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おそらくこの瞬間も、期せずして本気の稲作の世界に放り込まれたプレイヤーたちが、
「ちょ……w ゲームのスキル以外に、いろんな知識と技術が必要とか、どーなってんねんこのゲーム……w」
と、“困惑しながら笑い楽しむ”という、かつてない精神状態に陥っていると思う。
大いに喜ばしいことである。
ナゼなら俺も完全にその状況に直面していて、
「このゲーム作った人って……マジで農協か何かの人なのでは……?((゚Д゚;))」
と、あまりの異色っぷりにカタカタと震えているんだけど、一方で、それがキチンとゲームとして成り立っていることには喜びを禁じ得ず、ついつい時も忘れてお米作りに没頭している次第なのである。
サクナヒメの稲作は、天界を放逐されて鬼島に到達した、その瞬間からスタートする。ざっと流れをスクショで追ってみると、
仲間の人間たちと、小さな田んぼ付きのあばら家(キチンとしたいわれのある家なのだが、とりあえず説明は割愛する)にやってきて、「ここで何か作ろう! 食い物もほとんどないし!」という話に。その流れから、
「ふむふむ。お米作りは、彼らといっしょに進めることになるわけか」
ひとり合点して安心し、
「このゲーム、古き良き時代の日本が再現されている感じで、景色を見ているだけで落ち着くんだよな~^^」
と、明日の狩りのことを考えてニコニコしていたら……!
人間が、頼りの種籾(たねもみ)を誤って水に流し((゚Д゚;))
なし崩し的にサクナヒメが稲作の中心(ていうか、唯一の戦力)ってことになっちまい、
ぼーぜんwww
ほぼひとりっきりの、お米作りが始まったのでありました(苦笑)。
1日の流れ
さあ、始まったからには腹をくくって、稲作に精を出すしかない。作業のアレコレは、かなりのデクの坊臭を漂わせている田右衛門(たうえもん)がエラソーに指導してくれるので、とりあえず言われたまま作業を行っていればよさそうだ。
まずは……お米ロードのすべての始まり、“田植え”である。どうやるのかと言うと……。
Nintendo Switch版の操作になるが、まず腰に結わえてある苗の束から、Xボタンを押して一握り分だけ手に取る。そして、よくテレビなんかで見る田植え同様、後ろに下がりながらひと苗ひと苗を、Yボタン長押しで田んぼに植えていくのだ。
上のスクショは、最初のひと握り分を植えているところ。
パッと見、キレイに植わっているように見えるけど、これが進行していくと……!
(((( ;゚Д゚)))
や、やっば……www 秩序もへったくれもない、ぐねんぐねんにヨレた無秩序田植えになっちまってるやん(((( ;゚Д゚))) 鉄腕DASHなんかだと、めちゃくちゃキレイに、簡単そうに田植えをしていなかったっけ……?(((( ;゚Д゚)))
そう……!
すでにこのへんから“ガチ臭”が漂ってきていたのだ。
なんでこんなにヨレるかというと、Rスティックで後ずさりさせながら苗を植えるんだけど、思うように真っ直ぐ下がることなんてまずできず、しかもYボタン長押しの植えタイミングがどうしてもバラバラになってしまい、
「あ、いかん……! ちょっとヨレて来ている気が……」
と気づいたころには大いに焦って、
「って、ダメだ!! ヨレてるどころか、完全に新橋の酔っ払いの軌道になってる!!! グニャグニャやあああ!!!>< へ、ヘビがのたうってるよぉぉぉおおお!!!><」
こんな、泣き言を言うハメになっている。そこで、
「た、頼むから最初からやり直させて!! ゲームって、そういうもんでしょ!?」
と、虚空の誰かに訴えかけるもすべて無駄で(苦笑)、けっきょくそのまま……、
「完了www」
米作りのリアルを追求する『天穂のサクナヒメ』は、一度手を付けたことはすべて受け入れ、
“その中での最良”
を目指していくしかないらしい。くっそ……。なんとか挽回して、秋にはメチャクチャうんまいお米を収穫してやるぞ……!
そしてここからは、ひたすら地味に田んぼの管理と、その間の食糧確保のための“狩り”にくり出すことになる。
田んぼは、稲の生育に悪影響を及ぼす雑草の引っこ抜きと、逆に好影響を及ぼす生き物の捕獲などなど、細かな作業を継続して実行しなければいけないので、家にいてもやることは山積みだ。
そしてその合間を縫って、いろいろな“仕事”も請け負う。
このへん、いかにもRPGっぽい作りになっているけど、ゲームにメリハリを付ける意味で非常に好印象だ。ちょっと目先を変えて別の作業に手を付けられるだけで、ゲームの幅が広がるからなー。
で、1日の終わりにみんなでお食事。
うーーーーん……!! なんて牧歌的!!!w 明日も、狩りに米作りにがんばるぞーーー!!
続く!
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元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。2017年に独立。編集部時代から現在に至るまでゲームエッセイを精力的に執筆し、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』、『折れてたまるか!』など、多数の著作がある。