ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”にて、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターを直撃。今回は、Cygames(サイゲームス)を訪問した。

 2011年に設立されたCygamesは、『グランブルーファンタジー』や『シャドウバース』、『プリンセスコネクト! Re:Dive』などのスマートフォンアプリ向けの人気IP(知的財産)であまりにもおなじみのゲームメーカー。2018年には任天堂とコラボしての『ドラガリアロスト』を配信して話題を集めた。

 家庭用ゲーム機向けゲームにも積極的に取り組んでおり、2020年2月にはアークシステムワークス開発による『グランブルーファンタジー ヴァーサス』を発売している。

エイジ氏

Cygames プランナー

大規模開発に心惹かれてCygamesへ

――まずは、エイジさんの経歴を簡単に教えてください。

エイジ自分は高校を卒業した後に、名古屋のトライデントという専門学校でプログラムの勉強をして、そのままゲーム会社にプログラマーとして入社しました。ゲーム開発の部署としては数十人規模の小さい会社だったので、プログラマーと同時に企画職もこなすようになって、そこで7、8年ほど働いてから、5年ほど前に転職してCygamesに入社しました。

――そのタイミングで名古屋から東京に出てこられたのですね。東京に出たいという思いはあったのですか?

エイジ名古屋近辺だとゲーム会社が少ないというのもありますが、転職前は10人足らずのチームのディレクターとしてゲームを作っていて、もうちょっと規模の大きなプロジェクトを手掛けてみたいという気持ちが湧き上がってきたんです。そんななか、Cygamesが2015年に『シャドウバース』など、自分が好きなジャンルのゲームがいくつか発表されて気になったんですよ。それで、「Cygamesいいな」ということで転職を考えました。

――東京で……というよりは大規模での開発がポイントだったわけですね。ちなみに、エイジさんは幼少期からゲームがお好きだったのでしょうか?

エイジゲームは昔から好きでしたね。ぼんやりとゲーム業界に行きたいなとも思っていて、本格的に考えるようになったのは高校生になってから、就職先を考え始めたときでした。高校2年生ぐらいのときに授業でプログラムを触るようになって、「これを仕事にしたいな」と考えたときに、やっぱり作っていて楽しいのがゲームだったので、改めてゲーム業界を目指すようになりました。

――人生に影響を与えたかもしれない、と思うゲームはありますか?

エイジコンピューターゲームで言うと、いちばん遊んだのは『ファイアーエムブレム』です。シミュレーション系がすごく好きだったので、そういったソフトはよく遊んでいました。中学高校のころは、カードゲームの『マジック・ザ・ギャザリング』(以下、『MTG』)を競技的にガッツリ遊んでいたので、そのあたりでゲームとの関わりかたを強く考えるようになりました。

――『ファイアーエムブレム』と『MTG』という組み合わせから、頭を使うタイプのゲームがお好きな印象を受けますね。

エイジアクションゲームは苦手ではあります(笑)。

――プログラマーとして入社した前職さんでは企画職もこなすようになっていったとのことですが、どういった経緯で企画職も担当されることになったのですか?

エイジそもそも、前職にプランナーいう職がなかったんですよ。デザイナーかプログラマーしかいなかったので、そのなかで企画を出していって、部長ポジションの人がプロデューサー、企画を出した人間がディレクター、みたいな形だったんです。

――おもしろいですね。

エイジ自分もプログラマーとして入って、最初はアドベンチャーゲームなどの開発に入っていたのですが、麻雀ゲームやシミュレーションゲームを作りたくて、企画を出していくうちに企画職の仕事も増えていった、という感じです。

――企画を出された際も、プログラマーとしてのお仕事は兼任されていたのですか?

エイジそうですね。ですので、企画とプログラムの両方を触れたというのは、スキルアップにも役立ったかなと思います。

――現在、Cygamesさんではどのようなお仕事をされているのですか?

