Netmarbleより、2020年11月5日にNintendo Switch専用タイトルとしてリリースされた『セブンナイツ~時空の旅人~』。本作はスマートフォン向けゲーム『セブンナイツ』と世界観を共有した作品で、主人公のヴァネッサが伝説の魔道具サンディとともに時空を旅する、外伝的なスピンオフ作品だ。本記事では実際にプレイしてのプレイレビューをお届けする。

ラノベ的な王道ストーリー!

 ストーリーはスマホ版『セブンナイツ』と異なり、新主人公のヴァネッサが、しゃべる砂時計の魔道具・サンディとともに、時空を超えて旅を続けていく。ヴァネッサはもともと幼い少女だったのだが、時空を超えたせいか大人の身体になってしまう。そして、『セブンナイツ』の世界に沿ったような姿となり、冒険をくり広げていくのだ。

Switch『セブンナイツ~時空の旅人~』プレイレビュー。簡易的なシステムながらも奥深さアリ。原作末プレイの人でも手軽に楽しめる新作RPG
主人公のヴァネッサ
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元の姿のヴァネッサ

 まあヴァネッサはもともと魔法使いではあるので、魔法が突然使えるようになった系ではないのだが“時空を超えたら大人になって、しかも『セブンナイツ』のキャラクターたちと冒険することになったのだが”的な、いわゆる異世界転生モノといった感じ。ヴァネッサは元の世界に戻るために、『セブンナイツ』のキャラクターたちと共闘し、さまざまな時空を旅していく、というようなストーリーだ。

Switch『セブンナイツ~時空の旅人~』プレイレビュー。簡易的なシステムながらも奥深さアリ。原作末プレイの人でも手軽に楽しめる新作RPG
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 会話シーンはメインストーリー部分はすべてフルボイス。ヴァネッサ役の田村ゆかりさんを始めとした、豪華声優陣による会話劇が楽しめる。

 また、エピソードが終了すると、デフォルメされたキャラクターたちが寸劇を披露しつつ、次回予告をするというユニークな要素も。

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シーンによってはカットシーンが入ることも。
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 個人的に少し残念だと感じたのは、物語上で次元を超える前に出会った仲間たちと別れることになるのだが、次元を超えてもゲーム的には別れたはずのキャラクターをそのまま仲間として、永続的に使用できる点。スマートフォン向けのRPGでは、“物語の進行とは別に、関係のないキャラクターたちで構成されたパーティでバトルする”なんてことは日常茶飯事ではあるが、家庭用ゲームとして遊ぶと、ちょっと違和感があった。ただ、考えかたを変えれば、お気に入りの仲間を最後まで使い続けられるということでもある。

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 また、ムービーシーンは写実的な画風になるのだが、ゲームグラフィックとはかなり乖離しているように見え、個人的にはちょっと笑ってしまった。ただ、このへんは好みによるだろう。

Switch『セブンナイツ~時空の旅人~』プレイレビュー。簡易的なシステムながらも奥深さアリ。原作末プレイの人でも手軽に楽しめる新作RPG
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属性が鍵を握るリアルタイムターンバトル

 バトルはリアルタイムで進行していくターンバトルで、端的に言えば時間制限のあるターンバトルということ。味方、敵交互にターンが変わるのだが、画面左端のゲージが頂点に達した際に行動設定をしていないと強制的にターンが終了する。つまり、ゲージが溜まる前に発動するスキルを選択しなくてはならないのが手に汗握る要素で、緊張感のあるバトルが楽しめた。

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 なお、キャラクターには属性があり、属性相性の有利を取ると、敵を気絶させて行動不能にできる。しかも、すべての敵を気絶させれば、再度味方ターンになるというボーナス付き。気絶に気絶を重ねれば、“ずっと俺のターン!”なわけである。といってもスキルごとにクールタイムがあるので、全体攻撃系はクールタイムが長く、さすがに複数の敵相手に気絶に気絶を重ねるのはちょっと難しい。

