまり開発に余力があるとも思えないのだが、さきほど触れたような脇道の作りはかなり気合が入っていて、場所によってはメインルートより凝った作りになっていることも。ミニチュアサイズの廃墟世界を作り込みたいという情熱を感じるし、実際に雰囲気もなかなかいい。

Clid the Snail
多分、雨樋か排水管だったものを通ってくエリア。これも脇道。夏発売なのにまだ発売日発表がなかったのだが、作り込みすぎてるんじゃないかという気がしないでもない。

グッと来た人は今後の展開に注目

 というわけで本作、なかなか渋くてピーキーなこだわりを持った、ユニークな作品になりそうな感じ。(今回のプレイ範囲は楽だったものの)実は戦闘もコアのひとつになっているそうなので、まずはきっちり完成させるのを期待したい。プレイ時間的には8時間~10時間程度の内容になるという。

 今後の進展を追いたい人は、プレス向けサイトはあるもののまだフルの公式サイトがないので、スタジオの公式Twitterアカウント(@BeligaWeird)公式YouTubeアカウントをフォローしてみるのがいいんじゃないかと思う。