日本ではスパイク・チュンソフトから日本語ローカライズ版が発売されている、核戦争後のロシアを舞台にしたFPS『メトロ』シリーズ。同シリーズを手掛けた4A Gamesが、企業買収によりEmbracer Group傘下になることが発表された。
Embracer Groupは、『メトロ』シリーズのパブリッシングを行ってきたDeep SilverやTHQ Nordicなどの欧州のゲームパブリッシャー、そしてゲーム版『World War Z』などを手掛けたSaber Interactiveや、バカゲー『Goat Simulator』などのCoffee Stain Studiosといったゲームスタジオを傘下に持つスウェーデン系の企業グループ。
今回の出資はSaber Interactiveを通じて行われ、4A Gamesは組織的にはSaber直下の独立したスタジオとして継続していく形となる。公式発表でのコメントによると、『メトロ』フランチャイズを継続していくほか、新たなIPの開拓や(『メトロ』にはなかった)マルチプレイ要素を盛り込んだタイトルも模索していく様子だ。
Embracer Group全体では、4Aを含めたゲーム会社7社と映像系1社の買収を一気に発表しており、非常に積極的な投資を継続している印象。今回グループ傘下に収めたメーカーのリストは以下のようになっている。
- New World Interactive
- 『Insurgency: Sandstorm』などFPSを得意とするアメリカ/カナダのスタジオ
- 4A同様にSaber Interactive傘下に
- Vermila Studios
- 第1作として一人称視点ホラーアドベンチャーゲーム『Crisol: Theater of Idols』を開発中のスペインのスタジオ
- Embracerの出資部門であるAmplifier Game Investが担当するスタジオとして継続
- Rare Earth Games
- オーストリアのゲームスタジオで、PC/家庭用ゲーム機/クラウドサービス対応のマルチプレイアクションゲームを開発中
- Vermila同様にAmpliferの下で継続
- Palindrome Interactive
- ストラテジーゲーム『Immortal Realms: Vampire Wars』を8月にリリース予定のスウェーデン系スタジオ
- 従来よりAmpliferが50%出資していたが、今回100%傘下に
- 次作もストラテジーゲームでCoffee Stainがパブリッシング予定
- Pow Wow Entertainment
- オーストリアのゲームスタジオ
- THQ Nordic傘下に
- 2つのプロジェクトが進行中で、ひとつはTHQ Nordicが所有するIPの作品、もうひとつはローグライクなマルチプレイアクションゲーム
- DECA Games
- 独ベルリンに本拠地を置くモバイル系パブリッシャー
- 基本プレイ無料のモバイルタイトルを担当するEmbracerの6番目の部門となる
- Sola Media
- 独シュツットガルトの映像系配給会社
- Deep Silverの直属の親会社であるKoch Mediaの映像部門Koch Filmの傘下で独立して継続