エイジプランナー職として転職して半年ぐらいは新規タイトルの開発チームにいたのですが、現在は『グランブルーファンタジー』(以下、『グラブル』)のチームでプランナーというポジションになっています。具体的には、メインクエスト追加にあたってのバトル設計や諸々のプランニング、新規コンテンツやイベント、ゲーム内コンテンツなどを担当しています。

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いいものを作るためには1ピクセルたりとも妥協をしない

――Cygamesさんに入られての印象はいかがでしたか?

エイジ最初に新規タイトルのチームに入ったときにも、やはりデザイナーやエンジニアに技術力がすごく高い人が多くて、かなり圧倒されました。規模感もだいぶ違っていて、自分がこれまでやってきたゲーム開発とは大きく違うんだな、というのを最初に実感しました。

――カルチャーギャップのようなものがあったのですね?

エイジかなりありました。技術的な面でもそうですし、前職はゲーム以外にパチンコや自動販売機用の製品なども作っている会社だったので、ゲーム開発部でもゲーム好きがそんなに多いわけではなかったんですよ。でも、Cygamesではエンジニアやデザイナーでもゲームがすごく好きな人ばかりなので、そういう話がスムーズにできるのも大きかったです。

――ちなみに、『グラブル』の開発規模はどの程度なのですか?

エイジいまは、数百人単位です。

――それはすごいですね。小規模での開発に比べて、大規模開発でのメリット、デメリットは何でしょう?

エイジ大規模の開発の場合、伝言リレーになってしまったり、名前と顔が一致しないといったことが起こる可能性があります。そういったデメリットが開発に影響を与えないように、開発フローが整えられているので、そういうところはすごく勉強になりますね。

――技術力やチームの規模など、あらゆる面でそれまでとは異なる環境に変わったわけですが、そこでとまどったりはしませんでしたか?

エイジ少しはありましたが、いい環境だなと思ったので、まわりのレベルは高いけど、あとはもうやっていくしかないな、と開き直っていました(笑)。妻と子を連れて名古屋を出てきたので、そこでやっぱり嫌ですとは言えないので……。自分が楽観的なほうなのもあって、不安のようなものはあまりなかったです。

――Cygamesさんには、“いいものを作るためには妥協をしない”といった雰囲気があるそうですが、実際のところいかがですか?

エイジそんなにたくさんの会社を体験しているわけではないので、客観的な意見になるかどうかはわからないのですが、“妥協しない”という感覚に関して言えば、そこは徹底していると思います。たとえばグラフィックで言うと、成果物をディレクターが確認した際に、「ここをもう1ピクセルだけずらして」といった指示を受けることがけっこうあるんですよ。

――1ピクセルですか? そんな違いがわかるのですね。

エイジ本当に、それぐらい細かいレベルで見てもらえるんですよ。実際、エンジニアに確認してもらったら本当にずれていたりするので、ディレクターの目はすごく鋭いです。

――そういった小さな部分まで曖昧にしないという社風があるのですね。

エイジそうですね。自分は途中からチームに入ったので断言はできませんけど、社長から、上から順にそういう考えが下りてきているから、自然とそうなっていくのかな、と思います。ですので、自分としても仕事に妥協はできないな、という風には感じています。

――チーム内で間違いなどを指摘する際にも、遠慮なく言い合えますか?

エイジはい。その相手を責めるのではなくて、作っているものがいいか悪いか、みたいな話なので、誰にでも気軽に言える空気はあります。たとえば、「この画面はここにボタンを置いて遷移を作ったほうが便利じゃないか?」、「この仕様だとこういうときに困るから、こうしたら?」みたいな話は、デバッグチームやエンジニアからも指摘をもらうので、そういう部分にもしっかり対応していく、という感じです。

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2014年から配信している『グランブルーファンタジー』。

じつは麻雀が大好きで……

――お仕事以外の面で、Cygamesさんに転職されてよかったことはありますか?

