エレクトロニック・アーツのバトルロイヤル型FPS『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)では、日本時間の8月18日午後2時よりシーズン6が開始する。今回、海外メディア向けに行われたプレゼンとQ&Aに参加し、ひと足先にその内容を聞いてきたのでご紹介しよう。

新キャラ“ランパート”は設置系能力で戦うレジェンド

 まずはシーズン6での新キャラ“ランパート”から。気になる能力は以下の通り。流れを先読みして設置系の能力で対応していく設計となっている。

  • タクティカルアビリティ:強化バリケード
    • 世界観を共有する『タイタンフォール』シリーズの“A-Wall”と同系統の能力
    • 土台とその上部に展開されるエネルギーシールドで構成される防護壁を設置する。エネルギーシールド部分は内側からの弾を強化する能力を持つ
    • 発動するとまず土台部分が展開され、少ししてエネルギーシールドが発動する。土台は400ヘルス近く、上部は175ヘルスある。ただしエネルギーシールド発動前に土台部分に弾を撃ち込むとキャンセルされる
    • 3つまで持ち運ぶことができ、最大5つ出せる。自分以外も使える
  • アルティメットアビリティ:ミニガン“シーラ”
    • ランパート特製のミニガンを設置する。自分以外も使える。使用者が離れると終了。
    • 弾は無限にあり、マガジンサイズも大きい。ただしリロード時間は長い
    • 20発/秒。長く撃つと正確性が増していく。射撃可能な角度はあまり広くない
    • アルティメット促進剤などを使えば最大で3つ同時に出せる
  • パッシブアビリティ:改造ローダー
    • LMGとシーラの使用時はマガジンサイズが15%大きくなり、リロードが25%速くなる
    • L-Starではオーバーヒートも抑える
『Apex Legends』シーズン6の詳報をお届け。新キャラやクラフト要素や新仕様について、開発陣への取材内容を交えつつリポート_18

カウンターやプレイする上でのポイント

 開発チームによるプレゼンでは、ランパートを“ディレクショナルディフェンダー”、つまり(設置型スキルが向いている方の)一定の方向性に強い守備型キャラクターと位置づけていた。

 彼女へのカウンターとなるのは、グレネードやクリプトのEMPドローン、そして迂回策などによる位置取り勝負。シールドの準備段階で潰しにかかるとか、精度が低いシーラの撃ちはじめで迂回行動に移るといったように、ランパートプレイヤーの読みとプランを崩していくのが重要になるだろう。

 シーラは『Apex Legends』で初のダメージメインの銃のアルティメットアビリティとなるので、何か方針が変わったのか聞いてみたところ、開発内ルールは「アビリティを使うだけでスキルなしに相手を倒せるものはダメ」というもので変わっていないという(例えばジブラルタルのアルティメットもダメージがあるが、警告つきかつ着弾まで時間があることで、ダメージメインではなく敵をエリアから追い出す能力として設計されている)。

 ランパートの場合は実際に狙う必要もあり、準備段階が遠くからも確認できるので警戒するチャンスがあって、また設置型がゆえに動かせず迂回戦術で対抗でき、リロードが長くうるさいので、そのスキに追い込みをかけるチャンスもある、というメリット/デメリットでバランスを取っているようだ。

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バックグラウンドも注目

 ランパートはインド系イギリス人の血を引くストリートの改造屋で、パーティーとジョークが好きな、ミラージュと対になるようなコメディ的役割のキャラクターとなっている。レヴナントやローバやクリプトと異なり、その仕事を通じて参戦以前からジブラルタルやバンガロールなどレジェンドたちと知り合いだったというのも興味深いところ。

 ちなみに彼女のアニメトレイラーでは『タイタンフォール2』の宿敵であるブリスクや謎のマスクの女性が登場しているのだが、開発チームいわくブリスクは「現在は傭兵稼業は引退してApexゲームのコミッショナーをやっている」、「ローンチ時のオープニング動画でプレイヤーにカードを渡したのもブリスク」、そして謎のマスクの女性の正体は「現在知られているキャラクターではない」とのこと。

