ファミ通関連の編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、核戦争後の荒廃した世界で生きる『Fallout 76』です。

【こういう人におすすめ】

  • 自由な世界で気ままに生きたい
  • 過酷な環境でサバイバルがしたい
  • 無慈悲なクリーチャーとの戦闘を楽しみたい

※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整したものです。

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『Fallout 76』

  • プラットフォーム:PS4、Xbox One、PC
  • 発売日:2018年11月15日
  • 発売元:ベセスダ・ソフトワークス
  • 価格:パッケージ版8778円[税込]、ダウンロード版4888円[税込]
  • パッケージ版:あり
  • ダウンロード版:あり
  • 『Fallout 76』公式サイト

※データはPS4版のものです。

Fallout 76 ー サマーアップデートトレーラー

 核戦争によって荒廃し、突然変異を起こした異形のクリーチャーがうごめく大地。それが『Fallout 76』の舞台、アパラチアです。

 『Fallout』シリーズは、ひとりで広大な世界を探索できることが人気のタイトルでしたが、アパラチアの大地は前作『Fallout 4』の4倍も広く、しかも、ほかのプレイヤーとオンラインでいっしょに探検することができます。僕も最初は友だちに誘われてアパラチアに降り立ち、『Fallout』シリーズに初めて触れたのですが、2018年のリリース当時からいままで、気が向いたら本作を起動しては、武器を集めたり、自分の家をカスタマイズしたり、トウモロコシを育てたり、たまに核を撃ったりしながら、まったりと遊び続けています。

 本作では、最初に“Vault 76”というシェルターから外に出て、ストーリーなどを追っていくことになりますが、ゲーム内での行動は基本的に自由。チュートリアルをほったらかしにして遊び始めることも可能です。ただし、最初に触れた通り、アパラチアは荒廃しており、川には汚染水が流れ、自生する植物のなかには有害なものも。さらに、人間の命を狙う多様な種類の敵対的なクリーチャーが数多く生息しています。そのため、武器やアイテムを集めレベルを上げて、アパラチアで生き延びるための環境を整えることが序盤の基本の流れになります。

『Fallout 76』核戦争後で荒廃してるけど、童心に帰れたり、わりと暖かかったりする大地に足を踏み出そう【推しゲーレビュー】_02
巨大化したナマケモノ“メガスロス”を発見! 近づくともちろん襲ってきます。

 そこで、助けになってくれるのがほかのプレイヤーです。やはり、ほかにプレイヤーがいる、というのはゲームを進める助けになりますし、それだけで温かみがあります。たとえば、これは僕の体験談ですが、ゲームを始めて間もないころ、デスクローという凶暴な敵に追われて、死にかけました。そのとき、巨大なハンマーを持ったプレイヤーが颯爽と現れて、デスクローと1対1で殴り合いを始めたかと思えば、そのまま危なげなく倒しきり、こちらにサムズアップのエモートをしてそのまま駆け抜けていったのです。あれから1年以上経ちましたが、デスクローを見るたびに彼の姿を思い出します。彼は元気かなぁ……。

『Fallout 76』核戦争後で荒廃してるけど、童心に帰れたり、わりと暖かかったりする大地に足を踏み出そう【推しゲーレビュー】_03
すれ違ったほかのプレイヤーとエモートでゆる~くコミュニケーション。

 このように、世界を共有するプレイヤーがゆるくつながる仕組みになっているので、ひとりで遊んでいても寂しさなどはあまり感じません。ほかのプレイヤーを攻撃してアイテムを奪ったりもできますが、最近ではそういったプレイをする人もほとんど見かけなくなったので、これから始めるという人にはいいタイミングだと思います。

 また、家族や友だちといっしょに遊べば、本作のおもしろさは倍増するでしょう。言ってみれば、『Fallout 76』は巨大な公園のようなゲームです。さまざまなコンテンツがあるけれど、どのようなことをして遊ぶかはプレイヤー次第。

 僕は友だちと警官の服を着て、敵対的なプレイヤーを取り締まるロールプレイに興じていた時期もありましたし、チームを組んでひたすら強敵を倒して強い武器を探したり、写真撮影のスポットを探して集合写真を撮ったり……。友だちとワイワイ会話しながら遊ぶのがとにかく楽しく、童心に返って「今回は何をして遊ぶ?」と、いろいろな案を出し合っていました。

『Fallout 76』核戦争後で荒廃してるけど、童心に帰れたり、わりと暖かかったりする大地に足を踏み出そう【推しゲーレビュー】_01

 残念ながら『Fallout 76』はリリース当時あまり評価されませんでしたが、現在もアップデートが重ねられており、2020年4月14日には無料大型アップデート“Wastelanders”が実装され、当初登場しなかった人間のNPC(ノンプレイヤーキャラクター)と、彼らにまつわるクエスト、ストーリーなどが追加されました。フィールドには人間NPCの集落が新たに加わり、ランダムイベントが起きることもあります。逆に、これまでは人間NPCがいなかったので、ゲーム内で聞こえる人間の音声は、ホロテープに録音されたものだけでした。そのため、実装時には「人間だ!(! NPCだけど!!)」という奇妙な感動がありました。

 また、人間NPCとの会話では、選択式のシステムが採られており、選択によって相手の反応や好感度、クエストの進行方法も変わるので、ロールプレイがさらに捗ります。

『Fallout 76』核戦争後で荒廃してるけど、童心に帰れたり、わりと暖かかったりする大地に足を踏み出そう【推しゲーレビュー】_04
好感度によって、売ってくれるアイテムの質も変わるようになっています。

 さらに、初心者プレイヤー向けにゲームのいろはを教えてくれるクエストも追加されているので、“Wastelanders”の実装前にゲームから離れてしまった元Vault 76居住者の方はもちろん、これから始めるという人にはいいタイミングだと思います(2回目)。“世紀末”な世界観が好きな方、自由度の高いアクションゲームが好きな方は、ぜひアパラチアへおいでくださいませ!

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