“VRインタラクティブストーリー”と題し、Oculusを始め、Steam VRやプレイステーション VRでもリリースされたVR専用アドベンチャーゲーム『ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: ビヨンドクロノス)』(以下、『アルトデウス: BC』)。VR空間で世界を守る組織の一員としてキャラクターたちと物語を紡ぎ、巨大ロボットに乗って戦うという、子どものころの夢を叶えてくれるような作品だった。
そんな『アルトデウス: BC』の追加エピソード『ALTDEUS: Beyond Chronos EPISODE YAMATO(アルトデウス: ビヨンドクロノス エピソードヤマト)』(以下、『エピソードヤマト』)が、2021年6月11日にOculusにて先行リリースされる(※他機種版は後日発表とのこと)。
今回、『エピソードヤマト』をひと足先にプレイする機会に恵まれた。なお、『エピソードヤマト』のネタバレは極力避けているものの、『アルトデウス: BC』本編のエンディングのひとつに関わるストーリーとなっているため、本編のネタバレも見たくないという人はご注意いただきたい。また、本作は『アルトデウス: BC』本編を遊んでいなくても楽しめる……なんていうことはなく、絶対に本編を遊んでからプレイするべき作品となっているので、その点も事前にお伝えしておく。
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目の前には『アルトデウス: BC』の主人公であるクロエの姿。彼女がしゃべり、苦悩する様子を、別の視点から眺める自分。そう。クロエがそこにいたのだ。
『アルトデウス: BC』は、突如出現した超巨大生物“メテオラ”と人類の戦いが描かれるVR専用のアドベンチャーゲーム。“マキア”と呼ばれる巨大ロボットを操り、メテオラと戦うマシンアクションパートと、自身の“決断”が物語を変化させるアドベンチャーパートを“VR”という形でプレイすることで、より臨場感ある物語として楽しめる。
『アルトデウス: BC』というゲームは、“ロボットアニメの主人公を体験するアドベンチャーゲーム”と言っても過言ではないだろう。主人公のクロエの葛藤や決断までをも自分の経験や意思のように感じてしまうほどの没入感を持った作品だった。だからこそ、自身の決断ひとつひとつに“重さ”を感じられたし、ヘッドマウントディスプレイを被った状態で泣きながら決断するような場面もあった。プレイ中は、まさに自分=クロエだったのだ。
しかし、新たにリリースされるダウンロードコンテンツ『エピソードヤマト』は、クロエの仲間であり、アレス・マキアのパイロットであるヤマト アマナギの視点で描かれる追加エピソード。本編エンディングのひとつ“The Celestial Cradle”にまつわる物語を体験することができる。
“The Celestial Cradle”とは、『アルトデウス: BC』ユーザーのあいだで“赤ルート”と呼ばれるエンディングで、クロエの友人であるコーコを捕食したメテオラ、アニマに関するストーリーが展開する。アニマという存在に苦悩するクロエと、そんなクロエを支えようとする周囲の人々の物語に心揺さぶられた人も多いだろう。もしかしたら、クロエ(=自分)の想いが強くなりすぎて、クロエのことを手助けしようと、支えようとしてくれる周囲の人々のことを疎ましく感じた人もいたかもしれない。『エピソードヤマト』は、そんな周囲の人々が主人公となる物語なのだ。
プレイヤーの写し身となるのは、アレス・マキアのパイロットであるヤマト。裏表がなく、周囲を明るくするムードメーカーで直情的。仲間のことを思いやる気持ちが強く、苦悩するクロエのことを放っておくことができず、自身もまた葛藤を抱えてしまうこととなる。
本作では自分=クロエではなく、自分=ヤマトとなる。ヤマトがどんな想いでクロエと接していたのか、どんな想いでアレス・マキアに搭乗し、メテオラと戦っていたのか。『アルトデウス: BC』本編よりも深く深くその想いが描かれていく。プレイヤーは、そんな彼と想いをシンクロさせながら、苦悩するクロエを目の前にする。いままで“自分”だった存在だ。どんな葛藤を抱え、どんな想いで行動をしているのか、痛いほどわかってしまう。だからこそ彼女のことを、「守りたい」、「救いたい」という気持ちがよりいっそう強くなる。
クロエの下した決断に、ヤマトはどんな答えを出すのか? 『アルトデウス: BC』をクリアー済みの人ならわかるであろう、“あのシーン”につながるまでのヤマトやアオバ、ノアらのストーリーもヤマト視点で体験できる。
もちろんシリアスなシーンばかりではない。ヤマトとアオバ、ヤマトとノア、ヤマトとジュリィといった、これまでふたりきりで話している姿を見ることのなかった組み合わせなども用意されている。それぞれの関係性や意外な一面も楽しむことができるだろう。
そしてヤマトといえば、アレス・マキア。クロエが搭乗する後衛タイプのアルト・マキアとは異なり、アレス・マキアは前衛タイプで、白兵戦やアルト・マキアの盾役がおもな役割となっている。もっとも異なるポイントは、装備している武器。クロエのアルト・マキアはレール・キャノンという射撃武器を装備しているが、ヤマトのアレス・マキアはソード(クサナギ)という巨大な剣を装備し、近接戦闘を行うのだ。
本作の魅力のひとつであるマシンアクションパートも、この近接戦闘用のアレス・マキアを駆って戦うことに。“ストライクソードシステム”という、本編にはなかった新たなシステムを導入し、アレス・マキアの剣によるバトルを楽しむことができる。
物語の視点を変え、新たな要素を加え、いよいよリリースされる追加ダウンロードコンテンツ『エピソードヤマト』。VRだからこその体験は本編同様に用意されている。そして、本作でも選択と決断が物語を変化させる。自身の決断により、本編では描かれなかった展開や未来も……? ぜひ注目してほしい。
※掲載している画像の一部は、PVから撮影したものとなります。
ALTDEUS: Beyond Chronos EPISODE YAMATO
配信日:2021年6月11日配信予定
※Oculus Quest(1&2)先行配信。他のプラットフォーム展開については後日発表。
価格:990円[税込]