エイジ自分は麻雀が趣味なのですが、その趣味でつながれる人がいっぱいいるのはうれしかったですね。いまはこういう状況なのでできていませんが、以前は仕事終わりにちょくちょく麻雀を打ちに行ってました。ほかにも、部活などで趣味を共有できる場があるので、そこもいいところだと思います。

――そういった部活動は、巡り巡ってゲーム開発に活きるから、といった発想で行われているのでしょうか?

エイジその面もあると思います。ただ、単純にコミュニケーションとして、ふだん関わりのないチーム外の人に相談するきっかけになったりもするので、仕事面でもそれ以外でもメリットはいっぱいありますよ。

――ちなみに、麻雀が『グラブル』の企画作りに役立ったりしたことは……?(笑)

エイジ直接役立ったことはあまりないかもしれないですね(笑)。

――ちょっと気になるのでうかがってしまいますが、麻雀に関連して、何か印象的なエピソードはありますか?

エイジたまたまではありますけど、Cygamesに入ったことで、親会社のサイバーエージェントの代表取締役社長である藤田晋さんも麻雀が好きなので、そこでつながったりはしています。サイバーエージェント全体でのリーグ戦が開催されたりもするので、そういうときには藤田さんと同卓になることもあります。

――さらに気になるのでうかがってしまいますが、麻雀のおもしろさは、どういった部分にあると思いますか?

エイジお答えするのがむずかしいことをお聞きになりますね(笑)。運ゲーだと言われることも多いと思いますけど、実際のところ運と実力の割合は7:3ぐらいだと思うんですよ。毎回盤面の条件が違って、つねに考える余地があるところが個人的には好きです。あとは、ひたすら遊んで経験則を貯めていくゲームだと思うので、極めることは多分なくて、一生遊べるところが魅力ですね。

ファンをがっかりさせないためにもスケジュールは厳守する

――エイジさんがゲーム開発を行うにあたって、こだわっていることは何でしょうか?

エイジ『グラブル』は運用型のゲームで、3ヵ月、4ヵ月、あるいはもっと先まで、どこで何をするかというのがある程度決まっているので、そのスケジュールを絶対に遅らせてはいけない、というのがまず第一にあります。プランナーは2ヵ月先、3ヵ月先の施策の仕様を固めるところから仕事が始まるのですが、そこが長引いてしまうとリリースが遅れてしまったり、後ろの行程でエンジニアに無理をさせることになるので、スケジュールを厳守することをまず考えています。

――何を置いてもスケジュールは重視しなければいけないということですね。

エイジかつ、それでクオリティーを疎かにしていいという話ではないので、クオリティーを高く保ちつつ、スケジュールもきびしく考えつつ、というところですね。

――クオリティーを高く保つためにもスケジュール管理をしっかりしないといけないということですね。クオリティーのためにスケジュールを延ばすという発想はちょっと違うということですね。耳が痛いです。

エイジ場合によってはクオリティーが足りないからリリースを延ばす、ということもあるのですが、こちらとしてはユーザーの皆さんが楽しみにしているところなので、絶対に遅れせられないし、低いクオリティーのものは出せないというのは、両方とも大事な部分です。

――スケジュールを確保しつつ、クオリティーを高めるためのポイントは何でしょう?

エイジひたすらにいろいろなゲームを遊んでインプットを深めることです。いざアウトプットとして最初に作る仕様を脳内や紙面で固める際に、事前にどこまで考えておけるか、というのがすべてですね。

――考えに考えても納得いくものにならない、という場合の対処法はありますか?

エイジ最終的に何がこのゲームにとっていちばんいいのか、クオリティーとして認められるか、というのはディレクターの判断になるので、こちらが悩んだ場合は、とにかく案をたくさん出すという形で対応しています。

――そうして出した案がまわりやディレクターの意見によってブラッシュアップされていくこともある?

