いまから31年前の1990年(平成2年)4月27日は、ファミコン用ソフトの『ファイナルファンタジーIII』(以下、『FFIII』)が発売された日。
1年前に30周年をお祝いしたばかりだと思ったのですが、もう31周年なんですね。おじさんになると時間が経つのが早いです……。
ファミコン最後の『ファイナルファンタジー』ということで、思い出に残っているユーザーも多いであろう本作。いまでは2006年にニンテンドーDSで発売されたリメイク版で、初めて本作をプレイした人も多いのではないでしょうか。その後のスマートフォン版やPC版への移植はニンテンドーDS版がベースであるため、このファミコン版を知らない人は多いかも?
ストーリーは辺境の村・ウルの近くに住む4人の孤児の少年たちが、洞窟の奥でクリスタルを見つけ、そのクリスタルから世界を覆う闇を振り払う“光の戦士”に選ばれるというもの。リメイク版では主人公のひとりであるルーネスだけで冒険がはじまり、その後に3人の仲間が集まっていくという流れなので、展開が異なります。
個人的には『FFIII』はオープニングデモの「そのグルガンぞくのおとこはしずかにかたった」という一文が印象深いです。いきなりグルガン族と言われて何のことだと疑問に思った人も多いハズ。グルガン族は作中に登場する第六感の発達した民族なのですが、いきなり架空の民族の名前を出すことで、グッと世界観に引き込まれる仕掛けになっていました。
架空の存在と言えばモーグリが登場したのも『FFIII』から。リメイク版ではおなじみの「クポ」という言葉を発しますが、ファミコン版には存在しませんでした。「クポ」と言い出したのは『V』からなので、リメイク版で統一されたわけですね。なお、ファミコン版のモーグリは「ニャ―」と言ったりするのですが、いまとなってはレアです。
『FFIII』はジョブチェンジシステムによって多彩な戦略を楽しめるのも特徴でした。その重要性を教えてくれたのが中盤に登場するガルーダというボス。このガルーダはパーティ全体に大ダメージを与える“かみなり”を使ってくるのですが、竜騎士の“ジャンプ”を使っていれば喰らわずに済み、ラクに倒すことが可能でした。当時のカワチ少年はいま以上に脳筋の小学生だったので、そのことに気付かずに何度も全滅しました……。
『FFIII』と言えばラストダンジョンが長くて難しいことが有名ですが、自分としてはガルーダ戦がいちばんトラウマでした。なお、リメイク版には隠しボスとして“てつきょじん”が存在しており、これがかなりの強敵で新しいトラウマになりました。
ストーリーに関しては、水の巫女・エリアとの悲しき別れや大魔導師のドーガ&夢の世界の番人であるウネとの戦いなど、ドラマチックな展開がたくさんありましたが、個人的に思い入れがあるのは4じいさん(4人組のじいさん)。彼らはアムルに暮らしている自称・勇者で、最初は主人公たちのことを認めずに対立していたのですが、モンスターに襲われているところを助けられたことで和解するようになります。登場するときの軽快な音楽とコミカルなビジュアル、自分たちのことを勇者だと思い込んでいるお茶目な性格でお気に入りのキャラクターでした(笑)。
『FFIII』には終盤で旅で出会った仲間たちに関わる胸アツな展開がありますが、4じいさんもその一員として登場します。ゴブリンに襲われてピンチだったじいさんたちが、どうやって終盤の主人公のところまでやってきたんだろう。しかし、主人公たちのためにがんばって駆けつけてくれたと思うと感動しました……。自分は『FFIII』の思い出話をするとき、「4じいさんが好きだった」と語るのですが、「誰だっけ?」と返されることが多いんですよね。最終決戦まで駆けつけてくれたじいさんなのに。
もしも、この記事を読んで4じいさんを思い出せない人がいたら、ぜひこの機会に『FFIII』をプレイしてもらいたいです。なお、ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータなら、オリジナル版そのままのものがプレイできますよ(あ、もちろん、色褪せぬ名作なので4じいさんに関係なく全人類にプレイしてほしいです!)。