Blizzard Entertainmentが、アクションRPG『ディアブロII リザレクテッド』のPC英語版テクニカルαテストを先週末から日本時間の4月13日午前2時にかけて実施した。本誌でもテストに参加して遊んできたので、プレイリポートをお届けしよう。
最大4K解像度に対応したリマスター
まず前提として最初に書いておきたいのは、基本的なゲームプレイは2000年発売の『ディアブロII』とほぼまったく一緒ということだ。アクションRPGの金字塔となった作品を現代的な環境で快適にプレイできる、そういうストレートな目的のリマスター作である。
なので、新たなプレイコンテンツが追加されているといったことは特にない。設計が洗練される前の作品だからこその少々不便だったりするような部分も含めて「あぁこうだったなぁ」と楽しむようなゲームだ。
現代的な3D環境&光源処理による新グラフィックモード
そういった中で、グラフィックは最もわかりやすい違いの部分だろう。本作では(オリジナルがドット絵だったのに対し)3Dモデルと現代的な光源処理などを採用したリマスター版グラフィックが採用されている。
全部がドット絵で表現せざるを得なかったオリジナルに対し、リマスター版グラフィックでは全体的に締まったトーンのアートディレクションになっている感じ。好みはあると思うが、個人的には「“記憶の中の『ディアブロII』”を今風のグラフィックで再現したらこうなるよなぁ」というジャストな表現になっている印象だ。
キー一発でオリジナル版グラフィックと切替可能
新しいアートスタイルの中でも、血のトーンが比較的落ち着いたものになっているのは発表時にプレイヤーコミュニティがざわっとわいた部分だ。
新グラフィックでオリジナルと同じような血の表現にするとギャグスレスレになっちゃうと思うが、「あのやりすぎでおどろおどろしい感じがいいのだ」という意見もわかる。しかし本作ではキー一発(PC版のデフォルトはGキー)でリアルタイムにグラフィックモードを切り替えられるので(キャラの場所や建物などの表示位置もほとんど変わらない。ちょっと気持ち悪いほど)、自分で好きな方を選べばいい。
ちなみにオリジナル版グラフィックは、ドット絵になるだけでなく(ワイド画面普及以前なので)ゲーム本体の表示部分は4対3の画面比率で、フレームレートも25fpsというもの。
低フレームレートでドット絵のクリーチャーたちが這い回るのは独特の気味悪さがあって最高なのだが、近代的なゲームに慣れてしまった身には長くプレイすると疲れるのも事実。そういう時にはキー一発でリマスター版グラフィックに戻せばいい。
日和ってスイマセンが、コントローラーが便利
オリジナル版『ディアブロII』はマウス&キーボード操作でプレイするゲームで、スキル使用がファンクションキーとかに割り当てられていたりして、独特なキー配置に慣れるかカスタマイズでなんとかするという設計だ。
そんな中で、リマスター版はPC版でもゲームコントローラーに対応。キーカスタマイズをどうしていたかすっかり忘れてしまった記者には、これが地味にありがたかった。
なおバーバリアンのリープなど本来はマウスで位置を指定して発動する技は、コントローラープレイではデフォルト距離で実行する形。今回プレイした序盤の範囲では一度慣れてしまえば特に支障をきたすことはなかったが、これはエンドゲームをシビアにプレイする際は事情が変わってくるかもしれない。
独特な味となっている部分は残し、単に手間がかかっていただけの部分はサポート策を用意するという設計
ゲームプレイはほぼそのままという中で、新たなオプションが用意されている部分はコントローラー対応以外にもある。
たとえばゴールドの自動ピックアップとか複数キャラ間でアイテムを移動させるための共有収納箱の公式実装など、“そこを変えてもプレイの本質が変わらないような部分”については合理的なオプションが用意されているという印象。
一応説明しておくと、ゴールドは自動ピックアップがなくても単に任意に拾うためのクリック回数が増えるだけ。共有収納箱は地味に大きいものの、システムとして実装されていなくてもそのための“倉庫キャラ”を作って強引に実行するのがプレイヤーの常だったので、そこが便利になっても失われるものはないというワケだ。
あらためて新規にやってみるのもアリ
ところで「気になってたけど中途半端にしか知らないんだよね」という人もいるかと思う。オリジナルを知らない人には無意味かというと、なんとなく興味があるぐらいの人がやってみても損はないと思う。
というのも、今のスタンダードな設計からすると逆に新鮮だったりする発見があるのが結構面白いのだ。たとえば『ディアブロIII』なら同種のポーションは勝手にスタックしてくれるが、本作では律儀に1個ずつインベントリーの1マスを専有する。そしてポーションを使ったあと、スロットに自動で補充してくれることもない。
これはぶっちゃけめんどくさい。でも『ディアブロIII』と比較すると、限られたインベントリーの中でポーションのやりくりをどうするかという、今で言えばサバイバルゲームのような性質が強い設計になっているのがわかる。
そういった部分は他の要素にも散見することができ、クエストの目的地をあまりはっきりと教えてくれなかったりもする。これもまた先の見えないダンジョンを探索していくような感覚があるわけだ(もちろん初見以降のプレイヤーは見当がつくわけだけど)。
発売前のプレイテストは今回以外にも予定
というわけで週末プレイした限りでは、幅広い人に対応できるよう作られた非常にきっちりとしたリマスターという印象だ。なおプレイテストは今回以外にも予定されているほか、公式FAQによると「将来のテストフェーズでは家庭用ゲーム機でもプレイ可能になる予定です」とあるので、気になる人は公式サイトから登録したり、ディアブロシリーズの日本公式Twitterアカウント(@playdiablo_jp)などをフォローしておくといいだろう。