エイジそうですね。こちらが案を出して、ディレクターからフィードバックを受けて、また別の案を出して……、というラリーをくり返しています。ディレクターがクオリティーや方向性を決めるための案を出していくのが、プランナーが最初に行う業務ですね。そこで時間を使いすぎないように、スケジュールは先に切っておいて、そのなかで何とかするという感じです。

――ディレクターさんに言われて印象的だったことはありますか?

エイジ最近はあまりないのですが、かつては年に1回くらいディレクターからレクチャーを受けることがありました。印象深いのは、シナリオライターさんに対する発注の仕方です。『グラブル』は、シナリオに関してはシナリオチームのライターさんにお任せしているのですが、シナリオの作成をお願いする際に、「ただ丸投げするのではなくて、どうやったらライターが考えやすいかというのを、プランナーが舵を取らないといけないんですよ」、と言われたことですね。

――ああ、なるほど。で、「最近はあまりない」、ということは、転職されてからの5年間で、エイジさんがスキルアップしていって、ディレクターさんの要望に適うようになってきているということですね?

エイジ少しずつは成長していると思います。注意されたことは二度とくり返さないようにしていますし、『グラブル』チームに入ったことでかなりスキルアップできていると感じます。

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『グラブル』チームは数字の話は一切しない

――『グラブル』の開発チームで重視していること、あるいは特徴と言えるようなことはありますか?

エイジ以前、別の会社さんから出向で来ていたプランナーの方が驚いていたのは、『グラブル』チームはその日の売上げやアクティブユーザー数など、数字の話を一切しないということでした。僕も前の会社にいたときは毎日そういう数字を気にしていたのですが、『グラブル』チームに入ってからは、確かにそういう話を一切していなかったんです。

――なんと、それは意外ですね。

エイジもちろん、プロデューサーや上の立場の方々はそういった面を考えて施策を出しているのですが、現場レベルではガチャなどに関わる人以外は、そこまで数字の話題に触れる機会はないんです。どちらかというと、いいものをちゃんと作ればユーザーは遊んでくれるし、ついてくるはずだ、という発想なんです。「数字が伸びるからこうしよう」、みたいな発想はあまりないです。

――このイベントの反応がよかったからつぎも同じように、みたいな判断をしているわけではない?

エイジそうですね。それよりも、たとえば「本当はいい機能なのにユーザーさんが気づいていなくて、導線が悪いんじゃないか」、みたいな話をするときにも数字的な解析を使ってはいないんです。それよりも、開発メンバーはみんな『グラブル』を遊んでいるので、「ここ、ちょっと使いづらくない?」みたいな意見が出てきて、それに応じてプランナーが動く、みたいな流れです。そういう部分に関しては、わりとアナログかもしれないです。

――現場レベルでは数字を細かく気にしているわけではないんですねえ……。

エイジ数字自体は自由に確認できるので、見ようと思えば個々人で見ることもできますけど、それを指標にしよう、という空気はないですね。

――そのスタンスで結果を出し続けているというのは興味深いですね。

エイジ確かにそうですね。意外とそこが秘訣なのかもしれないです。そこはまだ自分も把握し切れていないです。

――では、『グラブル』を『グラブル』たらしめているものは何だと思いますか?

エイジ難しいですね。ひとつ思うのは、たとえば多くのゲームは探せば似たようなタイトルがあるじゃないですか。でも、『グラブル』に似たタイトルは意外とないんですよ。そこは客観的に見て不思議なゲームだなと思います。『グラブル』と同じ育成システムのゲームを挙げろと言われても、パッと思いつかないんですよね。

――とにかくほかのゲームとは異なるということですね。

エイジこれは課題の部分でもあるのですが、『グラブル』ってすごく複雑なんです。育成の仕方ひとつ取っても複雑で、たぶんそれっぽく真似をしてもぐちゃぐちゃなゲームになってしまう。そこをうまくまとめているディレクターの手腕も大きいのかなと思います。いま新しく同じようなゲームを作っても、たぶんユーザーさんは来ないし、理解もされないと思います。でも、『グラブル』は、それがなんとか成り立っているのかな、と。

――それは世界観の魅力やキャラクターの魅力とは、また違う部分なのでしょうか?