 また、ボスは気絶しないので一筋縄ではいかない。攻略するには、仲間の属性と、スキル構成が重要となる。

Switch『セブンナイツ~時空の旅人~』プレイレビュー。簡易的なシステムながらも奥深さアリ。原作末プレイの人でも手軽に楽しめる新作RPG

 バトル中では、スキルを使い続けるとゲージが溜まり、必殺技的なスキルをくり出せるのもポイント。どのスキルもド派手な演出で攻撃してくれるので、見ごたえバッチリだ。

Switch『セブンナイツ~時空の旅人~』プレイレビュー。簡易的なシステムながらも奥深さアリ。原作末プレイの人でも手軽に楽しめる新作RPG

 ただ攻撃アニメーションが各キャラクター3つ用意されているとはいえ、何度も戦闘をくり返す中では「見飽きたな」と思うことも。スキップや倍速などができればよかったのだが、本作はリアルタイムでくり広げるバトルが特徴なので、そのへんの機能があると、ゲームバランスが変わってしまうということだろうか。

 とはいえ考えることは多いので、アニメーションを楽しむというよりは、技の演出が流れているその間に、つぎの1手をどうするのか考えるのが理想的な時間の使いかたという感じ。

 ゲーム難度はそこまで高くはないが、バトルの難易度調整がいつでもオプションから選択可能(イージー、ノーマル、ハード)。自分の好みの難易度で戦おう。

マップ移動はボードゲームチック!

 ゲームの基本は拠点からスタート。拠点ではアイテムショップで装備の購入などができるほか、サブコンテンツ、ダウンロードコンテンツにアクセスできる。また、ゲームのメインとなる、各次元に点在するワープポイントにジャンプできる。ようは拠点で準備し、フィールドに出撃して進めていくというのがゲームの流れ。

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 フィールドでは、マス目で分かれた道を探索して進んでいく。フィールドには敵が存在するほか、宝箱や“アルカナカード”といったキャラクターのエピソードを解放するのに使うアイテムなどが拾える。中にはサブクエストのようなものも存在。

 バトルで受けたダメージは回復アイテムを使用するか、バトル中の回復スキルで回復できるほか、ワープポイントから拠点に戻れば回復可能。パーティ全体が危なくなったら、拠点に戻って再出撃しよう。ただ、1度拠点に戻ると倒した敵も復活してしまう。逆に言えば、経験値稼ぎなどが気軽にできるということだ。

Switch『セブンナイツ~時空の旅人~』プレイレビュー。簡易的なシステムながらも奥深さアリ。原作末プレイの人でも手軽に楽しめる新作RPG
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 マス目を進む操作感が、まるでボードゲームのような感覚で遊べるのがポイント。宝箱を開ける方法が、鍵を使わない方法などが用意されていたりするのも、なんだか古き良きダンジョンRPGを遊んでいるような感覚で楽しめるのが好印象。

Switch『セブンナイツ~時空の旅人~』プレイレビュー。簡易的なシステムながらも奥深さアリ。原作末プレイの人でも手軽に楽しめる新作RPG
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取得してないアイテム数が表示されるなど、ついついマップを踏破したくなる要素が満載だ。

お求めやすい価格なのがグッド!

 ゲームの基本は以上となっており、ヴァネッサが次元を超えては問題を解決し、次元の扉を閉じたらエピソードが終了。つぎの次元の扉を開き、新たな仲間たちと出会っていくというような内容だ。

 このほかにもサブコンテンツなどが盛りだくさんだが、今回はプレイレビューでは割愛。どういった内容のものなのかは、下記記事に詳細を掲載しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

Switch『セブンナイツ~時空の旅人~』プレイレビュー。簡易的なシステムながらも奥深さアリ。原作末プレイの人でも手軽に楽しめる新作RPG
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 バトルや探索、育成要素など、ゲーム全体はカジュアルな作りなので、誰でも気軽に遊びやすいタイトルと言えるだろう。やや気になるところや詰めの甘い部分も見受けられるが、価格も通常版が1980円(税込)、コスチュームを変更するDLCがすべて含まれたスペシャル版が2780円(税込)と、非常に購入しやすい値段設定なので、そのへんは大目に見たいところ! 興味のある人は、ぜひダウンロードしてみてほしい。

Switch『セブンナイツ~時空の旅人~』プレイレビュー。簡易的なシステムながらも奥深さアリ。原作末プレイの人でも手軽に楽しめる新作RPG
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