THQ Nordic の『Wreckfest(レックフェスト)』は、破天荒なレースゲーム『FlatOut』シリーズを手掛けたBugbear Entertainmentが贈る破壊要素満載の激突レースゲーム。クルマどうしが激突する派手なクラッシュ演出に物理演算エンジンが駆使されており、多種多様な車種でリアルなクラッシュレースを体験できるのが特徴のタイトルだ。
2019年12月19日にプレイステーション4版がリリースされた同作は、5月のフリープレイタイトルとしてプレイステーション5向けに登場。プレイステーション4版から、60fpsへの対応、グラフィックのグレードアップ、ロード時間の改善などさまざまな変更が加わっている。
フリープレイ自体は5月で終了してしまったわけだが、6月1日からプレイステーション5版が5170円[税込]で発売中だ。そこでここでは、プレイステーション5版『Wreckfest(レックフェスト)』をプレイした所感をお届けしていこう。
なお、プレイステーション4版の所有者は、1210円[税込]でプレイステーション5版へアップグレードできる。さらに、プレイステーション4版のDLCやシーズンパスをお持ちの方は、追加料金なしでプレイステーション5版へのアップグレードが可能だ。
さらに、6月2日からはXbox Series X|S版のリリースも開始されている。なお、同作はXbox Game Pass Ultimateにラインアップされている。
『Wreckfest(レックフェスト)』PS Storeページ 『Wreckfest(レックフェスト)』Microsoft Storeページ挙動は真面目、プレイは破天荒な激突レーシング
本作でプレイできるのは、おもに3つのモードになる。
多彩なコースを走り回るレースイベントを進めていくキャリアモード、コースやレースモードを自由に設定するカスタムイベントとなる、シングルプレイ向けのモード。そして、最大24台で走り回るオンラインモードの3つがプレイ可能だ。
多くのプレイヤーが最初に遊ぶことになるのは、決められたレースイベントを走るキャリアモードになるだろう。
キャリアモードでは、レースに参加した報酬としてお金や経験値がもらえるほか、優勝することで新たなクルマなどを購入できるようになる。まずはここで経験を積み、欲しいクルマをゲットしてから本格的に遊んでいくのがオススメだ。
経験値を獲得するとレベルが上がり、新たなパーツを入手できるようになるのもポイント。本作は車体のカスタマイズ要素が非常に充実しており、パーツ次第でその性能を大きく変えられるのだ。
カスタマイズではエンジンをはじめ、ラジエーターからロールバー、エアフィルターなど多彩なパーツを取り入れることが可能。各パーツを装備することで加速力やトップスピード、コーナリングの精度が上がり、自分好みの走りかたが楽しめる。
また、パーツとはべつにサスペンションなどをチューニングする機能も搭載。チューニング画面では右側に解説が出るので、クルマに詳しくなくてもしっかりとチューニングできるのがありがたい。
クルマの準備ができたら、いよいよレースにチャレンジしていく。レース中の操作方法はシンプルで、慣れていない人でもすぐに遊べるようになる。同種のゲームのプレイ経験がある人なら、何も説明を受けずに難なく操作できるはずだ。
いざレースに参加すると、さっそく心地のいい駆動音が響き渡る。グラフィックに関しても申し分なく、遠方まで美しく描写されているのが好印象。
背景に見惚れていたい気分もあるが、実際にレースがスタートするとそうも言っていられない。本作はクルマどうしが激突し、壊れていくことをよしとするレースゲーム。上品なレースは求められておらず、積極的に破壊を推奨する傾向にすらあるのだ。
ふつうに走っているだけでも、後方からクルマが激突してきてコースアウトは日常茶飯事。さらに、衝突してきた相手はライバルとして認定され、復讐すればボーナスポイントも獲得できてしまう。
一方で、操作感や描写については驚くほどにリアル寄りで、真面目すぎる印象を受けるほどだった。クルマの挙動が驚くほどリアルで、派手なドリフトで急カーブを曲がるような真似は到底できない。
しっかりとスピードをコントロールし、適切なハンドルさばきでコーナーを制する必要があり、最初はすぐにコースアウトしてしまった。ドライブテクニックが正確に求められるクルマの挙動は難しいが、そのリアルな動きゆえの手応えを感じられる。
障害物にぶつかったときの物理演算なども精密で、クルマで衝突したときには周囲にキレイに吹き飛んでいく。非現実的でお祭り感の強いレースと、クルマや障害物のリアルな表現は一見アンバランスなのだが、それが絶妙にマッチしているのが本作の大きな魅力と言えよう。
衝突することが許されているからこその、レーステクニックも本作なら試すことができる。
たとえば、通常ならスピードを落とさなければいけないコーナーなどで、前を走るクルマをクッションにして進むような走りかたもアリ。丁寧に曲がろうとするクルマを有効活用して、自分は速度を落とさずに突き進むような動きもできる。
また、レースの性質上、逆転が起こりやすいのもポイントだ。
クルマは壁やプレイヤーどうしの衝突でドンドン壊れていき、一部機能については故障もしていく。何度も衝突してクルマが壊れてしまえば、その時点でリタイア扱いだ。
先頭で走っているクルマどうしが潰し合えば、必然的に後ろを走るプレイヤーにもチャンスは巡ってくる。壊されないように走り続ければ、最下位からの下剋上も狙いやすい。
コースによっては積極的に衝突が起こることもあり、とくに八の字コースは後半になるほど危険性が増していく。
八の字のコースを何周も走るため、中央部分での衝突発生率が非常に高いのだ。余裕で1位を取っていても、遅れてきたクルマに激突されて一気に順位を落としかねない。
また、クルマの枠組みに収まらない、とんでもない代物での潰し合いも見どころだ。本作では通常のクルマだけでなく、スクールバスからトラックなど、多彩な車種が登場している。
多彩な車種の中には、芝刈り機やソファなど、激突には不向きな存在も。軽く小突かれただけで派手に吹き飛び、宙を舞うドライバーたちのユーモラスな姿は必見だ。
追加コンテンツで楽しみも広がる!
ドライブテクニックが求められるリアルな挙動と、派手に激突して相手のクルマを潰していくお祭り感が持ち味の『Wreckfest(レックフェスト)』。
プレイステーション5のタイトルではもはやおなじみだが、ロード時間もほぼ皆無で快適にプレイできる。本格的な操作感で遊びたい、通常のレースには飽きてきたという人には、ぜひ一度体験してほしいタイトルだ。
そのままでもコンテンツは充実しているが、新たなトーナメント“Wrecking Madness”が無料アップデートで追加されるなど、遊べるコンテンツ自体も無料で増やしていける。
また、クルマも追加コンテンツとして販売されており、手頃な価格でクルマが入手可能。オフロードマシンが3台入手できる“Off-Road Car Pack(オフロードカーパック)”も発売が開始したので、こちらもぜひチェックしてみてほしい。
Trooper
Trophy Runner
Sandstorm
価格:440円[税込]
※本DLCはSeason Pass 2(シーズンパス2)にも収録。