海外インディーパブリッシャーのAnnapurna Interactiveから、パズルアドベンチャーゲーム『マケット』が日本語対応で配信開始。

 なお本作の対応プラットフォームはプレイステーション5/プレイステーション4/PC(Steam)で、価格はPS5/4版が1980円、PC版が定価2050円(現在は10%割引のセール中)。またプレイステーション5版はPS Plusの今月のフリープレイ提供タイトルにもなっている。

エッシャー的な再帰世界を利用したパズル

 タイトルにもなっている“マケット”とは“模型”を意味するフランス語。ゲームとしては一人称視点のパズルアドベンチャーなのだが、フィールドの中心に周囲の世界が凝縮されたミニチュアのジオラマが置かれているのが本作のポイントとなる。

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各ステージはドームの中に周囲の環境のジオラマを持っている。

 だまし絵で有名なM.C.エッシャーの一部の作品のように、この世界はミニチュア世界→実物大サイズの世界→(実物大サイズの世界をミニチュアとして内包する)もっとデカい世界といった具合に再帰的な構造になっており、ミニチュア世界で起こした変化がより大きな世界でも起こる。

 つまり実物大世界で拾ったアイテムをミニチュアの中に落としてみると、それが巨大なオブジェクトとして実物大世界にも出現する。そうやって何気ないアイテムを拡大・縮小して足場を作ったり、パズルのカギになるアイテムをジオラマの隙間から忍び込ませたりして謎を解いていくのだ。

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ジオラマにミニチュアの橋を置くとつまり……。
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例えばカギを置いて橋代わりにするなんてこともできる。

もうひとつのテーマは恋愛関係

 ゲームを進めていくと、とある男女の恋愛の記憶が背景への描き込みやカットシーンを通じて展開されていく(なおローカライズは英語音声+字幕)。

 ささいな出会いから親密になり、やがて……といった具合にふたりの物語を追っていくことになるのだが、もちろんこれがパズル世界とまったく関係ないわけではなく、テーマが連動しているのがポイント。

 あまり話をバラしてもいけないので比喩的に言うと、このパズル世界で小さなものを拡大すると違った用途が出てくるように、恋愛も近づくに連れて埋まらない違いが見つかったり、小さな問題が大きな事になったりするわけだ。

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オブジェクトに浮かび上がる文字でストーリーが語られる。
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ボイス付きの回想シーンが流れることも。イラストがアニメーションしていくのがメチャ綺麗。

 ゲーム全体はイントロを兼ねたプロローグ部分+6章で構成。それほど大きなゲームではないので、週末に一気にプレイしてしまうこともできるだろう。トレイラーなどでお洒落で大人な雰囲気と不思議なパズルの組み合わせが気になった人はぜひトライしてみて、この物語がどこに行くのか見届けて欲しい。