ファミ通.comの編集者&ライターがゴールデンウイークのおすすめゲームを語る連載企画。今回はPCゲーム大好きライター・カイゼルちくわが『Gunfire Reborn』をご紹介します。
【こういう人におすすめ】
- ローグライクとFPSが大好き!
- ゲームのキャラビルドはロマン重視
- ケモノキャラっていいよね……
カイゼルちくわのオススメゲーム
- プラットフォーム:Steam
- 配信日:2020年5月23日
- 開発元:Duoyi (Hong Kong) Interactive Entertainment Limited
- 配信元:Duoyi (Hong Kong) Interactive Entertainment Limited
- 価格:1220円[税込]
『Gunfire Reborn』Steamページ
キャラ、武器、スキルのシナジーが豊富すぎる!
『Gunfire Reborn』はFPS(ファースト・パーソンビュー・シューティング)形式のローグライクゲームです。厳密にはローグライトゲーム(※)と表現するのが正しいのかもしれませんが、プレイアブルキャラがかわいいケモノキャラという時点でその辺は気にならなくなるかと思います。
※ローグ“ライク”と“ライト”:ランダム生成されるマップや戦闘不能になったらイチからやり直しなど、ダンジョン探索RPG『ローグ』的な要素を備えたゲームは“ローグライク”と呼称される。そういった要素を備えているものの、『ローグ』とは別ジャンルのゲームは“ローグライト”と呼ばれることもある。
なお、操作はオーソドックスなFPSスタイルを踏襲していて、キーボード操作で移動とジャンプ、マウスで照準を合わせて射撃といった感じ。短距離を高速移動するダッシュにはクールタイムがありますが短く、けっこう連発できるので敵の攻撃は回避しやすいです。
もっふもふな見た目のかわいさに反して、本作は底なし沼レベルで奥深いキャラクタービルドが楽しめる本格派です。「このスキルとこのスキルを組み合わせると、とんでもなく強い!」といったコンボやシナジー要素が好きな人には、たまらない内容かと思います。
先にネタバレしてしまうと、本作では武器などを厳選して火力にとことんこだわると、一撃で10万以上のダメージを叩き出すことすら可能です(ふつうに射撃すると、せいぜい500ダメージ程度)。とてつもなく気持ちいいことは、もはや言うまでもないですよね。
キャラのスキルがすごく個性的
記事を執筆した2021年5月3日現在、使用できるキャラは下記の4名。いずれも固有のとがった性能を有しています。なお、メインスキルには使用回数が制限されている代わりにクールタイムがあり、逆にサブスキルはクールタイムがなくて使用回数に制限あり。サブスキルの使用回数は、敵やステージに転がっている壺などを撃破すると手に入るアイテムで回復可能です。
太子
メインスキル:エネルギーオーブ
着弾点で爆発するオーブを発射し、範囲内の敵の動きを一定時間止める。
サブスキル:発煙グレネード
着弾点で爆発するグレネードを投げる。グレネードは腐食属性の持続ダメージを与える煙幕を発生させる。
オポイ
メインスキル:二丁拳銃
20秒間、武器スロット1と2に装備した武器を両手に構えて同時発射できるようになる。
サブスキル:爆発グレネード
敵に当たると爆発するグレネードを投擲。グレネードは周囲にもダメージを与える。
青燕
メインスキル:飛躍攻撃
目標地点に向かって飛び蹴りを出し、着地点の周囲にダメージを与える。命中した敵1体につき、アーマーを20%回復。
サブスキル:斬撃
前方扇状範囲に高威力の攻撃をくり出す。
雷落
メインスキル:召天雷
5秒間、移動速度+30%、スキルダメージ+50%。持続時間中に射撃を敵に当てるとこの効果が中断されるが、その射撃のダメージは+100%され、さらに電撃属性の追加ダメージを与える。
サブスキル:チェーンライトニング
電撃を発射して対象に電撃属性のダメージを与える。対象の周囲の敵に最大2回まで電撃が拡散する。
いかがでしょうか。簡単にまとめると、
- 太子:範囲内の敵の動きを問答無用で止めるサポーター
- オポイ:実質2倍の射撃で高火力を叩き出せる二丁拳銃使い
- 青燕:高火力・高機動の近接戦闘キャラ
- 雷落:高威力の攻撃がさらに威力2倍となるロマンキャラ
このように、キャラクター選択の段階から各キャラの性能は大きく異なっています。さらにゲーム中に敵がドロップする“ソウルエッセンス”を持ち帰ることで“タレント”(キャラごとのスキルツリー)を育て、さらに個性を際立たせることができるのです。
武器の特性もめちゃくちゃ個性的
本作はローグライクゲーム。武器は道中の敵からのドロップなどで入手していきます。その武器の種類と性能のとがりっぷりもまた、キャラに負けず劣らず魅力です。
武器にはランダムで“特性”というオプション能力が付属します。同じ武器でも、特性しだいでまったく使いかたが異なってくるのです。武器はふたつまで持てますが、筆者としてはもっとたくさん持ち歩いて使い分けられるようになってほしいところ。
後から習得できる能力なども(以下略)
キャラと武器、この2段階ですでにキャラビルドのパターンは十分に多いのですが、こんなところで満足してはいけないのが本作。各ステージの終点でボーナスアイテム“金爵”を獲得すると、キャラごとの追加能力“アセンション”を入手できます。
さらに、道中の宝箱からは常時発動型の能力を得られるアイテム“オカルトスクロール”が手に入ります。この能力も非常に強力で、なおかつやっぱり種類が豊富なのです。
豊富な能力とローグライクが合わさると?