エイジそれもあるとは思います。世界観などから入ってくる人もいれば、複雑なシステムがいい、というゲーム好きの感覚をくすぐるところもあって、両方の側面があるから人気なのかなとは思います。逆に、世界観が好きで軽く遊んでみようと思った人に、複雑なゲーム性をどう理解してもらうか、というのは大きな課題ですね。

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似たタイトルがあまりないところが人気の秘密のひとつという『グランブルーファンタジー』。

プランナーとしてのスキルが鍛えられる場

――『グラブル』チームでプランナーとして働いてきて、とくにやりがいを感じる瞬間は?

エイジ月並みですが、やはり自分がやっていたメインクエストの更新についての声が聞けたときです。いま140章まであるメインクエストの制作を自分が担当しているのですが、メインクエストってソーシャルゲームにおいては必ずしもプレイするものとは限らなくて、育成を主眼においている人は見向きもしなかったりするんです。でも、『グラブル』ではシナリオを楽しみにしてくれている人がたくさんいて、Twitterなどで自分の担当箇所をいいと言ってくれているような声は、すごく励みになります。

――SNSなどの意見はふだんからチェックされているのですか?

エイジ新規コンテンツのリリース直後などはとくに、不具合の報告があるかもしれないのでチェックしています。そういったところで、喜んでくれている声が聞こえてくるのが、いちばんうれしいですね。

――社内の雰囲気について伺いたいのですが、社内交流などはいかがですか?

エイジ先ほどお話ししたように以前勤めていた会社では、ゲーム開発部でもゲーム好きばかりというわけではなくて、自分以外にスマートフォンのゲームを触っている人もいなかったんですよ。日々、「遊んでみよう」と誘ってみたり、「毎日1個ずつアプリを紹介していこう」、みたいなこともやっていたのですが、「プライベートな時間にゲームをやれというのは止めてください」みたいな声もあって……。それはそれでなるほど、とも思っていたんです。

――ゲーム開発の現場ながらに、ゲーム好きとしては肩身が狭そうですね。

エイジでもCygamesに入ってからは、たとえば業務中に「こんなタイトルが出たよ」という話をすると、誰かが反応してまわりといっしょにインストールしてプレイしてみて、意見を交わしたりするというようなことがよくあるんです。そこは、以前だとできなかったことだなと思います。いまはテレワークなのでそういう機会が少なくなってしまっているのは残念ですけど。

――なるほど。ちなみに福利厚生の面でアピールしたいポイントはありますか?

エイジいちばんアピールしたいのは、社内に雀卓があることですね(笑)。

――社内にですか!

エイジオフィス内にどーんとあります(笑)。さすがに業務中には触らないのですが、テレワークになる前は昼休みになるとご飯を食べ終わった人が集まって、1半荘だけ打っていましたね。社長や人事部長も麻雀が好きなので、毎日みんなで集まって打っていました。

――すごいですね。リラックスもできそうですし、午後の仕事の励みにもなりそうです。ほかにもそういったものはあるのですか?

エイジさすがにビリヤード台などはありませんけど、マンガ棚があったり、各種ゲーム機があったりするので、昼休みにはそれぞれマンガを読んだりゲームを遊んだりしている人もいますよ。

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オフィスには雀卓が。平常時は昼休みに半荘打っていたという。リフレッシュに最適かも。

――ちなみに、スタッフのスキルアップのために、社内で取り組まれていることなどはありますか?