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クラフト要素導入&EVOアーマーのデフォルト化

 ゲームプレイ面で大きそうなのが、クラフト要素の導入だ。フィールドを探索して素材を集め、“レプリケーター”という機械でアイテムを生成できるようになる。

  • レプリケーター
    • 円形のリストから、銃・アタッチメント・ホップアップ・回復アイテム・アーマーアップグレード(後述)・弾などを作れる
    • 日替わり・週替りのローテーションに指定されているアイテムはフィールドからは出てこない。パーマネント(永久)指定のアイテムは例外
    • レプリケーターのローテーションに指定されているアイテムは出撃前のロビーでもわかる
    • 稼働時にはビームが飛んだり、アイテム作成完了時に「プシューッ」と音がするので周囲から察知できる
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  • 素材
    • アイテムボックスなどからは少量、円筒形の“デポジット”からはより大量に手に入る
    • インベントリーを圧迫せず、死亡しても失われない。またデポジットからは個別に入手できるので仲間同士で取り合わないでいい
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EVOアーマーのデフォルト化でアーマー入手方法が3種類に

 シーズン6では、与えたダメージによって強化されているEVOアーマー(進化シールド)がデフォルト採用になり、出撃時はレベル0の扱いで、ダメージを与えるとレベルが上っていく。アーマー値は白が25、青が50、紫が75、赤が100。

 またマップに落ちているアーマーもすべてEVOアーマーになり、戦闘・探索・クラフトの3種類でアーマー強化が可能となる。

新武器“ボルト”導入および、R99とデヴォーションが入れ替えに

 また『タイタンフォール』シリーズから新武器として“ボルト”が登場。12発/秒のエネルギー弾を使うサブマシンガンで、接近戦で威力を発揮する。

 また同じくエネルギー弾を使用するデヴォーションがR99と入れ替えで通常武器に復帰するので、シーズン6ではエネルギー武器を多く目にすることになりそうだ。

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列車撤去&ロケット発射台出現など、World's Edgeがアップデート

 シーズン6では、マップ“World's Edge”がアップデートされ、ハモンド・ロボティクスによるロケット発射台などの建造物が追加されたほか、これまでマップ内を走り回っていた列車が撤去され、かつての線路周辺やトンネル内にさまざまな障害物が置かれるように。

 列車撤去のゲームデザイン的な意図について聞いてみたのだが、列車があると通路や周囲に何も置けず変化に乏しいのに対し、それがなくなることで障害物やアイテムなどを置けるというのがポイントのようだった。マップの変化についてはすでに公式サイトに詳細な紹介が掲載されているが、ここでも簡単に紹介しておこう。

  • 発射場(ドーム西側)
    • 大きなコントロールルームが4つあり、アイテムも豊富
    • ザ・ツリー東側の崖などに新たなルートが作られている
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  • カウントダウン(旧採掘場)
    • 中央のピット(くぼみ)を開けると強アイテムを取れる
    • ただし周囲から狙われやすい
    • ブラストウォール(後述)でルートを制限できる
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  • 中継地点(中央部)
    • 大きな建物ができコントロールルームが存在する
    • ブラストウォールをせり上げて線路に通じるルートも作れる
    • アイテムも大幅に増量されている
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  • ブラストウォール
    • 発射場、カウントダウン、中継地点に追加された新たなマップギミック
    • 普段は収納されているが、コントロールパネルで起動することで巨大な可動式の壁がせり上がる
    • 大きなルートを塞いで制限できるが、下や脇の小さなルートから侵入したり、飛び越えるといった迂回策が存在する
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  • その他
    • 調査キャンプ東からトンネル経由でスカイフックに抜ける通路が掘られた
    • トンネル内にはさまざまな障害物が置かれるようになり、少量ながらアイテムの入手も可能に
    • ドームの北や溶岩溝の南に間欠泉(ハイジャンプ可能)が登場
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トレジャーパックのデジタルコミック&新バトルパスアイテムほか

 シーズン6では、プレイ中にたまに入手できるトレジャーパックからデジタルコミックが入手できるようになる。コミックはある程度話の区切りごとにアンロックされる形で、ローカライズ対応も行われる(そのためにわざわざ吹き出しなしのデータで入稿してもらって、吹き出しを入れるプログラムを書いたらしい)。そのほか、シーズン恒例のバトルパス用アイテムなども追加される。

 なおSwitch版の仕様や配信時期などについても質問が飛んだが、残念ながら今回は発表ナシ。「携帯モードの画面で長距離戦に対応するのは難しいのでは」といった鋭いツッコミもあったが、ジャイロコントロールでの操作などに対応する以外、ゲームの基本の設計は同一のものを目指しているそうで、配信後に動向を注視していきたいとのことだった。

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