キャラのタレント、武器の種類と特性、アセンションとオカルトスクロールと、キャラクタービルド要素が幅広すぎてクラクラしてくるレベルの本作。しかし、それらの入手方法はランダムです。これぞローグライク。
つまり、理想のビルドを思い描いていたとしても、実現できるかどうかは運しだい。「これぞ最強!」という定番戦法が、毎回通じる甘いゲームではないのです。
しかしこういうときこそ、ゲーマーとしてのセンスの見せどころ。手に入った武器やスキルをその場でうまく組み合わせればいい。即興の構成でステージを攻略できたときの爽快感と達成感がすばらしい!
ローグライクですので、ゲームオーバーになるたびに装備やアセンションなどはゼロに戻されます。ですが、先述した“ソウルエッセンス”によるタレント強化はプレイをくり返すたびに進み、キャラは着実に強化されていきます。歯ごたえのある難易度の本作ですが、じっくり遊べば確実に先に進めるようになるのです。
そうして遊んでいるうちに、「この組み合わせ強くない?」といった意外な発見も出てきたりします。これがいい刺激となり、何時間遊んでもなかなか飽きません。
豊富なボスやステージが今後も増える!?
キャラクタービルドの面だけでもめちゃくちゃ遊べる本作ですが、アップデートが頻繁にされており、新ボスや新キャラがつぎつぎと追加されているのもうれしいところ。ボスについては、ステージ1とステージ2のボスがそれぞれ2種類からランダムで選ばれるようになっています(2020年5月3日現在)。
ボスもまたプレイアブルキャラと同じく、強力な攻撃を持つ個性派ばかり。ダッシュやステージギミックを駆使してしっかりと攻撃をさばく必要があり、高火力でのゴリ押しだけでは勝てないところもおもしろさにつながっています。
公開済みの最新ロードストーンでは、さらなる新キャラや新ボスも用意されているとのこと。これでまた、プレイ時間が数十時間単位で増えますね……。
また、本作では最大4人でのマルチ協力プレイが可能です。マルチプレイ中は武器とオカルトスクロールの受け渡しができるため、ソロプレイのときよりもほしいアイテムが手に入る確率が格段に上がります。
武器やスキルには腐食・火炎・電撃の3属性が存在。特定の組み合わせで混乱や持続ダメージの付与が可能です。ソロでは難しいですが、マルチプレイでは味方と協力することで属性効果を狙いやすいので、武器の選択の幅がさらに広がります。
筆者は火力については味方に任せ、太子でひたすら敵の拘束と弱体化、持続ダメージの付与に特化して遊ぶのがお気に入りです。派手なダメージは出せませんが、戦場を支配している感覚が病みつきになります。
こうしたランダム要素が強いゲームでは「強い装備やスキルが取れなくて詰んだ……」という状況が起こりがちですが、本作では工夫とプレイヤーの習熟しだいで、わりとどうにかなる印象です。
ふだんは使わない武器がドロップした際に「たまにはこれで遊んでみるか!」と楽しんでみればいい。ビルドに加えて、遊びかたもまたプレイヤーの価値観によってどこまでも広がります。
あと、本作は歯ごたえがあると書きましたが、ソウルエッセンスでキャラを強化すれば、FPS初心者の人でも十分楽しめるくらいの難易度になります。さらに、弾が目標を自動追尾するというFPSらしからぬ武器もいくつかあり、照準技術に自信がない人(筆者含む)でも百発百中プレイを楽しめたりします。
遊びかたが豊富すぎるうえに、FPSが苦手な人へのフォローもしっかりされている本作。ゴールデンウィークのように時間がたっぷりあるときにこそ、どっぷり浸かって遊んだり、苦手意識をぐっと抑えてチャレンジしたりしていただきたいタイトルです。