エイジプログラミングの技術書などはひと通り揃っていて、エンジニアとしてはけっこう助かると思います。プランナーのスキルと言うとちょっとわかりづらいものが多いと思うのですが、たとえばコミュニケーションのコツみたいなことは伝えるようにしています。「この人に頼む場合はこう頼んだほうがいい」とか、ディレクターからなかなかオーケーが出ないときは、「こういうタイミングでこういうアプローチをかけるといいよ」とか。

――決まった方法というより、経験則で培ってきたものを伝えている感じですね(笑)。

エイジそうですね。個人的なことで言えば、自分から何かを教えに行くというよりも、相手が質問しやすい空気を作るようにしています。

――現在、『グラブル』チームではプランナーを採用中ということですが、どのような人材を求めていますか?

エイジ一番は、言ったことをちゃんと聞いてくれる素直さみたいなところが大事だと思っています。グラブルなりの正解や、経験則や過去の事例から決まっている事などもあるので、それをしっかり実戦していかなとやはり失敗することが増えてしまいますから。あとは、『グラブル』は7年近く運営していて、先ほども言った通りすごく複雑なゲームなので、いまから覚えるのはけっこうたいへんです。内部的につながりがあって気を付けないといけない部分も、ゲームを知っている人のほうが理解しやすいと思います。

――そうなると、『グラブル』をプレイしていない人はきびしいのでしょうか?

エイジ絶対ではないですけど、触っておいたほうがいいとは思います。Cygamesに入ろうと希望してからでもぜんぜんいいので、とりあえずやってみてもらったほうがいいですね。自分がチームに入ったときは『グラブル』を何も知らない状態で、ゼロから勉強したのですが、それでも何とかなったので、現時点でプレイしていない人も、プレイしていないからといって、諦めないでくれればと思います。

――ほかのタイトルと比べて『グラブル』のプランナー職を推すとしたら、どのようなポイントをアピールしますか?

エイジディレクターがかなり凄腕なので、そのもとで働くなかで自分が成長したという実感がすごくあります。プランナーとしてのスキルはすごく鍛えられる場所だなと思います。

――プランナーとしての成長を望む人にはいい環境ということですね。

エイジそうですね。グラブルのディレクターは本当に、グラフィック、サウンド、プログラム、シナリオ、すべてを高いレベルでこなせる超人なんですよ。自分でPVも作ってしまったりとか。そういう人はあまりいないと思うので、同じチームで働いてさまざまな面で刺激を受けるというのも、大きいと思います。

――最後に、転職を考えている方々にひと言お願いします。

エイジ自分が転職した理由のひとつは、10人くらいの小規模ではなくて、大規模な開発をしっかりと経験したいというところでした。いまだと『グラブル』は数百人規模のチーム、しかも運用型で、日々時間に追われながら運営をしていくという体験は、なかなかできないものだと思います。今後、スマートフォンアプリでもコンシューマータイトルでも、運用という部分はすごく重要なものになっていくでしょうし、『グラブル』はかなりのスピード感で運用をしているので、いまこのタイミングでそこを体験しておくのは、すごくプラスになるはずです。

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Cygamesってどんな会社?

 2011年設立後、サイバーエージェントグループとしてモバイル向けゲームアプリを開発。『グランブルーファンタジー』や『シャドウバース』、『プリンセスコネクト! Re:Dive』などはあまりにもおなじみ。2018年には任天堂とコラボしての『ドラガリアロスト』を配信して、大きな話題を集めた。家庭用ゲーム機向けゲームにも積極的に取り組んでおり、今年2月にはアークシステムワークス開発による『グランブルーファンタジー ヴァーサス』を発売している。サッカーファンにとってポイントが高いのは、イタリア・セリエAのトップクラブ、ユヴェントスとスポンサー契約を締結していること!

  • 代表取締役社長:渡邊 耕一
  • 設立年月日:2011年5月
  • 事業内容:ゲームの企画・開発・運営、アニメーション製作、投資支援
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アークシステムワークス開発による『グランブルーファンタジー ヴァーサス』は今年2月にリリースされ大きな話題を集めた。