アクティビジョンのミリタリーFPSシリーズ最新作『コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー』の日本国内向けQ&Aセッションがオンラインで行われた。本誌も参加してきたので、そこで明かされた内容を紹介しよう。
なお本作では、10月9日からプレイステーション4を皮切りに順次オープンβテストを開催予定。Q&Aセッションの数時間前にはメイン開発元のTreyarchが公式ブログ記事を公開し、先行して行われたαテスト版のフィードバックを受けたβテスト版での改善点を公表している。
その内容は、武器のバランスやディテール、細かいシステムの仕様まで、少なからずネガティブなフィードバックのあった部分がかなり改善点として挙がっており、心配していた人にはかなり必見のもの。今回の質疑応答でもいくらかそのあたりがカバーされているので、ぜひチェックしてみて欲しい。
システム面について
次世代機関連
次世代機対応が予定されている本作だが、個人的に気になったのがプレイステーション5のDualSenseコントローラーの売りのひとつであるアダプティブトリガーの反撥力などが自分に合わない場合、調整できるのかということ。
これについての回答はイエス。プレイステーション5版ではアダプティブトリガーの反撥やハプティックフィードバックの振動の強さなどをスライダーによって調整でき、無効にすることもできるという。
またPC版のようにFOVスライダーで視野角を変更できるようになっているほか、次世代機の3Dオーディオ関連の機能にも対応する(ただし現世代機でも3Dオーディオ機能自体はあり、FOVスライダーもβテスト版から全対応プラットフォームに搭載される)。
一方でこれまでのPC版同様、クロスプレイ対戦する上でプラットフォームによる有利不利は生まれないように配慮されており、反応を処理する上でのサーバーのTick Rateやクライント側での内部的な処理などは60hzの頻度で行われ、高フレームレートで安定したグラフィックという以上のゲーム的有利はないように目指している(ただしバランス調整のため、βテスト版からコントローラープレイヤー向けにスナイパーライフルのエイムアシストが導入されていたりする)。
成長システムについて
βではβ用の成長システムが用意され、レベルアップして銃などをアンロックしていける。
製品版ではマルチプレイやゾンビモードやウォーゾーンをまたいだ成長システムとなり、どのモードでもレベルアップを進めていける。(質問にあったプレステージシステムなど)それ以上の詳細は今後別途公開予定。
ゲームデザイン関連
コンバインドアームズモードについて
コンバインドアームズは12対12で大型ビークルなども出てくる通常モードの変種で、αテストでプレイできたのはドミネーションルールのコンバインドアームズ版となる。
βテストではコンバインドアームズアサルトというモードが登場する。これは両軍がひとつの目標をめぐって争うもので、確保に成功すると相手を押し込んでいける。Armadaマップでの例では、中央の船を確保するとリスポーン(再復活)地点がそこに代わり、最終ゾーンとして相手チームの船に攻め込めるようになる。
ローンチではさらにハードポイントの変種であるコンバインドアームズハードポイントが加わり、3つのコンバインドアームズがプレイ可能になる。その代わり今回はGround Warモードがないことを確認しており、バトルロイヤルモードであるWarzone以外の大規模戦は、コンバインドアームズの各バージョンや、40人参加のFireTeamモードで楽しむということになるようだ。
αテストでのフィードバックからの変更
前述の通りβテストに向けてさまざまな変更を行っており、スタジオの公式ブログで公開中。αテストで散見されたネガティブな反応には「AK-74uが強すぎる」、「戦車やガンボートなどの大型ビークルを相手にするのが辛い」、「銃のディテールが『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』と比較すると物足りない」といったものや、スコアストリークシステムの仕様に関するものなどがあったが、見た限りではほぼ全て調整が入っている感じ。
またモード個別で気になった部分として、VIPエスコートでVIPの脱出開始から完了までの時間が短く逆サイドにいた防衛側プレイヤーが追いつけない点について聞いてみたのだが、これは開発でも重々認識しており、βテストではタイマーが少し長く設定されているという。全般的にβテストからローンチまでの間でも改善を行っていく予定だとか。
スコアストリークについて
今作のスコアストリークの設計は、強いプレイヤーに連打されると辛いが、スコアストリークを弱くすると満足感が減ってしまい、一方でそもそも発動できる人も限られているという課題の解決が発端。
まずは死んでもスコアストリークが失われないように。逆にキルストリークシステムのように死なずに連続してキルした場合の報酬としてボーナス倍率がつくように。そしてあまり乱用されないようにスコアストリーク使用後に再獲得可能になるまでのクールダウンタイムが設けられている。
これによってキルよりもオブジェクティブ(攻略対象)に積極的に絡んでいってスコアを稼ぐタイプのプレイヤーも、やられてスコアストリークを失う心配をせずにオブジェクティブの確保に向かえるようになっている。ちなみにα版からの変更点でも、ドミネーション、キルコンファームド、ハードポイントでオブジェクティブでのスコア獲得が増えている旨が記載されている。
スペシャリストシステムやミニマップなどのBO4からの変更について
初代ブラックオプスのインパクトに現在のスタイルで立ち返るというコンセプトがあり、ミニマップについてはブラックオプス4では異なるアプローチをしたものの、今回は初期のスタイルに戻って、ミニマップを通じてより情報が得られるようになっている。ただしそこばかりに注目しないようなバランスにしたいとのコメント。
スペシャリストシステムでやろうとしたことは部分的にスコアストリークやフィールドアップグレードなどのシステムに分散されていて、クラシックなコールオブデューティのゲームプレイの中に練り込まれている。
移動について
アグレッシブなプレイとディフェンシブなプレイのバランスの取れた両立を目指しており、スライディングは主に障害物に駆け込むディフェンスを意図して設計。アグレッシブに攻める上で乱用されるのは本意ではないそうで、速度ペナルティを避けるスライディングキャンセルテクについてはβテスト版で対策が行われている。
足音については、プレイヤーの選択を重視している。例えばしゃがんで歩いて進む場合、プレイヤーがステルスで行くことを選択したことを意味するので、周囲の敵にはほとんど音が聞こえないようになった。これはβテスト版での変更点のひとつでもあり、Perkは必要ない。
普通に歩いたり早足する場合は少し聞こえるようになり、走る場合はある程度の距離からも聞こえる。足音を低減するNinja Perkはαテストのフィードバックを受けて強化され、聞こえる音量や距離が50%減少した。
マップの設計について
サテライトマップで砂漠に落下した人工衛星を中心に戦うように、マップの環境を通じてストーリーを感じられるようになっている。
なおβテストではカルテルというマップが追加される。これは旧作に登場したメネンデスのドラッグカルテルの隠れ家がテーマになっていて、コカ畑の中を通っていったりする場面があるとか。