エレクトロニック・アーツの人生シミュレーションゲーム『The Sims 4』では、2020年9月8日にSF映画『スター・ウォーズ』とコラボした拡張パック『The Sims 4 Star Wars:Journey to Batuu Game Pack』を配信する。今回ひと足先に英語版の本パックをプレイできたので、その内容をご紹介しよう。
ギャラクシーズ・エッジのブラック・スパイアを再現
本拡張パックのテーマとなっているのは、スター・ウォーズ新三部作の世界。中でも、アメリカの各ディズニーランドなどにあるテーマランド“スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ”と同じく、惑星バトゥーの入植地“ブラック・スパイア・アウトポスト”を再現したものとなっている。
ゲーム中でもバトゥーはシム(キャラクター)のためのバケーション先の扱いになっており、ゲーム内の携帯からトラベル先を選ぶことで移動可能。ちなみにプレイには『The Sims 4』本編が必要だが、作ったばかりの新キャラでもゲーム開始後すぐにバトゥーに飛ぶことができる。
なおバトゥーは3つのエリアで構成されており、ブラックスパイアの中心街の両脇に、レジスタンスが潜んでいるエリアとファースト・オーダーの基地エリアがそれぞれあるという形になっている。
建物などもギャラクシーズ・エッジの設定を踏襲しており、例えばブラックスパイアの中心街にあるバー“オーガのカンティーナ”では、実物同様に飲食したりDJドロイドの流す音楽に合わせてストレス発散できる。
レジスタンス、ファースト・オーダー、ならず者の3勢力に所属可能
バトゥーにはレジスタンス、ファースト・オーダー、ならず者の3種類の勢力がおり、それぞれのミッションをプレイすることで組織内で昇進していける。
レジスタンスにはレイとヴァイ・モラディとT-70 X-ウィング、ファースト・オーダーにはカイロ・レンとアグノンとTIEエシュロン、ならず者にはホンドー・オナカーとミレニアム・ファルコンといった具合に原作キャラやメカが登場するようになっており、その中に自分のシムがしれっと入っていくのはちょっと面白い。
レジスタンスにつくか、ファースト・オーダーに従うか……。
実は3種類のどれかひとつを選ばないといけないということはなく、“レジスタンスとならず者”か“ファースト・オーダーとならず者”といった複数所属も可能。ただしレジスタンスとファースト・オーダーの両方を同時に進めることはできず、レジスタンスでプレイしていてファースト・オーダーをやりたくなったような場合は、ファースト・オーダー加入の際にレジスタンスで高めた支持を破棄しなくてはならない。
勢力ごとのミッションは、序盤は「この制御パネルをハックして中の収蔵物を盗んでこい」といった地味な地上任務が多いが、次第にそれぞれの勢力の機体で宇宙に飛び出ることもでてくる。
とはいえ他の惑星にも行けるというわけではなく、その冒険の過程がテキストとイメージイラストで示され、行動を選択することで進んでいくという簡易的な描写に留まっている(なお一定の能力値やアイテムを持っていないと選べない選択肢もある)。
ちなみにハッキングは頻出する要素なので、プログラミングスキルが高いシムはバトゥーでの暮らしを比較的快適に進められるはずだ。
ライトセーバーやドロイドも作れる!(が、細かいことは気にしない仕様)
そしてバトゥーでギャラクシーズ・エッジのように自分のライトセーバーやドロイドを作れるというのもポイントのひとつ。しかも、他のおみやげとともに元の世界へと持ち帰れる。
ドロイドはミッションでも結構役立つ存在で、シムの代わりにハッキングをやってもらったり、見回りが来た時に注意をひきつけてもらうといったことができる(ただしそれらの機能は元の世界では使えない)。
一方ライトセーバーも、専用のチャレンジミッションが用意されていたり、原作キャラに特訓してもらえたりと、なかなか手が込んでいる。
しかし本来ジェダイが鍛錬の末に入手するものであるはずが、カイバークリスタルも柄も序盤のミッションでポロポロ手に入ってしまうし、なんなら店でも売っている。つまり完全に“ギャラクシーズ・エッジ仕様のお手軽さ”になっているので、原作設定重視の人はその辺を心しておくといいだろう。
温度感やクセがわかれば楽しくなってくる
というわけで本パック、“リアルな華々しいスター・ウォーズ世界にシムが行くというよりも、地味な部分が楽しいシム世界のそれにスター・ウォーズが加わる”であり、かつ“スター・ウォーズ準拠というよりもギャラクシーズ・エッジ準拠”といった塩梅の内容。またミッションで指示されているものが時折わかりにくかったり、『The Sims 4』特有の作りやユーザーインターフェースに慣れが必要だったりといった部分もある。
しかし、そういった部分をちゃんと踏まえてプレイすると新規でも楽しいし、もちろん既存プレイヤーの人には、本パックがシムの人生をより豊かなにしてくれるだろう。“スター・ウォーズ世界の人生シミュレーション”という目的でいきなりプレイすると面食らうこともあると思うので、そのあたりの温度感が伝わるといいなぁと思った次第だ。