歌劇学校を舞台に、個性豊かなキャラクターが織り成す青春群像劇が楽しめるシミュレーションゲーム『ジャックジャンヌ』が、ブロッコリーよりNintendo Switch用ソフトとして2021年3月18日に発売される。 キャラクターデザインは、『東京喰種トーキョーグール』の作者として知られる石田スイ氏。キャラクターの立ち絵はもちろん、 総数160枚を超えるイベントイラストも石田氏が描き下ろしているうえ、原作、シナリオ、世界観設定も担当している。
本稿では、振付を担当しているSeishiro氏へのメールインタビューを掲載。こだわりのポイントやエピソードなどを訊いた。
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乃木坂46の『インフルエンサー』や『シンクロニシティ』などの振付を担当。海外の振付コンテストで優勝するなど、海外での評価も高い。本作では、振付を担当。
曲としっかりマッチングする振付を目指して心掛けたこと
――本作の依頼が来たときの率直な感想を教えてください。
Seishiro素直にとてもうれしかったですが、私のダンスの動きはとても細かいので、モーションキャプチャーの技術がどこまで再現してくれるのか不安な面もありました。ですが、石田スイさん直々というのもあり、スイさんが前々からTwitterやYouTubeなどで私のダンスを見てくださっていたので、「きっと理解してくれる……！」と、安心な気持ちもありました。とても光栄な案件でした。
――振付は8曲考えられたとうかがっています。この数は、ほかのお仕事と比べて多いのでしょうか？
Seishiro多いほうだと思います。何より製作期間がいつの間にか詰め詰め状態になり、1週間で8曲を仕上げたので、その1週間は取り憑かれたようにこのことばかり考えて過ごしていましたね。頭の中でつねに蒸気機関車が走り回ってるような（笑）。でも、シーンごとに表現したいイメージも明確に変わっていくため、とても作りやすく楽しい製作でした。
――振付は、どのようなやり取りを経てできあがっていくのでしょうか？ やり取りの中で、とくに印象に残っていることもお聞きしたいです。
Seishiroまずはスイさん、ブロッコリーさんとのミーティングを重ねましたね。たとえばここのシーンは、誰がどんな思いでステージのメインに立ち、プレイしてる方にどんな気持ちを与えたいか、などのバックグランドを何回も確認しました。あとは曲さえあればイメージを汲み取るのは私の仕事なので、そこを駆使して作るのみでした。作業しながらわからないところは、夜な夜なスイさんに電話を掛けて相談に乗ってもらっていました（笑）。
――振付を考えるときは、どのようにイメージを膨らませていくのですか？
Seishiroそうですね……。やはり私の場合は、振付制作には音楽の力がすごくて、音楽が持つ人に伝えたいものを汲み取ることをしますね。たとえば、悲しい旋律、楽しくてウキウキするもの、心を奮い立たせる旋律などなど、感情が音楽で左右されるように、踊りでもそこは左右されます。それが振付になり、立体的で数学的であったり花を咲かせるような形であったり、ときにキャッチーで人がどんな気持ちになるかなどを考えています。音楽は耳と心で聞くもの、ダンスは目と心で見るもの、両者ともに切っても切れない関係なので、そこがしっかりマッチングする瞬間に「これだ！」と思いながら製作しています。
――ゲームの振付を考えるうえで、とくに苦労した点を教えてください。また、本作はジャンルが“少年歌劇シミュレーションゲーム”ですが、振付を考える上で“少年歌劇”っぽさというのも意識されましたか？
Seishiroはい。意識しました。私は宝塚歌劇団など、美しい人たちがとても大好きなので、その品格の高さや立ち振る舞いなどを意識しました。今回は“少年歌劇”という、性に対して中性的なものをすごく感じたので、だからこそ品のある中に、固定概念に囚われないような表現を多く入れたいなと思いました。
――現在配信中の体験版では、ダンス曲としては『Fortune color is crystal！』を遊ぶことができます。どんなところに注目してプレイしてほしいですか？
Seishiro全体的にかわいらしくてキャッチーなシーンになっています。心が躍るような旋律に私もワクワクしながら作りましたので、プレイする皆さんもこの世界に入り込んで、笑顔でプレイしてくれたらうれしいです。何個か覚えやすい振付もあるので、ぜひ真似してみてくださいね！
――本作の発売を心待ちにしているファンや読者にメッセージをお願いします。
Seishiro本当に終始美しいゲームです。すべてのクリエイターさんたちひとりひとりが妥協を許さない、プロフェッショナルな制作期間でした。それは皆さん、石田スイさんが好きだからこそだと思います。たくさんの愛が詰まったこのゲームをどうかお楽しみに！
